遠的矢のアルミカーボン入門とコスパと耐久性で後悔しない選び方

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遠的矢のアルミカーボン入門とコスパと耐久性で後悔しない選び方

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こんにちは。弓道ライフのゆみの先生です。

遠的を始めようとするときに、遠的矢はアルミが良いのか、それともカーボン、あるいはアルミカーボン、王道のジュラ矢や、ウッドカーボンなど、どれを選ぶべきか迷う方は本当に多いですよね。特に遠的矢の重さは何gが良いのかという疑問や、遠的矢の番手の数字が持つ意味、自分の弓力とのバランスはどうなのか、遠的矢のスパインや箆張(のばり)の考え方、矢尺や矢束の正しい決め方、インサートや矢尻の重さの調整、矢羽は三寸五分が良いのか四寸が良いのかといった細かな要素まで考え始めると、「結局のところ、自分にはアルミカーボンがいいの?それともジュラ矢かカーボン矢のどっちなの?」と頭がいっぱいになってしまいますよね。

さらに、近的矢と遠的矢の根本的な違いや、遠的矢と近的矢を兼用しても大丈夫なのか、初心者・中級者・上級者それぞれに本当に合う遠的矢の選び方、国体遠的矢で使われるアルミカーボンのような本格志向の矢のスペック、試合用遠的矢のおすすめモデル、アルミカーボンの価格や6本組の相場、はたまた『アルミカーボンは折れやすい、壊れやすい』といったちょっと不安な噂まで気になるところだと思います。まわりの先輩や先生ごとに言うことがバラバラだったりして、「一体誰の話を信じたら失敗しないの?」と感じているかもしれませんね。

この記事では、そうした遠的矢選びのモヤモヤを一つずつ丁寧に整理しながら、「遠的を本格的にやるならアルミカーボンを軸に考えると、実はすごく楽になりますよ」という視点でお話していきます。読み終わるころには、あなたの今の弓力や引くスタイルに合った遠的矢アルミカーボンの選び方がパッとイメージできて、「次はこの番手、この重さで注文してみよう!」と具体的に自信を持って動けるようになるはずです。気になるポイントには実戦での体感もたっぷり交えながらお伝えしていくので、どうぞゆっくり読み進めてみてくださいね。

  • 遠的矢とアルミカーボンの基本的な特徴や、他の素材との明確な違いが分かります
  • 自分の弓力・矢尺・スパインから見る、絶対に失敗しない最適な番手の考え方が見えてきます
  • ジュラ矢やプレーンなカーボン矢との比較から、アルミカーボンの本当の立ち位置が納得できます
  • 初心者から上級者まで、自分のステップに合わせた遠的矢アルミカーボンの賢い活用法が掴めます

遠的矢とアルミカーボンの基礎

ここではまず、遠的矢そのものの特徴と、アルミカーボンという素材の基本からしっかりと整理していきますね。近的用との違いや、アルミ矢・カーボン矢との関係性を一度頭の中で整理しておくと、その後の番手選びや弓力とのマッチングがグッと分かりやすくなりますよ。遠的競技は一般的に射距離60mで行われ、近的よりもかなり細くてよく飛ぶ矢が求められるデリケートな競技です(出典:公益財団法人全日本弓道連盟『弓道競技規則』)。この前提をしっかり押さえたうえで、「なぜアルミカーボンが遠的にこれほど向いているのか」を順番に見ていきましょう。

遠的矢アルミとカーボンの違い

遠的で使われる矢のメインどころは、ジュラルミン系のアルミ矢とカーボン矢、そしてその2つを掛け合わせたハイブリッドであるアルミカーボン矢です。「素材が違うと、飛んでいくときの何が変わるの?」というところから、ゆっくり分かりやすく整理していきますね。

アルミ矢は、いわゆるジュラ矢と呼ばれるタイプで、シャフトの直径がやや太く、全体の重さもしっかりあります。金属パイプなので、一本一本の寸法が綺麗に揃いやすく、真っ直ぐさ(真直性)も非常に安定しやすいのが特徴ですね。そのぶん高い安定性と扱いやすさに優れていて、近的では今でも圧倒的な定番です。遠的用としては1813や1913などの細めの番手がよく使われ、弓力に合わせて手軽に選びやすいのも魅力的なポイントですね。

