弓道着のたたみ方と袴の基本手順まとめ

道具

弓道着のたたみ方と袴の基本手順まとめ!シワを防いで美しく保管するコツ

畳の上で丁寧に袴をたたむ女性の姿

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弓道の稽古や大事な試合が終わったあと、「弓道着や袴ってどうやってたたむのが正解なんだろう……」って戸惑ったことはありませんか?特に始めたばかりの頃は、先輩たちがササッと綺麗に折りたたんでいく姿を見て、「自分にもできるかな」と焦ってしまいますよね。実は、弓道着や袴を正しく丁寧に取り扱うことは、見た目をピシッと美しく保つだけでなく、道具を大切にするという弓道の素晴らしい精神そのものにも繋がっているんです。着用したあとに適切な手入れをして正しく収納しておけば、次に道場に行くときもシワ一つない綺麗な状態で、気持ちよく準備が進められますよ。この記事では、初心者さんでも絶対に迷わない弓道着の上衣のたたみ方はもちろん、あの複雑な袴のひだをきれいに揃える手順、さらには男性・女性による袴の構造の違いに合わせた畳み方のコツまで分かりやすく徹底解説していきます。日々のメンテナンスに役立つお洗濯の裏ワザや、風呂敷を使ったスマートな包み方まで網羅しているので、ぜひ最後までチェックして、洗練された美しい所作を身につけてみてくださいね。

記事のポイント

  • 弓道着(上衣)と袴をシワなく綺麗に仕上げるための基本手順
  • 男性用(腰板あり)と女性用(腰板なし)の袴のたたみ方の違いと注意点
  • 風呂敷をフル活用した、型崩れを防ぐ賢い収納・持ち運び方法
  • お気に入りの弓道着や袴を長持ちさせるための日常のお洗濯と管理の基本

弓道着のたたみ方の基本と注意点

道場で黒の袴を丁寧にたたむ男性

  • 弓道着のたたみ方を丁寧に解説
  • 袴のたたみ方で気をつけるポイント
  • 袴たたみ方 女性のための手順
  • 袴たたみ方 男に合った畳み方
  • 袴の風呂敷の包み方と収納方法

弓道着のたたみ方を丁寧に解説

弓道着の上衣(じょうい)をいつも美しくたたむことは、身だしなみを整えるだけでなく、自分の道具への感謝を示す素敵な所作かなと思います。ここでサボらずにきちんと畳んでおく習慣をつけると、次の稽古のときに余計なシワに悩まされることがなくなって、とってもスマートに準備に取り掛かれますよ。

まず上衣の着付けやたたみ方の基本ですが、道場の畳の上など、広くて平らな場所に大きく広げて置くことからスタートします。背中の中心にある縫い目を意識しながら、左右の衿(えり)を真っ直ぐに重ね合わせ、両袖を左右にピシッと引き伸ばして全体のシワを手で優しく伸ばしましょう。次に、左側の袖を肩の付け根から内側(身頃側)に向かってカチッと折り返し、右側の袖も同じように対称になるように内側へ重ねて折り込みます。これで縦長の長方形が完成するので、あとは裾(すそ)の方から全体の長さに合わせて、三つ折り、もしくは四つ折りにコトコトと畳んでいくだけ。このときに、上衣の左右についている細い紐が外側にはみ出していると、カバンの中で他の道具と絡まって千切れたりする原因になるので、あらかじめ身頃の内側にそっと折り込んで収納しておくのが美しく仕上げるコツですよ。

上衣を折りたたむ最中に一番意識してほしい注意点は、布地の「本来の折り目」に逆らわずに、素直に力を逃がしてあげることです。これを行うだけで、収納している間に変な斜めのシワが深く刻まれるのを防げます。弓道着の素材によっては、特にポリエステル混などの滑りやすいツルツルした生地もあるので、そういうときは手のひら全体で軽く布地を優しくプレスしながら畳んでいくと、形がグズグズに崩れにくくなって綺麗に仕上がりますよ。

弓道着は単なるスポーツウェアではなく、自分の心を映し出す大切な「お道具」。たたみ方の一つを見ても、その人がどれだけ真摯に弓道に向き合っているかという姿勢や所作の丁寧さが自然と表れてしまうものです。日々の激しい練習を共にする相棒だからこそ、脱いだあとも日常的にいたわってあげる意識を持ちたいものですね。

なお、すべてのパーツを綺麗にコンパクトにまとめ終わったあとは、そのまま剥き出しでバッグに入れるのではなく、通気性の良い大きめの風呂敷などに優しく包んで保管してあげることで、移動中のホコリや嫌な湿気をシャットアウトできて、大切な道着を何倍も長持ちさせることができるようになります。

日本の誇る老舗の弓具店として名高い「翠山弓具店(すいざんきゅうぐてん)」の公式サイトなどでも、初心者向けに分かりやすい可愛いイラスト付きで上衣のたたみ方の手順が詳しく紹介されているので、もっと細かい手の動きが気になるときは、ぜひそちらのページも一緒に確認してみるのがおすすめですよ。

翠山弓具店ロゴ

袴のたたみ方で気をつけるポイント

袴(はかま)をどこから見ても惚れ惚れするくらい美しくたたむための最大の命題は、あの表と裏にある「ひだ(折り目)」を、最初から最後まで狂わせずに正しく整えきること、これに尽きます。袴は射場に立ったときのあなたの全体の印象を最も大きく左右するメインの衣類ですから、もしここを乱雑に扱ってひだを消してしまったりすると、一瞬で型崩れを起こしてだらしないシルエットになってしまうんです。

畳む前の下準備として、まずは平らなフローリングや畳の上に袴の前後を間違えないように真っ直ぐ広げ、前面にある5本のひだと、背面にあるひだのラインを、自分の指先で1本ずつアイロンをかけるように丁寧に折り目をなぞって整えていきましょう。このときに、長時間の稽古でひだの形が崩れていたり、内側に折り込まれる部分がグチャッとズレてしまっている場合は、無理に上から潰すのではなく、袴の内部に一度手を入れて内側の折り目の「芯」を一つずつ根元から確認しながら真っ直ぐに伸ばして直してあげるのが、綺麗に仕上げるためのプロの技。弓道の袴は、表のひだの見え方と裏側の構造が複雑に組み合わされているので、私たちが思っている以上にとても繊細な扱いをしてあげる必要があるのですね。