対してカーボン矢は、シャフトが非常に細く、とにかく軽いのが特徴で、矢勢が驚くほど速く、直進性に優れています。遠的矢のカーボンとしては、ミズノのWENEW(ウィニュー)シリーズなどが特に有名で、「とにかく風に負けずによく飛ぶ矢がほしい」という射手の強い声に応えてくれる存在です。軽さゆえに手の内が乱れたときに風の影響を受けやすい場面もありますが、たしかに矢飛びの鋭さは大きな魅力ですね。ただ、カーボン単体は製造方法の関係で、真直性や寸法精度の個体差がほんの少し出やすい面もあり、モデルによって性格が結構違ったりします。

そこで満を持して登場するのが遠的矢アルミカーボンです。これはアルミの中芯パイプの外側にカーボン繊維を精密に巻いた二層構造になっています。アルミ矢の持つ高い寸法精度と、カーボン矢の軽さ・強さを両立させたタイプで、まさに「良いとこ取り」の贅沢な矢と言えますね。シャフトの外径はジュラ矢よりしっかりと細く、それでいてカーボン矢ほど極端に軽すぎない絶妙な重量バランスなので、遠的の距離でも弾道がフワつかずに綺麗にまとまりやすいです。

実際に遠的場で使ってみるとわかりますが、一般的なアルミ矢と比べて、同じ弓力で引いていても矢勢がひと段階ハッキリと速くなり、60m先の霞的までの伸びが全然違います。一方、純粋なカーボン矢と比べると、アルミの芯が効いているせいか、狙ったライン通りに素直にまっすぐ飛んでいく感覚があり、「暴れにくい軽量矢」という信頼感のある印象を持つ方が多いですね。遠的を真剣にやるならアルミカーボンを第一候補にと私がよくおすすめするのは、この素晴らしいバランスの良さがあるからなんですよ。

もちろん、どの素材にも一長一短があります。アルミは丈夫で曲がっても修理しやすい、カーボンはとにかく軽くて矢勢が出る、アルミカーボンはその中間で両方の強みを引き出した高性能モデル、と覚えておくと、あなたに合った選択がしやすくなるかなと思います。

より素材ごとの違いを深掘りしたい場合は、ジュラ矢・カーボン矢の比較をまとめた弓道の矢の値段の相場と素材比較も役に立つと思いますよ。素材ごとの具体的な価格感や、近的との兼用のしやすさもあわせてチェックできます。

遠的矢ジュラ矢と竹矢の比較

遠的矢におけるジュラ矢と伝統的な竹矢を比べると、それぞれにメリットとデメリットがはっきり分かれています。「昔ながらの趣ある竹矢か、現代の実用性を追求したジュラ矢か」という悩みは、遠的の稽古を始めた人が一度は通る分かれ道かもしれませんね。

ジュラ矢は完全な工業製品なので、太さや節のムラがなく完全に寸法が揃っており、万が一少し曲がっても弓具店である程度は修正が効きます。金属パイプとして精密に量産されているので、同じ番手であれば重さや直径がほぼ完全に同じになり、6本組や8本組のセットで使ったときの矢所のまとまりが非常に取りやすいです。価格も比較的抑えめで、学生さんや初心者にとても優しい遠的矢ですね。遠的矢の重さが何gが良いか真剣に迷う時も、メーカーの番手表を見ながらシステマチックに選べるので、大きな失敗が少ないのが最大の強みです。

一方、竹矢は一本一本が自然の生き物で、独特のしなりや風合いに何とも言えない味があります。同じ重さ・同じ太さに見えるように職人さんが作っていても、竹の節の位置や材質の細かな密度ムラによって、微妙に矢の性格が違ってきます。そのため、遠的でも竹矢特有の「矢乗りの良さ」を愛用する上級者は多いのですが、日頃の湿度変化や反りに合わせたこまめな手入れが必須で、矢尺やスパインの管理もすべて自分の目と感覚で見ていく必要があります。

竹矢は、しっかり箆(の)を矯めながら長く付き合うと、射手の離れの癖にじんわり馴染んでくる素晴らしい感覚があります。ただ、その分だけ、セットで揃えるときの初期コストが高額になりますし、万が一土手に当たって折れたときのショックもかなり大きいです。遠的の矢所を安定させるには、6本なり8本なりを極力同じ性格に揃える必要がありますから、ここにこだわるほどコストと維持の手間は重くなっていきます。

「ジュラ矢かカーボン矢か、それとも竹矢が良いのか」という悩みは本当によく聞きますが、遠的で的中率を最優先したいなら、まずはコスパと扱いやすさのバランスでジュラ矢を選び、実力が上がってきたら将来的にアルミカーボンへステップアップする、という流れが一番無理のない選択かなと思います。竹矢は、自分の射形がかなり固まり、矢のわずかな個体差すらも自分の技術で楽しんでコントロールしたくなった段階で、満を持して挑戦するのがおすすめですよ。

遠的矢ウッドカーボンの特徴

遠的矢ウッドカーボンは、EASTON(イーストン)のウッドカーボンのように、見た目は美しい竹のような木目調で、中身の構造は最先端のカーボンというハイブリッドなタイプです。「竹矢のような伝統的な雰囲気が大好きだけど、毎日の管理の手間や高すぎるコストは抑えたいな」という、現代の弓道家のワガママなニーズに見事に応えてくれる存在ですね。

ウッドカーボンは、外観に特殊な木目加工が施されているので、由緒ある弓道場の静かな雰囲気にも驚くほどよく馴染みます。一方で、内部のシャフト自体はカーボン製なので、強度や耐久性はプレーンなカーボン矢とほぼ同じであり、雨の日の湿気による反りや曲がりの管理は竹矢よりずっと楽ちんです。全体の重さはカーボン単体の矢よりも表面加工のぶんやや重めになることが多く、自分の弓力が13〜15kgくらいの方にとっては、矢の重さとシャフトのしなりのバランスが抜群に取りやすいと感じるケースが多いようですね。

アルミカーボンとの細かな違いで言うと、ウッドカーボンは「見た目の美しさも含めたトータルのクラシックな雰囲気」と「そこそこ軽くてよく飛ぶ」という感覚を両立させたバランス型と言えます。一方で、アルミカーボンは「純粋な性能重視・徹底した直進性重視」の、競技に勝つためのメカニカルな道具寄り、とイメージすると分かりやすいと思いますよ。どちらが上というわけではなく、あなたが弓道において何を一番大事にしたいかで選ぶのが正解です。

見た目の伝統を重視しつつも、初心者向けのジュラ矢から一歩進んだ高性能な矢を使ってみたい人には、ウッドカーボンも非常に素敵な選択肢になります。ただし、遠的だけでなく近的もまったく同じ矢で引きたいと考えている場合は、弓力とスパインのバランスが少し繊細になってくるので、購入前に弓具店へ「遠的メインで使うのか、近的と完全に兼用にしたいのか」をしっかり伝えて相談すると、失敗を防げて安心ですよ。

遠的矢の重さ何gと弓力目安

「遠的矢の重さって、結局何gのものを買えばいいですか?」という質問は、道場でも本当によく受けます。結論からお話しすると、「この重さじゃなきゃ絶対にダメ」という絶対的な正解の数値はありませんが、大枠の目安となる考え方はちゃんとあります。ここを理解しておくと、弓力ごとの遠的矢アルミカーボンやジュラ矢選びが劇的に楽になりますよ。

遠的矢の総重量は、一般的には20g〜30gの範囲内に収まることがほとんどですが、これはあくまで体格や引き尺に連動する目安にすぎません。自分の弓力が比較的弱いのに、安心感があるからと重すぎる矢を使ってしまうと、十分な矢勢が出ずに、60m先まで届いたとしても弾道が放物線を描きすぎて高さが不安定になります。逆に、強い弓を使っているのに「よく飛ぶから」と軽すぎる矢を組み合わせてしまうと、矢を放った瞬間のエネルギーを矢が受け止めきれず、弓本体への負担(振動)が増えたり、矢のスパインが負けて空中ではためくように暴れやすくなってしまいます。

弓力ごとの具体的な重量イメージ

弓力に合わせた遠的矢重さの目安表

  • 弓力〜13kg前後:やや軽めのジュラ矢(1813など)や細身のカーボンが最適(20g台前半目安)
  • 弓力13〜16kg:標準〜やや軽めのアルミカーボンが最も扱いやすい黄金ゾーン(20g台中盤〜後半目安)
  • 弓力16kg以上:矢の重さをしっかり持たせたタフなアルミカーボンや太めのカーボン(25g以上も十分に視野)

この大まかな範囲の中で、あなたの実際の弓力、引く長さ(矢尺)、そして自身の筋力や体力に合わせて細かく微調整していくイメージですね。例えば、同じ15kgの弓を引く場合でも、筋力にしっかり余裕がある人なら少し重めの矢を選んで弾道を安定させられますし、体力に少し不安がある人なら、あえて軽め寄りの矢をチョイスして会の負担を減らした方が、長時間の試合でも最後まで綺麗に引き続けやすくなりますよ。