全体のひだがビシッと美しく一直線に揃ったら、いよいよ折りたたむ工程に入りますが、一般的には裾(すそ)のラインから腰板(またはウエスト部分)に向かって、均等な長さになるようにパタパタと三つ折りに重ねていく方法が主流かなと思います。ここで初心者さんにぜひ試してほしいライフハックが、お家に余っている厚紙(台紙)や、学校の授業で使うような長めの木製物差しをひだの隙間にそっと挟み込んで、形をしっかりとキープしたまま折る方法です。これを行うだけで、折った瞬間にひだが横にずるっとズレてしまうのを完璧に防げるので、誰でも簡単に驚くほど美しく仕上げることができるようになりますよ。

また、男性用の袴に特についている硬い「腰板(こしいた)」のパーツ部分は、絶対に無理な力をかけてへし折ったり曲げたりしないように厳重に注意してくださいね。腰板の内部には硬い芯材が入っているので、万が一ここを変な方向に折り曲げて強い圧力をかけてしまうと、バキッと割れてしまったり歪んだりして、二度と元の美しい形に戻らなくなってしまう悲しいケースもあるのです。たたむ手順の最後は、この腰板を無理に折り込むのではなく、三つ折りにした一番上に優しくそっと重ね合わせる形にして納めてあげるのが、お道具を痛めないための鉄則ですよ。

どうしても毎回ひだの位置がズレて上手く折れないという方は、ひだの先端を大きめの文房具用クリップや洗濯ばさみで数箇所優しく仮留めしてから、落ち着いて折り進めていくと作業が劇的にやりやすくなります。見た目の美しさをバッチリ整えることはもちろん、お気に入りの袴の寿命を限界まで延ばしてあげるためにも、稽古が終わったあとは毎回タイマーをかけるように、ていねいに時間をかけてたたむ最高の習慣を身につけていきましょう。

袴たたみ方 女性のための手順

女性用の弓道袴は、基本的な構造自体は男性用と大きくは変わりませんが、よく見ると表のひだの幅の広さや全体のカッティング、そして何より背中側にあの硬い「腰板(こしいた)」がついていないという、女性の体型に合わせた優しくしなやかな特徴があるんです。そのため、女性が袴をたたむ際には、そうした細かな仕様の違いをしっかり頭に置いた上で、一番ひだが崩れにくい手順をマスターしていくことが大切になります。

まず袴を本格的に折りたたみ始める前に、何はともあれ一番時間をかけるべき工程が、やはり「前後のひだの丁寧なリセット」です。袴を広めの畳の上にうつ伏せ、または仰向けに置き、まずは袴の脇のあき(スリット)の部分を手で軽く持って、ポンポンと上下に優しく振ってあげることで、自然と中のひだが元あった位置にスッと揃うように導いてあげましょう。裾のステッチラインを中心に左右の端の位置をピシッと決めたら、左右のひだが完全に対称なグラデーションを描くように、手のひらでシワをのばしながら整えていきます。このとき、腰板が入っていない女性用の袴は、背中まわりがフラットなぶん男性用よりも折りたたむ作業自体はとってもスムーズでやりやすいのですが、だからといって油断して雑に扱ってしまうと、折った拍子に中の隠れたひだが内側でクシャッと折れて変な折り癖がついてしまうので、最後まで慎重に優しく進めていきたいところですね。

左右の表面が完璧な平らになったら、いよいよ折り返しのステップ。裾のラインからだいたい1/3の高さのポイントを目安にして、上に向かってパタンと折り上げ、さらに残りの上の1/3をその上から綺麗にかぶせるようにして、全体をコンパクトな「三つ折り」の長方形にまとめます。このコンパクトな形に納めておけば、道着バッグや風呂敷の中にもスペースを取らずにスッキリと収納することができます。ここでも、前述したお家にある長めの定規やカレンダーの芯のような道具をひだのラインにそっと沿わせながら折るようにすると、初心者の方でも1発でシワのない美しいラインに仕上げられますよ。

袴の本体が綺麗な長方形にまとまったら、最後に残った長い「袴紐(はかまひも)」を処理していきますが、弓道の世界では「出世畳み(しゅっせだたみ)」と呼ばれる、日本の伝統的で一番ほどけにくい格式高い方法でまとめるのが一番美しいかなと思います。4本の長い紐を順番に細かく三つ折りにしていき、中央の交差点で綺麗にクロスさせながら、まるでリボンを編み込むようにカチッと組んでいくと、カバンの中で激しく揺られても絶対にバラバラにほどけなくなります。特に女性用の袴紐は、男性用に比べて生地が柔らかくて長さもしっかりある場合が多いので、結ぶときに紐がよじれないように、あらかじめ最初からついている紐のたたみ跡(折り目のライン)を指先で丁寧になぞりながら作業を進めていくと、驚くほどスピーディーに美しくまとまりますよ。

ただ、女性用の袴をたたむときに一番気をつけておきたいデメリットとして、ポリエステル素材などのしなやかで柔らかい生地を使っているモデルが多いぶん、ひだがとにかく滑って乱れやすいという点があります。もし「私の袴、すぐに折り目がどっかに行っちゃうな……」と感じるなら、形を整える最初のステップに普段の倍くらいじっくり時間をかけて、布地の繊維を落ち着かせてあげることを強くおすすめします。このように、女性用の袴であっても正しい順番とコツさえしっかり守れば、いつでも買ったばかりのような美しさと機能性をキープしたまま、綺麗にたたむことができます。最初は難しく感じるかもしれないので、道場でお手本を見せてくれる先輩の動画を撮らせてもらったり、手元の図解マニュアルとじっくりにらめっこしながら、何度も繰り返し練習して自分のものにしていってくださいね。

袴たたみ方 男に合った畳み方

男性用の弓道袴は、背中側の腰の部分にがっしりとした硬い「腰板(こしいた)」が標準装備されている点が最大のアイデンティティであり、この腰板をいかに傷つけずに綺麗に収めるかというポイントが、女性用とは大きく異なるたたみ方の最重要項目になってくるんです。女性用の袴に比べて全体的に生地が厚手で構造がカチッとしっかりしているぶん、油断して雑に扱うと一瞬で型崩れを起こしてしまうので、男らしくも丁寧で繊細なアプローチをしてあげる必要があります。

まず袴の本格的な折りたたみに入る前に、広い畳の上に袴を真っ直ぐに広げて、ひだの向きと重なり合う順番を一つずつ目視で確認していきましょう。男性用の袴には、前面に左右あわせて「五つのひだ(五つひだ)」があり、これが武道における五常の徳(仁・義・礼・智・信)を表しているとも言われているんですよ。前面を綺麗な左右対称のラインに整えたら、今度は裏返して、背面の中央にビシッと真っ直ぐ一本通っている力強いセンターのひだを、折り目に沿って正確に立ち上げるように整えます。これらのひだのラインを一切曲げずに完璧な平面を作るのが、全てのたたみ作業における何より大事な土台になります。

前後ともにひだが完璧に揃ったのを確認したら、裾のラインを持って、上部の腰板に向かってパタンパタンと均等な「三つ折り」に折り重ねていきましょう。このときに、先ほども注意した背面の「腰板部分」を、上から強い力でギュッと無理に折り曲げたり踏んづけたりしないように100%気をつけてくださいね。腰板はあなたの背中を支えて姿勢を美しく見せるために最初から硬い特殊な形状に成形されているので、ここで強く折り目をつけてしまうと内部の芯材が中でバキッと割れてしまったり、不自然に変形して元に戻らなくなってしまう原因になります。コツとしては、裾からの三つ折りのステップを進めていって、最後の3枚目の折り返しのときに、この腰板の四角い形状を折らずにそのまま一番上にパカッとかぶせるように重ねる形にしてあげること。こうすると、板に一切の無理なストレスをかけずに、すっきりと薄くフラットな状態のまま綺麗な長方形に収納することができますよ。

袴の本体が綺麗にまとまったら、いよいよ男の腕の見せ所でもある「袴紐(はかまひも)」の処理に突入します。男性用袴の紐のまとめ方は、武士の時代から伝わる伝統の「出世畳み(しゅっせだたみ)」でパキッと決めるのが大定番のルール。長い前紐と後紐をそれぞれ均等な長さの三つ折りに折りたたみ、腰板の下の中央の交差点で綺麗にX字にクロスさせ、その交点の下の隙間に紐の先端を何度も丁寧にくぐらせながら、まるで美しい家紋を編み上げるようにカチッと固く組み上げていきます。このとき、過去の稽古でついた紐の自然なたたみ跡のラインに逆らわずにそのまま素直に折り進めていくと、余計な力を使わなくても、驚くほど吸い付くように綺麗なスクエアの形にまとまってくれますよ。

男性の方は、体格や身長によって袴のサイズ(号数)のバリエーションがかなり幅広く存在しますよね。そのため、自分の袴がかなり長くてサイズが大きい場合などは、たたんでいる途中でどうしても裾の方が横に広がってひだがズレたり、折り目が甘くなってフニャフニャしてしまいがちです。そんなときは、前述した厚手の台紙や長い1メートルの物差しをひだの谷間にそっと乗せて、文房具のペーパークリップなどで端っこを優しく仮留めし、ひだの重みをしっかり押さえつけながら一歩一歩折り進めていくのが、誰でも絶対に失敗しないための賢いアプローチ。たたみ終わったあとの袴は、できるだけ上に重い荷物が乗らない平らな場所に大切に保管してあげることで、次回の着用時にも新品の袴を卸したときのような、凛々しくてカッコいい立ち姿とブレない所作をずっと維持できるようになりますよ。

袴の風呂敷の包み方と収納方法

綺麗にたたみ終わった弓道着や袴を、道場へ持ち運んだりお家で大切に保管したりするときに、日本の伝統的な「風呂敷(ふろしき)」を取り入れる方法は、実は和装文化の歴史から見ても信じられないくらい合理的で理にかなった素晴らしいスマートな収納手段なんですよ。サイズの大きな大判の風呂敷を1枚持っておくだけで、袴だけでなく、上衣や帯、足袋までバラバラにならずに全部まとめてコンパクトに包み込むことができますし、移動中の不意な型崩れや、クローゼットの中のホコリの付着からもあなたの大切なお道具を完璧に守ってくれるから本当に重宝します。

風呂敷を使って袴を優しく包むときの最初の手順ですが、まずは袴を前述した正しいステップで完璧な三つ折りの長方形に仕上げておきます。次に、そのたたんだ袴の縦横のサイズに対して、四隅の布地がしっかりと余裕を持って上まで回りきる大きさの風呂敷を選びましょう。一つの安心の判断基準としては、一辺の長さが「90cm以上、できれば100cm(1メートル)×100cm」ある大判サイズ(四巾や三巾と呼ばれる大きさ)の風呂敷を選んであげるのがベスト。もし袴の大きさに対して風呂敷が小さすぎたりすると、四隅の結び目がギリギリになってしまって途中で中身がパカパカ露出してズレやすくなりますし、端っこが折れ曲がってせっかくのひだに余計なシワが寄ってしまう原因になるので気をつけてくださいね。風呂敷を斜めのひし形になるように床に大きく広げたら、そのど真ん中のセンターポジションに、たたんだ袴の向きを合わせて水平にそっと置いてあげましょう。

袴を中央にセットできたら、まずは自分から見て「左右」の布の端を中央に向かってパタンパタンと袴を包み込むように折り込み、次に「上下(手前と奥)」の布の端をグッと引き寄せるようにしてかぶせていきます。このときに、ただ四隅の角を力任せにギューギュー結ぶだけではなく、風呂敷の布の結び目や内側の余った生地のシワが、袴の表面や中のひだに対して直接強い圧力でボコッと食い込まないように、手のひらで布地をフラットに平らにならしながら優しく包み込んであげるのが、中身をシワにさせないための一番のコツになります。布の重なり合うレイヤーができるだけ平らでフラットな状態になるように整えてから、最後にトップで綺麗な「真結び(ほどけない結び方)」を1回作ってあげると、カバンの中に入れても中身が一切遊ばなくなって美しくキープできますよ。

また、ここで一つ注意しておきたいのが、袴の長い紐がもし中途半端に外にはみ出た状態のままで風呂敷に包んでしまうと、移動中の振動で紐が中でグチャグチャに絡まって、せっかくの袴本体のひだを引っ張って台無しにしてしまうことがある点。なので、風呂敷に乗せる前の段階で、必ず前述した「出世畳み」などを完璧に終わらせて、紐のパーツを1ミリも外にブラブラさせない状態にしてから包むように徹底してくださいね。それから、トップの結び目を作る位置も、袴のちょうど真ん中ではなく、ほんの少しだけ左右どちらかの端っこにずらして結ぶようにすると、上に他のお道具カバンを重ねて平置きしたときにも、結び目のゴツゴツした塊が袴のデリケートなひだに直接のしかかって型崩れさせるのを綺麗に防ぐことができますよ。