遠的矢アルミカーボンの場合、シャフト単体は非常に軽く作られているため、矢尻(ポイント)やインサートの重さを調整して、「前重心(前を重くする)」を作ってあげることが多いです。矢尻の重さを5g〜10g変えるだけでも、遠的場での矢飛びの感覚や矢所の上下の集まり方がガラッと変わることがあるので、「なんだか矢が軽すぎて空中でお尻を振るな、落ち着かないな」と感じたら、シャフトを買い替える前に、まずは矢尻の重さを見直してみるのもすごく有効なテクニックですよ。

とはいえ、これも一般的なフィッティングの目安でしかありません。あなたにとっての正確な数値や安全なセッティングについては、お近くの信頼できる弓具店や道場の指導者の先生とよく相談しつつ、可能であれば実際の遠的場で試射させてもらって決めるのが一番確実です。特に17kgや18kg以上の強弓を愛用している方は、弓へのダメージやご自身の体へのキックバックも含めて、慎重に検討してくださいね。

遠的矢スパインと番手の考え方

遠的矢のスパイン(箆張・のばり)という言葉は少し難しく聞こえるかもしれませんが、これは遠的矢の番手(数字)とあなたの弓力を正しくつなぐための超重要キーワードです。ここを理解しておくと、アルミカーボンの「560」や「470」、ジュラ矢の「1813」「1913」といった、カタログに並んでいる数字の意味がスッキリと腑に落ちてきますよ。

スパインとは、ものすごく簡単に言うと「矢のしなりやすさ、硬さの度合い」のことです。強い弓を使っているのに柔らかすぎる矢を選んでしまうと、離れの瞬間に矢がベコンと過剰にしなってしまい、手の内のわずかなブレが何倍にも増幅されて、60m先では矢所がとんでもなく暴れてしまいます。逆に、弱い弓を使っているのに硬すぎる矢を組み合わせてしまうと、弓が持つ本来のエネルギーが矢にうまく乗りきらず、矢勢不足になったり、引いたときに重苦しい射ち味になってしまったりします。

例えば、世界的な定番であるEASTONのアルミカーボン「560」という番手は、直径が約6.3mm、100cmあたりの重量が約20g前後に設計されており、だいたい12kg〜15kg前後の弓に一番よく合うスパイン(硬さ)に調整されています。これを一つの基準にして、あなたの矢尺(矢の長さ)が長くなるほど、物理的なレバー比の関係で矢は実質的に「柔らかく」感じるようになり、逆に矢尺が短くなるほど、矢はキュッと「硬く」感じるようになります。なので、自分の矢尺が標準より長い場合は少し硬めの番手を選び、短い場合は少し柔らかめの番手にする、といった絶妙な調整をしていくのがプロの選び方なんですね。

スパイン選びで失敗しないための基本ルール

  • 強い弓 × 柔らかすぎる矢の組み合わせ:離れでしなりすぎて上下左右のブレが激しくなる
  • 弱い弓 × 硬すぎる矢の組み合わせ:弓の力が矢に伝わらず、的の手前でするする失速しがち
  • 弓力・矢尺・実際の矢重の3つを、トータルバランスで見る視点が一番大事!

具体的には、弓具店が用意している対応弓力表をじっくり見ながら、「自分の今の弓力と必要な矢尺が、この番手の推奨範囲にしっかり収まっているか」を確認し、実際の矢飛びを見ながら微調整していきます。同じ15kgの弓であっても、離れのキレがパンと鋭い人と、少し優しく送り出すような人では、しっくりくるスパインが微妙に違うこともあります。ここを「ただ弓力のキロ数だけで機械的に決めない」ことこそが、遠的矢選びで後悔しないための最大のコツですよ。

各メーカーのスパイン表や対応表はとても便利ですが、あくまで「計算上のデータ」なので、これらが絶対の正解だと思い込みすぎず、実際の自分の矢飛びや的中を確かめながら微調整していく柔軟な感覚を持っておくと失敗しません。もしどうしても二つの番手の真ん中で迷ってしまったら、やや硬めの番手を選んでおき、後から重い矢尻を付けてしなりを出す方向で調整する方が、弓への負担や安全面を考えても無難なケースが多いですよ。

遠的矢とアルミカーボンの選び方

ここからは、実際に遠的矢アルミカーボンを購入する際のチェックポイントを、あなたの矢尺や矢束のバランス、羽根のデザイン、インサートの仕様、そしてレベル別の考え方や気になるお値段まで、徹底的に具体化して整理していきますね。「遠的を本格的に楽しむならアルミカーボン」という方針を頭に置きながら、自分のこれからのステップに合わせてイメージを膨らませてみてください。あなたの今の実力、予算、そして目標とする大会のレベルを上手に掛け合わせることで、「無理なくお財布にも優しく、それでいて試合でしっかり結果を出せる」最高のセットを組みやすくなりますよ。

矢尺矢束と遠的矢アルミカーボン

遠的矢の矢尺(矢の長さ)は、基本的には普段お使いの近的矢と全く同じ長さで揃えてしまって構いません。あなた自身の矢束(しっかりと引いたときの首の付け根から中指の先までの長さ)に対して、安全マージンとして2cm〜3cmの余裕を持たせた長さが、安全面でもコントロールの面でもいちばん信頼できる基準になります。ここの長さを間違えてしまうと、いくら高価で高性能な遠的矢アルミカーボンを選んだとしても、引いたときに体への引っかかりが出たりして、射そのものが不安定になってしまうので、最初に絶対に間違えたくないポイントですね。

遠的は60m先を狙うからといって、「少しでも矢を前に出したい」と矢丈を極端に長くする必要は全くありません。むしろ矢尺だけを無駄に伸ばしてしまうと、先ほど説明したスパイン(硬さ)の感覚が大きく変わってしまい、同じ番手を注文したはずなのに「なんだか急に矢が柔らかくなって、空中でお辞儀をするように感じる」なんていうトラブルが起きてしまいます。これは、シャフトが長くなるほど矢全体のしなる量が増え、弓の強い押し出しに対して柔らかく反応してしまうためですね。

矢尺を間違いなく決めるための4ステップ

  • 現在使っていて一番しっくりきている近的矢の矢尺を、ノギスやメジャーで正確に測る
  • 実際に弓を引いたときの、頬や指先と矢尻の位置関係(矢束)を先輩や先生に見てもらう
  • 自分の矢束+2〜3cmを絶対の基本として、安全に引ける長さを確定させる
  • その確定した矢尺をもとに、アルミカーボンのメーカー番手表を横に見ながら適合する数字をチェックする

遠的矢アルミカーボンを新しくオーダーするときは、まず今お使いの近的矢の矢尺をしっかり基準にして、その長さに適合する番手を確認します。そのうえで、遠的の特性に合わせて少し軽めで細身のシャフトを選択する、というステップを踏むと、近的から遠的に持ち替えたときの違和感が驚くほど少なくなりますよ。「近的と遠的で矢尺は完全に同じにしておき、素材と番手(太さ・硬さ)だけを変えて対応する」という考え方が、一番スマートで失敗がありません。

また、まだ体が大きくなる成長期の高校生や大学生などの場合は、今後の身長の伸びや引き尺の伸びを見越して、矢尺をあらかじめ少しだけ長めに取るケースもよくあります。ただ、あまりに先のことを見据えすぎて最初から長くしすぎると、現時点の弓力に対して柔らかすぎるスパインになってしまい、矢が真っ直ぐ飛ばなくなってしまうので、道場の指導者の先生や弓具店の店員さんとよく相談しながら、今最適な長さを決めるのが一番おすすめですよ。

矢尺や矢束の正しい測り方や、初心者が知っておくべき矢の基礎知識をもっと細かく確認したいときは、こちらの弓道の矢の種類と選び方の解説もすごく便利に活用できますよ。写真付きでパーツごとに優しく解説しているので、初めて自分の矢をオーダーする方でも迷わずスムーズに理解できると思います。

インサートと矢羽三寸五分四寸

遠的矢のインサート(シャフトの先端の内側に入れる補強材)や矢尻の重量、そして矢羽の長さ(三寸五分か四寸か)というディテールは、矢の飛行中の性格をかなり大きく左右するポイントです。アルミカーボン矢は、シャフト自体が非常に軽くてカッチリと硬く作られている分、インサートの重さと羽根の形状の選び方が、最後の「味付け」として中りやすさにダイレクトに関わってくるんですよ。

インサートと矢尻(ポイント)の重さを少し増やしてあげると、矢の重心がグッと前方に寄る「前重心」のセッティングになります。こうすると、放たれた矢が飛行中に頭を垂れにくくなり、上下のムダなブレが減って矢所が一点に安定しやすくなります。その代わり、全体の重量が増すぶん矢勢(スピード)はほんの少しだけ落ちるので、自分の弓力がギリギリのキロ数の場合は、的の手前で届かずに失速してしまうこともあります。逆にここを軽くしすぎると、初速はもの凄く速くなってよく飛びますが、離れのわずかな緩みや、遠的場特有の横風の影響をモロに受けて矢所が散らばりやすくなる面もあります。一長一短ですね。