一方で、風呂敷を使ったお家での長期保管の際には、ちょっとだけ覚えておいてほしい大切な注意点もあります。風呂敷は一般的なナイロン製のプラスチックケースに比べれば通気性はバツグンに良いのですが、それでも何ヶ月も湿気の多い梅雨の季節などに包んだままでクローゼットの奥底に放置してしまうと、布の中に道場の汗の湿気がこもってしまい、気がついたら大切な袴に白いカビがポツポツ生えていた……なんていう悲劇が起きることも。そのため、長期間使わないオフシーズンであっても、月に一度くらいの目安で通気性の良いカラッとした日に定期的に風呂敷を開封してあげて、中の袴に新しいお部屋の空気を優しく入れ替えてあげるような、お道具に対する愛着を持った定期的なメンテナンスをしてあげるのがおすすめですよ。風呂敷から袴をスマートに取り出してさばくその一連の動作自体が、道場の先輩や周りの人から見ても「あ、あの人は和装の扱いが本当に上手で素敵だな」と思わせる、弓道人としての洗練された高い気品と美しい佇まいに繋がっていくのですね。

弓道着のたたみ方を学ぶ前に知ること

弓道着と袴の手入れ・保管ガイドの総合イメージ

  • 袴の着方とたたみ方の関係性
  • 帯締め方と女子におすすめの方法
  • 弓道袴の女性用と男性用の違い
  • 弓道着・袴の洗濯とお手入れ方法
  • 弓道着・袴を長持ちさせるコツ
  • 正しい弓道着の保管と管理方法

袴の着方とたたみ方の関係性

「袴を美しくたたむコツって何だろう?」と考えていくと、実はその答えはたたむ瞬間ではなく、道場に入る前の最初の「着方(着付け)」の段階に隠されている、と言っても過言ではないほど、この2つには驚くほど密接で深い関係があるのですよ。最初の着用が完璧で正しければ、使い終わって脱いだときにも袴本来のひだの形が綺麗に整った状態がキープされているので、たたむ作業が嘘のようにスムーズになります。逆に、着付けの段階でヨレて乱れたままで弓を引いていると、外したあともひだがグチャグチャに崩れて変なシワが量産されてしまうため、たたむときに大変な苦労をすることになってしまいます。

まず、弓道着を着るときに、前後のひだのラインが自分の体の中心線に対してまっすぐ垂直にスッと美しく収まるように正しく着用してあげること。これを行うだけで、何十射、何百射と体を大きくひねって動かした後であっても、袴の生地が本来持っている「折り目の復元力」のおかげで、脱いだ瞬間にひだがあるべき元のポジションに自然とすんなり戻ってくれやすくなります。特に弓道は体配(たいはい)の動作などで立ったり座ったり、あるいは大きく足を踏み開いたりと下半身の動きがかなり多い武道。だからこそ、自分のウエストラインの一番安定する適切な位置にしっかりと帯を締め、その帯の骨組みの上に袴をガチッと固定させておくことが、使用後のたたみ作業の手間を格段に減らして滑らかにするための最大の予防策になるわけですね。

これとは逆に、最初の着付けの紐の締め方が甘くてゆるゆるだったり、帯を巻く位置がズレていたりすると、稽古中に弓の重みに負けて袴全体が右や左にずるずるねじれたり、腰回りがだらしなく着崩れを起こしたりしてしまいます。そんなストレスを抱えた状態のまま引いた袴は、脱いだときには中の隠れたひだが完全にひっくり返っていたり、アイロンでもなかなか取れない斜めの意図しない頑固なシワが深く刻み込まれてしまっているため、いざ畳もうとしたときに「あれ?ひだの順番が全然合わない!」と、最初から折り目を引き直すための無駄な大仕事が発生してしまうのです。

また、最初の購入時にしっかりと自分の足の長さに合わせた「袴の丈(長さ)のチョイス」をしておくことも、綺麗なたたみ方をキープするためには極めて重要なポイント。袴の丈が長すぎて足元に生地が余ってダボついていると、歩くたびに自分で裾を踏んづけてしまって着崩れの直接の原因になるだけでなく、畳むときにも裾のラインが綺麗に揃わなくなってしまいます。逆に、短すぎてもツンツルテンで動きにくいですし、背面の腰板の位置が下に引っ張られて下がってきてしまうため、腰まわりから全体のシルエットが型崩れを起こしてしまう原因になります。

つまり、道場に立っているときのあなたの「正しい美しい着こなし」こそがそのまま、袴を素早く美しくたたむための最も優秀な事前準備になっている、と言えるのですね。着用している最中から常にひだの形を労り、無駄な折れ目をつけないような丁寧な動きを意識することが、結果としてたたむときの手間を大幅にスキップさせてくれます。日頃から、着るときとたたむときの両方のプロセスに優しい気を配ってあげることこそが、あなたの大切な袴の本来の美しさと寿命を10年先まで守り続けるための、一番の秘訣になりますよ。

帯締め方と女子におすすめの方法

女性が弓道着の袖を通して袴を穿く際、全体のシルエットの美しさと動きやすさを決定づける最大のキモとなるのが「帯(おび)の締め方」です。弓道の世界にはいくつか伝統的な帯の結び方のバリエーションがありますが、その中でも特に初心者さんにとって構造がシンプルで分かりやすく、後ろ姿がパッと上品に美しく映えるおすすめの方法を身につけていくことが本当に大切になります。帯というのは、上に重ねる袴をガチッとブレずに安定させるための、いわば建築でいう「基礎(土台)」のようなもの。ここが正しく締められていないと、大三から引き分ける強い力に負けて袴が下にずるずるズレてしまい、歩くたびに裾を踏んで所作全体がガタガタに崩れてしまう原因になってしまうのですね。

女性の弓道インナーとして一般的に広く愛用されているのが、綿素材などで作られたしっかりとした厚みのある「角帯(かくおび)」や、表裏で2枚の生地が合わさった「二重帯(にじゅうおび)」です。これらは適度な硬さと幅の広さがあるため、細い紐のように体に食い込むことがなく、上から袴を重ねたときにも外側に変な結び目のゴツゴツが響かないので、とてもフラットで安定感のある素晴らしい着装を叶えてくれます。結び方の手順としては、まず帯のスタートとなる端っこ(手先)を20cmほど半分の幅に折って持ち、自分のウエストのくびれより少し下、骨盤の上のラインに合わせたら、そこから体に向かって隙間なく2周から3周ほどキュッキュと均等な圧力をかけながら巻きつけていきましょう。この巻くときの高さの位置設定がとっても重要で、あまりに高すぎるみぞおちのあたりで巻いてしまうと、引き分けるときに肺が圧迫されて深く息が吸えなくなって苦しいですし、逆に低すぎると今度は袴を固定する引っ掛かりがなくなって落ちやすくなってしまうので気を付けてくださいね。

体がズレないようにしっかりと3周ほど巻き終えたら、今度は残った長い方の端っこ(垂れ先)を内側に斜めに折り込み、最初に半分に折っておいた手先と合わせて、帯の上ラインから包み込むようにギュッと1回固く結び締めます。結び目の形は、和装でよく使われる「貝の口(かいのくち)」や、よりフラットに収まる「一文字結び」などにするのが一般的。背中で結ぶのが難しい初心者の方は、まず自分のお腹の正面の見えやすい位置で落ち着いて綺麗な結び目の形を作ってから、帯全体を時計回りにぐるりと180度滑らせるようにして背中側へ回してあげるようにすると、形が崩れずに誰でも1発で完璧なポジションへと移動させることができますよ。この一手間を踏むだけで、前から見たお腹まわりはすっきり平らになり、後ろは袴の台盤を支える頑丈なクッションになってくれるので、劇的に着崩れを防ぐことができるようになります。

部活動に入ったばかりの初心者の頃は、どうしても「苦しくなったら嫌だな……」と遠慮してしまって、帯の締め具合をかなり緩めにしてしまいがちですが、これだと弓を引く動作の遠心力で簡単にほどけてきてしまうので注意が必要。とはいえ、逆に親の敵のように全力で締めすぎると、今度は矢を放つためのしなやかな体幹のねじりが使えなくなって動作に支障が出てしまいます。「お腹に力をグッと入れた状態で、帯との間に指が1本すうっと滑り込むくらいのキツさ」を一つの目安にすると、長時間の練習でも全然疲れにくく、一番パフォーマンスが出せるベストなフィット感が見つかりますよ。また、結び目の余った生地が中でゴロゴロ重なって厚みがバラバラになっていると、袴の後ろが浮き上がってカッコ悪くなってしまうので、結んだあとは手のひらで帯の厚みを均等に押し潰して平らに整えておくのが、後ろ姿の品格を上げる細かなポイントです。

最近の通販などでは、あらかじめマジックテープでペタッと留めるだけで簡単に装着できるワンタッチ式の女性専用弓道帯なども便利グッズとしてたくさん販売されていますが、学校の伝統ある部活動や、格式を重んじる地方の審査会場によっては「マジックテープ式の帯は使用不可、昔ながらの角帯をきちんと結ぶこと」とルールで規定されている場合もあるので、新しく買い求める前には必ず先輩や道場の先生に一言確認しておくと無駄な買い物をせずに済んで安心ですよ。初心者だからこそ、こうした基本的な昔ながらの角帯の結び方にじっくり何度も触れて慣れていくことが、結果として弓道着の着こなし全体をハッとするほど凛々しく美しく見せるための、何より確実で近道な王道の第一歩になってくれますよ。

弓道袴の女性用と男性用の違い

弓道の袴は、遠くからパッと見ただけだとどれも同じような紺や黒の凛々しい姿に見えますが、実は男性用と女性用で、その細かなパーツの作りや立体的なカッティング、さらには穿くときの位置に至るまで、驚くほど明確で面白い「仕様の違い」がたくさん隠されているのですよ。この男女の構造の違いをしっかり頭の中でクリアにしておくことで、これから新しく自分用の弓道袴を買い求める際にも、自分の体型に100%フィットする着心地が良くて最高に動きやすい運命の1着を迷わずに選べるようになります。

まず、性別による最も決定的で大きな構造の違いと言えるのが、袴の背中部分にある「腰板(こしいた)」がついているか・いないかという点かなと思います。男性用の袴には、背中の腰のあたる部分にヘラがついた台形型の硬い板(腰板)がカチッと入っていて、これが男性の直線的な腰回りを後ろからグッと支えることで、背筋がすっと伸びた凛々しい武士のようなシルエットをキープする役割を果たしてくれています。それに対して、一般的な女性用の弓道袴には、この硬い腰板が一切付いておらず、背中側も柔らかい布地だけでフラットに仕立てられているものが圧倒的に多数派なんです。これは、女性特有のしなやかなウエストのくびれの曲線ラインに対して、硬い板が当たって痛くならないようにという優しい配慮から生まれたもの。これによって、女性の体に柔らかく吸い付くようにフィットして、帯の上に美しく沿うようなエレガントな着こなしが可能になっているのですね。

また、下に穿く袴だけでなく、上に着る「上衣(じょうい)」の構造にも、男女でかなりきめ細やかなディテールの違いが施されているんですよ。男性用の上衣は、大きく腕を振り上げて弓を引くダイナミックな動作に対応できるように、脇の下の部分が大きくガバッと開いた「脇あけ(わきあけ)」という通気性の良い設計になっています。一方、女性用の上衣は、インナーの襦袢や肌着が横から見えてしまわないように脇の下がしっかりと閉じられていて、女性のなだらかな肩のラインに合わせて身幅や袖口の直径も全体的に少しスリムでコンパクトなサイズ感で作られています。これも、女性が的前に立ったときに、どこから見られても隙のない上品で清潔感あふれる全体のトータルバランスを美しく整えるための、日本の伝統衣服ならではの素晴らしい知恵が詰まった工夫なのですね。

さらに、いざ衣服を身にまとう「着用時のポジションや紐を締めるセオリー」も、男女でまるで逆と言っていいほど大きな違いがあります。男性の場合は、体の重心が比較的下にあるため、角帯をおへその少し下のかなり低い位置(腰骨のライン)にどっしりと締め、その帯の結び目の上に袴を引っ掛けるようにしてローライズ気味に穿くのがカッコいいとされています。それに対して、女性の場合は体の重心のバランスや足長効果を美しく見せるために、帯を腰骨の少し上に巻き、袴の全面のトップラインがアンダーバストのすぐ下、つまりハイウエストの一番高い位置にくるように合わせて固定するのが基本のキ。この穿く位置の高さの違いがあるからこそ、女性の袴姿はまるできれいなAラインのドレスのように裾に向かって優美に広がり、歩く姿一つをとっても、息をのむほど洗練された格調高い品格を醸し出すことができるわけなのです。