インサートとポイントの組み合わせの味付け例

あなたの狙いたい目的 インサート+ポイントの推奨重量 実戦での矢の弾道特徴
とにかく飛距離と初速を優先したい やや軽め(メーカー標準より−2〜3g) 直線的な鋭い矢勢は出るが、風や手の内のブレには少し敏感になるかも
風に負けない安定性を最優先したい 標準〜やや重め(メーカー標準に+2〜5g) 上下の弾道ブレが減り、同じ場所へ吸い込まれるようなグルーピング性能を発揮
強い弓での矢のバタつきを抑えたい 標準〜やや軽めで、スパインを硬めにする 弓の強い反発を受け流しつつ、空中での直進安定性をしっかりキープ

羽根の仕様については、遠的矢の標準サイズはだいたい「三寸五分(約10.5cm)」から「四寸(約12cm)」くらいの、近的用に比べてかなり短めで細い羽根を採用するのが一般的です。三寸五分は空気抵抗を極限まで減らした飛距離重視、四寸は空気の気流を掴む安定性寄りというイメージで選ぶと分かりやすいですよ。種類としては白グースやターキーの白系を選ぶのが、個人的には非常におすすめです。なぜなら遠的は的まで60mも離れているので、矢が飛んでいる最中や安土に刺さったときに、白系の羽根だと看的にいる仲間や指導者の目から矢所がハッキリと見えやすくて、調整がすごくスムーズになるからなんですね。

「矢を飛ばしたいから」といって、羽根の長さを三寸未満など極端に短くしすぎてしまうと、離れのわずかな乱れを復元する力が足りなくなり、風が吹いた瞬間に矢がどこかへすっ飛んでいってしまう危険があります。特に遠的に挑戦し始めたばかりのうちは、三寸五分〜四寸の範囲内で、無理のない扱いやすい長さを選ぶのが一番安全です。「上級者の大先輩がすごく短い羽根を使っているから」という理由だけで、無理に真似をする必要は全くありませんよ。

インサートの重量や羽根の長さは、「一番最初の注文時に完璧な正解を決めなきゃダメ」というものでは決してありませんので安心してください。まずは弓具店が推奨するその番手の「標準的な構成」で注文して引いてみて、実際の遠的場での矢飛びや矢所の集まり方を見ながら、「もう少し重くしてみようかな」「次は羽根を四寸にしてみよう」と、次に矢を新調するときの楽しみにしながら微調整していくのが、一番現実的で失敗のないステップかなと思います。

初心者中級者上級者と遠的矢選択

「初心者・中級者・上級者で、遠的矢の素材やグレードはどうステップアップしていくべきですか?」というロードマップの相談もよく受けます。ここでは、無理なく実力を伸ばすための王道の選び方をまとめておきますね。今のあなたの立ち位置と照らし合わせながら、これからの弓道ライフの計画を立てる参考にしてみてください。

遠的初心者〜始めて1年目のあなた

遠的の練習を始めたばかりの頃は、まずは価格がリーズナブルなジュラ矢の遠的用番手(1813など)からスタートするのが一番おすすめです。理由はシンプルで、お財布への負担が少なく、しっかりと6本や8本の本数を揃えやすいこと。そして、遠的に慣れていないうちは、矢が的を大きく外れて遠的場の後ろの土手や防球ネット、時には木々にダイレクトに当ててしまうリスクがどうしても高いからです。ジュラ矢なら万が一の時も修理がききやすいですが、ここで最初から1本数千円する高価なアルミカーボンを使ってしまうと、矢を傷つけたときの精神的・金銭的なショックが大きすぎて、遠的の練習自体が怖くなってしまいがちですからね。

遠的中級者(ある程度的の周りに集まりだしたあなた)

近的での射形がばっちり安定して、離れの緩みもなくなり、遠的でも「なんとなくあそこのゾーンに飛ぶな」と的中が安定してきたら、いよいよ本格的に遠的矢アルミカーボンへのステップアップを検討する最高のタイミングです。射技が身についてくると、ジュラ矢とアルミカーボンの「空中での推進力の違い」が驚くほどハッキリと自分の手の内で分かるようになってきますよ。「今までと同じ狙いと通りで引いているのに、アルミカーボンに変えた途端に矢がフワッと浮かずに直線的にまとまってくれる!」「離れの小さなミスを矢がカバーしてくれて、横ブレが減った」と感動する人が本当に多い段階です。

このレベルになると、普段の学校や道場での近的練習にはタフなジュラ矢を使い、週末の遠的練習や大会にはこの勝負用のアルミカーボンを持ち出す、というスマートな二本立て(使い分け)にする人が増えてきます。道具を大切に使い分けることで、それぞれの矢の寿命もグッと伸びますし、何より試合での自信に繋がりますよね。

上級者・大会上位を狙う実戦派のあなた

国体の遠的競技でも選ばれるような、最高峰のハイグレードなアルミカーボンシャフトや、完全に遠的特化型の最高級カーボン矢が射程圏内に入ってきます。このレベルに達すると、単に「メーカーの既製品を買う」のではなく、自分の使っている強弓のキロ数や、当日の風を読んだ手の内の押し引きに合わせて、番手・矢重・羽根のカット形状・インサートの重量配分まで、ミリ単位・グラム単位で細かくセッティングを詰めていくことになります。購入する際は、信頼できる弓具店のベテラン店員さんとマンツーマンで相談しながら、完全に自分だけのカスタムセットを組むのが前提の楽しい領域になってきますね。

また、16kgや18kgといった強弓を引く上級者ほど、矢の「軽さ」だけではなく、弓を痛めないための「耐久性」や「適切な矢重」がとても重要になってきます。ただ軽いだけの矢を強い弓で発射すると、弓の力が逃げ場を失って弦や弓の関板を痛める原因(空干しに近い状態)になってしまうので、あえて少し重さを持たせつつ、スパインを極限まで硬く硬く設計するアプローチが必要になります。「上級者=とにかく一番軽い矢を使っている」というわけではなく、自分の鍛え上げた射と、愛用の弓にとっての極上のベストバランスをストイックに追求していく、職人のような段階だと思ってくださいね。

遠的矢アルミカーボン価格と6本組

遠的矢アルミカーボンの気になるお値段の相場ですが、だいたい標準的な仕様の6本組で、完成矢(羽根や筈、矢尻がすべて綺麗にセットされた状態)として注文すると「3万円台〜4万円台前半」に収まることがほとんどです。ジュラ矢に比べると少し高級品に感じられますが、その直進性能と耐久性の高さを考えると、長く使える投資としては非常に納得のいくプライスかなと思います。ここでは、購入予算を組み立てやすいように、他の素材とのざっくりとした価格比較を分かりやすい表にしてみましたよ。

遠的矢(6本組完成矢)の素材別価格目安表

矢の素材タイプ 6本組の一般的な価格帯 おすすめのターゲット層
ジュラ遠的矢(アルミ) 17,000円 〜 23,000円くらい 遠的を始めたばかりの方、学生の練習用、予算を抑えたい方
カーボン遠的矢 30,000円 〜 35,000円くらい 中級者〜上級者、矢勢を上げて直線的に飛ばしたい方
アルミカーボン遠的矢 33,000円 〜 42,000円くらい 大会で上位を狙いたい方、絶対的な直進精度が欲しい本気の一本

もちろん、この価格表の数字はあくまで一般的な仕様で組んだ場合の目安です。選ぶ羽根の種類(例えば貴重な天然の本鳥羽や、鷲羽などの高級羽)にこだわったり、ハギ糸のデザインを指定したり、シャフトに特注のオーダーペイントを施したりすると、ここからさらに数千円〜1万円ほど価格が上がることもあります。正確な最新の金額については、お目当ての弓具店の公式オンラインサイトや最新の店頭カタログで、しっかり確認をしてみてくださいね。

もし「最初から4万円近く出すのは、部活の予算や自分のお小遣い的にちょっと厳しいな…」という場合は、焦る必要はまったくありませんよ。まずは2万円前後のジュラ遠的矢を1セット買って遠的の距離感や土手の感触にしっかり慣れておき、フォームが安定してきた頃に「ここ一番の勝負用・試合用」として、憧れの遠的矢アルミカーボンを6本だけ大切にオーダーする、という二段構えの作戦がとても現実的で賢いのでおすすめです。普段の平日の稽古はタフなジュラ矢でガンガン数をこなし、週末の記録会や本番の試合ではアルミカーボンに持ち替える、というスタイルなら、高価なアルミカーボン矢の消耗もかなり抑えられますし、何より「よし、ここから本番だ!」という精神的な良いスイッチにもなりますよ。

弓道の道具にかけられる予算の事情は、人それぞれ違って当然です。まわりのみんなが持っているからと無理をして背伸びをし、高価すぎる矢をカツカツで揃えるよりも、今の自分のお財布にとって無理のない範囲で、一段ずつ楽しくステップアップしていく方が、結果的に心が折れずに長く弓道を愛せる素晴らしい方法だと思います。「今年はまずジュラ矢で腕を磨いて、来年の大きな大会の前にアルミカーボンに挑戦しよう!」といった、中長期的なワクワクするイメージで計画を立ててみてくださいね。