ただし、ここでちょっと面白いポイントとして、これらの男女の仕様は「絶対にこの性別通りに使わなければルール違反になる」というガチガチの絶対的な掟というわけでもありません。現代の弓道界では、例えば女性の射手の方であっても「私は背筋がシャキッと伸びる感覚が好きだから」という理由であえて男性用の腰板付きの袴を好んで美しく穿きこなしていらっしゃる方もいますし、逆に男性の方でも「腰回りが柔らかくて引き分けのときに体幹が自由に動かしやすいから」と、女性用の腰板のないソフトな袴をスマートに愛用されているケースも実は珍しくないのですよ。もちろん、所属している学校の部活の縛りや、昇段審査を受ける地方の連盟の厳しい規定がある場合はまずはそのローカルルールに100%従うのが大前提ですが、そうした規定がない普段の稽古の場であれば、自分の体型のコンプレックス(反り腰や腰痛など)や個人的な動きやすさのフィーリングに合わせて、性別の枠にとらわれずに一番心地よい袴をカスタムして選ぶことも十分に可能です。自分に最も寄り添ってくれる最高のお道具を見つけて、正しい着こなしを味方につければ、的前に立ったときのあなたの弓道に対する心構えや集中力も、自然と格段に整っていくはずですよ。

弓道着・袴の洗濯とお手入れ方法

お気に入りの弓道着や、毎日ガシガシ使い込んで汗を吸った袴。いつでも真っ白で清潔な状態をキープして道場に立つことは、武道をたしなむ者としての最低限のマナーですが、一般的なTシャツやデニムと同じノウハウで洗濯機に放り込んで全自動で回してしまうのは絶対にNG。特に和装の道着や袴は、独特の繊細な織り方やあの美しいプリーツ(ひだ)が命なので、その素材の特性に応じた優しい特別なお手入れをしてあげる必要があるのですよ。

まず最初のお洗濯の手順ですが、弓道着の上衣の多くは「高級綿(コットン)」や「麻(リネン)」といった、汗をよく吸ってくれる天然の素晴らしい素材で作られているものが主流かなと思います。これら天然素材のアイテムは、洗濯機の強い回転による摩擦のストレスにとても弱いため、基本的には洗濯機に任せるよりも、お風呂の浴槽や大きめの洗面ボウルを使った「優しい手洗い」をしてあげるのが一番長持ちさせるための推奨ルート。洗うときは、30度以下の綺麗なお水(お湯が熱すぎると一瞬で生地が縮んでしまうので注意!)に、衣類を傷めないおしゃれ着用の中性洗剤をごく少量だけ溶かし、上衣を丁寧に数回ザブザブと「押し洗い」してあげるのがポイントです。もし袖口や衿元にファンデーションの汚れやしつこい皮脂汚れが付着してしまっている場合は、ゴシゴシ手で擦り合わせるのではなく、液体の酸素系漂白剤をごく少量だけピンポイントで直接馴染ませて、優しく指の腹でトントン叩くようにして落としてあげると、デリケートな白い生地を一切変色させたり傷めたりすることなく安全に白さを取り戻せるので安心ですよ。

洗剤を綺麗に落とすための「すすぎ」の工程は、これでもかっていうくらい念入りに水を替えて行ってくださいね。もし布地の奥に洗剤の成分が少しでも残ったまま乾かしてしまうと、それが時間が経ったときに嫌な黄色いシミ(黄ばみ)やカビを発生させる直接の原因になってしまいますし、夏の暑い稽古で汗をかいたときにお肌に反応して酷い肌荒れを起こしてしまう原因にもなりかねません。脱水の際も、雑巾のように両手でギューギュー強く絞るのだけは絶対に厳禁。布地が引きちぎれたりシワだらけになってしまうので、洗濯機の「一番弱い脱水(1分だけ回すなど)」にかけるか、乾いた大きなバスタオルの間に上衣を挟んで上から優しくプレスして、軽く水気が切れる程度にとどめておくのが、次のアイロンがけを劇的に楽にするための賢い裏ワザです。

お洗濯が終わった後の「乾燥(干し方)」のステップでも、ちょっとした弓道ならではの大切な注意点があります。干すときは、太陽の直射日光がガンガン当たるベランダの一等地は避けて、必ず風通しの良い涼しい「日陰(陰干し)」に干してあげるのが大原則。お日様の強い紫外線に直接当てすぎると、せっかくの白い道着が逆に黄ばんできてしまったり、布地がパリパリに硬くなって着心地が悪くなってしまうからなんですね。特に袴を干すときにはあの美しい縦ラインのひだが命ですから、洗って水気が残っている生乾きの状態のうちに、前後のひだの線を自分の手でピシッと綺麗に挟んで合わせて形を整えてあげましょう。そのまま裾の先端の部分をいくつかの洗濯ばさみで挟んで「下方向(逆さま)」に吊るすようにして干してあげると、残ったお水の重み(自重)が天然のアイロンの役割を果たしてくれて、下に引っ張られる力でシワが自然とすうっと伸びて、乾いたときにはアイロン要らずの見事なプリーツが勝手に復活してくれますよ。また、ウエストの腰回りの部分は、空気が中を通り抜けられるように集合型のピンチハンガーなどを上手に利用して、立体的に大きく広げた筒状の状態で干してあげると、湿気が中にこもらずに驚くほどスピーディーにカラッと乾かすことができます。

完全に乾いたあと、さらに審査の前などに見違えるような美しさに仕上げたいなら「アイロンがけ」の出番ですが、ここで絶対に忘れてはいけないのが、袴の表面に直接アイロンの熱い鉄板を当てないこと。それをやってしまうと、布地が熱でテカテカ光ってしまう「テカリ現象」が起きて、せっかくの高級な袴の品格が台無しになってしまいます。アイロンをかけるときは、必ず上から薄手のハンカチや白い布を1枚かぶせる「当て布(あてぬの)」を徹底し、さらに型崩れを防ぐために袴の「裏側」から優しくスチームをあててあげるように整えるのがプロの仕上がりを叶えるコツ。特に現在主流になっているポリエステル素材の袴は熱に非常に敏感なので、温度設定を「中温から低温」にしっかり合わせて、細心の注意を払ってあげてくださいね。こうした丁寧なお手入れの手間を毎回のルーティンとして習慣化してあげることは、あなたのお道具の寿命を劇的に伸ばしてくれるだけでなく、道場でのあなたの立ち姿に凛とした圧倒的な清潔感をもたらしてくれます。弓道が何より大切にしている「礼の心」を自分の衣服に対しても同じように注いであげることこそが、日々の洗濯とお手入れを最高の芸へと昇華させる重要な鍵になるのですね。

弓道着・袴を長持ちさせるコツ

一生懸命にバイト代やお小遣いを貯めて購入した、お気に入りの弓道着や袴。「できることなら、生地がボロボロにならずに何年でも新品のときのような美しさのまま愛用し続けたいな」と思うのは、道具を愛する射手として当然の親心ですよね。弓道着の寿命を劇的に長持ちさせるためには、何か特別なクリーニングの技術が必要なわけでは全くなくて、日々の稽古が終わった直後の、ほんのちょっとした「3つの基本的なコツ」をサボらずにコツコツと積み重ねていけるかどうかにかかっているのですよ。

まず最初に、道場から帰ってきたその日のうちに絶対に実践してほしいのが、「使用直後の湿気飛ばし」です。激しい引き分けを何十射も重ねたあとの道着や袴の繊維の奥には、目に見えなくてもあなたの体から出た汗や、道場特有の床の湿気がたっぷりと吸い込まれてしまっています。この水分を含んだ状態のまま、めんどくさいからといって練習バッグや風呂敷の中に何日も丸めたままで放置してしまうのは、カビの発生や雑菌の繁殖による嫌なニオイの最大の原因。道場からお家に帰ったら、たとえ疲れて眠くてもバッグからすぐに道着を取り出して、ハンガーに掛けてお部屋の風通しの良い日陰に一晩吊るしてあげる「陰干しのリセット」を徹底してあげましょう。中の水分を完全にカラッと飛ばしきってから丁寧にたたんであげる、この最初の一手間だけで、生地の繊維の傷み方が劇的に緩やかになりますよ。

次に、何があっても絶対に習慣にしてほしいのが、「毎回の正しいたたみ方の継続」です。先ほどもお話しした通り、袴のひだというのは一度変な斜めの折り目がついて定着してしまうと、後からアイロンでどれだけ強くプレスしても、元あった正しい位置に戻すのが本当に大変になってしまいます。面倒くさがって適当に丸めてカバンに押し込んでいると、穿いたときにひだが四方に広がってしまって、下半身が太く見えてしまって所作の美しさも半減。毎回、稽古が終わった直後の道場の畳の上で、ひだの線を指先でピシッと一直線に揃えてから三つ折りにし、紐を出世畳みでロックする。この丁寧な儀式を毎回のマナーとして自分に課してあげることこそが、アイロンをかける余計な回数を減らし、結果として熱による布地のダメージや色あせを最小限に抑えて袴の型崩れを防ぐ、一番の近道になるのですね。

また、お家での収納の際に使用するお助けアイテム選びにも、長持ちさせるための素敵なポイントがあります。せっかく綺麗にたたんだ弓道着のセットを、そのまま引き出しの中に裸で重ねて仕舞ってしまうと、上に乗った荷物の重みでひだが潰れてしまったり、取り出すときのお互いの摩擦で生地の表面が毛羽立ってしまうことも。そんなときは、前述したお気に入りの「大風呂敷」の出番。たたんだ上衣と袴を風呂敷できちんと包んでから棚に収めてあげるだけで、空気中の細かいホコリや不意の引っかかりダメージから大切な衣服を完璧にガードすることができます。さらに、部活の長期休みに入るタイミングや、1年の終わりのシーズンオフには、定期的にお道具のリフレッシュを兼ねて、和装の取り扱いが上手なプロのクリーニング店に「着物丸洗い」として出してあげるのもおすすめ。お家の洗濯ではどうしても落としきれなかった繊維の奥の皮脂汚れや、染み付いた道場のニオイの蓄積を一発で綺麗にリセットしてくれるので、お道具が見違えるように生き返りますよ。

日常の洗濯の場面でも、自分の衣服の素材(綿なのかポリエステルなのか)に応じた正しい洗い方を徹底することが不可欠なコツになります。伝統的な綿製品はとにかくお水で縮みやすくてシワが寄りやすいので、手洗いと徹底した陰干しが基本スタイルになりますし、現代風のポリエステル素材であれば、必ず網目の細かい洗濯ネットに包んでから洗濯機の「弱水流設定(デリケートコース)」で優しく守りながら洗ってあげるのが効果的。どちらの素材を洗う場合でも、早く乾かしたいからといってコインランドリーの高温の衣類乾燥機(タンブラー乾燥)に放り込むのだけは100%絶対に避けてくださいね。熱風で生地が一瞬でクシャクシャに縮んでしまって、二度と穿けなくなってしまう原因になります。洗剤や柔軟剤の量も、多ければ良いというわけではなくパッケージの規定量をしっかり守り、洗剤カスが残らないようにすすぎをしっかり行う。こうした一つひとつの小さなお道具に対する優しい敬意の積み重ねが、結果として弓道着の寿命を何年も先にまで引き延ばしてくれますし、その道具を大切にするあなたの美しい心根が、的前に立ったときのブレない一本の芯のある素晴らしい弓道の姿勢へと、自然と繋がっていくのですね。

正しい弓道着の保管と管理方法

弓道着や袴を綺麗に洗って丁寧にたたんだ後、最後に気をつけてあげたいのが、お家での「正しい保管と日々の管理方法」です。せっかくお洗濯や畳み方を完璧にこなしても、仕舞い込むクローゼットの環境が悪かったり管理がズボラだったりすると、知らない間に大切な道着が虫食いに遭って穴が開いてしまったり、クローゼットの湿気のせいで黄色く変色してしまったりして、いざ着ようとしたときに涙をのむことになってしまいます。お道具の価値を落とさずに、いつでも最高のコンディションで出陣できるようにするための、スマートな管理ノウハウをマスターしておきましょう。