遠的矢アルミカーボンで遠的を極める

最後に、私が声を大にして「遠的を本気でやるなら、やっぱりアルミカーボンが一番おすすめですよ」とお伝えしている、根底にある大切な考え方をまとめておきますね。ここまでたくさんの情報を読んできて、「なるほど、でも結局のところ、今の自分には本当に何が一番合うんだろう?」と、まだ少しドキドキしているあなたの心を、すっきりと整理するお手伝いができれば嬉しいです。

遠的競技は、近的の28mとは比較にならない「60m」という圧倒的なロングディスタンスを対象にします。距離がこれだけ長いということは、ほんのわずかなシャフトの曲がりや、一本ごとの重さのムラ、しなりのバラつきといった道具の小さな素性が、安土に届いたときには何倍もの大きな矢所のズレとなって残酷なほどストレートに出てしまう競技なんです。ジュラ矢やカーボン矢でももちろん十分に戦うことはできますが、自分の今の弓力と体格にシンクロした遠的矢アルミカーボンを丁寧にフィッティングしてあげると、的中率の安定感や、矢所がキュッと一箇所に固まるグルーピング性能の「伸びしろ」が、それ以外の素材に比べて明らかに一段カチッと広がるのを実感できますよ。特に、風がビュービュー吹いているタフなコンディションの日や、外したら終わりという緊張で手が震える本番の場面ほど、このアルミカーボンが持つ「ブレないポテンシャル」の差が、ありがたいほど心強く射手を支えてくれるなと私は実戦を通して痛感しています。

ただし、どれだけ世界最高峰の性能を誇るアルミカーボンシャフトであっても、あなたの弓力や矢尺、スパインの適合、そして遠的矢の総重量が何gかといった繊細な条件がピタッと噛み合っていなければ、せっかくの高い宝の持ち腐れになってしまいます。もしカタログを見ながら番手選びで少しでも不安な点や迷う部分があったら、決して自分一人で適当に決めちゃわずに、道場の経験豊富な先輩や、弓具店のベテランの店員さんに自分の引いている姿を見てもらって、「自分の今の弓力と、毎月の稽古量に無理なくマッチした、一番素直に飛んでくれるセット」を一緒に組んでもらうようにしてください。「この矢なら、自分の離れ通りに絶対に真っ直ぐ飛んでくれる!」と心から道具を信頼できる安心感は、会の深さや精神の安定にもそのまま直結しますからね。

また、憧れの遠的矢アルミカーボンを無事に手に入れることができたら、道具に負けないようにそれを乗りこなすための日々の稽古も同じくらい重要になってきます。例えば、遠的場が使えない日でも、近的の的を引くときにその遠的矢を数本混ぜてみて、矢勢のキレや弦音の響きの違いを体で覚えてみたり、実際の遠的練習では矢所がズレたときの風の向きや強さをノートに小さくメモしておく。そうやって、道具の特性と自分自身の身体感覚を少しずつピタッと噛み合わせていくプロセスこそが、弓道の何より楽しい醍醐味なんじゃないかなと思います。

最後になりますが、この記事に記載されている各種の数値データや弓力・矢重のバランス案内は、あくまで一般的な弓道フィッティングにおける目安として優しく受け取ってくださいね。安全面への配慮や、関節・筋肉への負担の感じ方には非常に大きな個人差がありますので、「少しでも違和感や痛みがあるな」と感じた場合は自己判断で無理に引き続けず、必ず道場の指導者の先生や弓具店などの専門家にご相談ください。また、商品の仕様や価格といった変わる可能性のある正確な最新情報については、必ず公式サイトや最新のカタログをご確認いただくようお願いいたします。

遠的矢アルミカーボンは、あなたの今の熱意に合わせて正しく選んであげれば、60m先の的がまるで目の前にあるかのように感じられるほど、あなたの弓道の世界と射の可能性を大きくドラマチックに広げてくれる、生涯の最高に頼もしい相棒になってくれますよ。この記事が、あなたが遠的の世界に踏み出す記念すべき最初の一本、そしてライバルに差をつける次の一本を後悔なく選ぶための、頼れる道標になればこれ以上嬉しいことはありません。自分にぴったり合う最高の道具と、一射一射を慈しむ丁寧な稽古で、遠的の素晴らしい時間を思いっきり楽しんでいきましょうね!

 

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