自宅での保管における絶対の基本ルールは、「直射日光が1ミリも当たらない、風通しの良いカラッとした日陰の場所」を選んで収納してあげることです。お部屋の日の当たる窓際に近いハンガーラックなどに長期間道着を吊るしたまま放置してしまうと、お日様の強い日光のせいで、白い上衣がみるみるうちに部分的に日焼けして汚い黄ばみの原因になってしまいますし、黒や紺の袴もそこだけ無惨に赤っぽく色落ちしてしまう原因になってしまいます。また、お家の押し入れや備え付けのクローゼットの奥底というのは、私たちが思っている以上に床下からの湿気がドロリとこもりやすいデンジャラスなスポット。そのため、道着を収納する引き出しのスペースには、必ず市販の和装用の除湿剤(シリカゲルなど)や、大切な繊維を虫から守るための防虫剤をセットで併用してあげるのが大正解の管理方法ですよ。ただし、ここで一つだけ細かな注意点として、防虫剤のタブレットや除湿シートの薬剤が、道着や袴のデリケートな生地に直接ペタッと触れるような位置に置いてしまうと、化学反応を起こしてそこだけ生地が変色したり傷んでしまうおそれがあるので、必ず衣装ケースの四隅の端っこに置くか、専用の不織布の袋に一度包んでから入れるなどの優しいワンクッションの工夫を忘れないようにしてあげてくださいね。

具体的な収納のスタイルとしては、前述した正しい手順で綺麗に畳んだ状態での「平置き(重ねて仕舞う方法)」が基本の形になりますが、もしあなたのお家のクローゼットのハンガースペースにたっぷりと余裕があるなら、和装専用のハンガーに吊るしたままで保管する方法も、シワがつかなくてとっても有効で贅沢な手段になりますよ。ただし、その辺のクリーニング屋さんでもらえるような細いワイヤーハンガー(針金ハンガー)に重たい弓道着を引っ掛けて長期間吊るしておくのだけは絶対に避けてくださいね。矢を放つための大事な道着の肩のラインに、ハンガーの角の跡がポコッと不自然に突き出て型崩れしてしまいますし、その重みで生地が下に引っ張られて無惨に伸びてしまう原因になります。吊るして管理する場合は、必ず人間の肩の肉厚に近い、しっかりと厚みと幅のある木製ハンガーや、着物の袖を左右に真っ直ぐ突っ張ってキープできる「和装専用の伸縮式ハンガー」を贅沢に使ってあげるのが、形を崩さないための秘訣です。

そして、一番お道具を長く愛するために忘れてほしくないのが、長期間着ないオフシーズン中の「定期的な心の点検(虫干し)」です。昇段審査が終わってしばらく次の予定がないからといって、何ヶ月も衣装ケースを一度も開けずに完全にロックしたままで放置してしまうのはとっても危険。月に一度くらいの目安で構わないので、お休みの日のよく晴れたカラッとしたお天気の日に、仕舞い込んでいた弓道着や袴をクローゼットから久しぶりに全て取り出してあげましょう。お部屋のハンガーに一度広く広げてあげて、数時間だけ新鮮な外の風を通してあげる(虫干し)だけで、中に溜まっていた嫌な湿気や収納特有のにおいを綺麗に予防することができます。合わせて、その広げたタイミングで、「襟元にシミが浮き出てきていないかな?」「大切な袴の裾が虫に食われて穴が開いていないかな?」と自分の目で優しく目視チェックしてあげる。このお道具に対するこまめな愛情確認をしておけば、万が一のトラブルのときも初期の段階で気づいて手当ができますし、何よりも次にその道着の袖を通して道場に向かうときの、あなたの弓道に対するモチベーションや心構えが、自然とどこまでも清々しくキリッと整っていくのですね。

弓道着のたたみ方のポイントを総まとめ

  • 弓道着の上衣をたたむときは、シワを伸ばしきるために必ず道場の畳など「広くて平らな場所」に真っ直ぐ広げるのが大前提
  • 上衣を畳む手順は、左右の衿元を綺麗に合わせて重ね、両袖を肩の付け根から内側の身頃に向かって左右対称に折り込むのが基本
  • 上衣の左右についている細い紐パーツは、外にはみ出さないように身頃の内側にそっと折り込んでおくと、絡まりや破損を完璧に防げる
  • 折りたたむときは布地が本来持っている「元の折り目のライン」に逆らわずに折ることで、収納中に変な斜めシワができるのを徹底予防
  • ポリエステル混などの滑りやすいツルツルした素材の道着は、手のひら全体で布地を軽く優しく押さえつけながら畳むと形が崩れずスムーズ
  • 袴のたたみ方において最も重要なキモは、折りたたむ前に前後の全ての「ひだ(プリーツ)」の線を指先で一直線に美しく整えきること
  • ひだのズレが気になるときは、内側の見えない折り目の芯まで一度手を入れて確認し、厚紙や長めの物差しをガイドにして折ると仕上がりが劇的に美しくなる
  • 男性用袴の背中にある硬い「腰板」は、無理な力をかけてへし折らないよう、三つ折りにした本体の一番上に優しくかぶせて重ねるのが鉄則
  • 女性用の弓道袴は、背面に腰板がついておらず全体的に生地が柔らかいため、ウエストラインに沿って非常にコンパクトに畳みやすいのが特徴
  • 男性用袴は「五つひだ」の伝統的な意味合いを意識しつつ、厚みのあるがっしりした構造を潰さないように丁寧なステップでの取り扱いが必要
  • 袴の長い紐の処理は、武士の時代から伝わる伝統の「出世畳み」でスクエアに組み上げると、カバンの中でも絶対にほどけず見た目も最高に凛々しい
  • 一辺が100cm前後ある「大判の風呂敷」を使って道着セットを優しく包むことで、移動中の不意な型崩れや外部のホコリによる汚れをシャットアウト
  • 「正しい美しい着こなし(着付け)」が普段からできていると、脱いだときにもひだの位置がズレていないので、畳むときの手間が半分以下に激減
  • 稽古が終わったあとの衣服は道場の汗の水分をたっぷり吸っているので、すぐに仕舞い込まずに一晩部屋で「陰干し」して湿気を完全に飛ばすことが重要
  • お道具への感謝を込めた正しいたたみ方と、除湿・防虫を徹底した日陰での適切な保管方法の積み重ねこそが、あなたの大切な弓道着を10年先まで長持ちさせる最高のコツ

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