弓道のゆがけの結び方と手入れのコツを初心者向けに紹介
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弓道において、ゆがけの結び方は射の安定性を左右する重要な要素の一つである。しかし、正しい方法を知らないまま適当に結んでしまうと、かけが緩んだり、逆に締めすぎて手の動きを制限したりする原因となる。また、かけのサイズが合わないと、指や手のひらに負担がかかり、特にかけの親指が痛いといった問題を引き起こすこともある。適切なサイズのかけを選び、正しく慣らすことで快適に弓を引くことができるようになる。
さらに、かけ紐の色の意味を理解することも重要である。弓道の世界では、かけ紐の色には一定の格式や意味があり、特に審査や試合では適切なものを選ぶことが望ましい。普段の稽古では自由に選べるが、公式の場では伝統的な色を選ぶのが無難だ。また、長く使うためには、**ゆがけの手入れ方法は?**という疑問にも答えておく必要がある。適切な手入れをしないと、かけが硬くなったり、湿気を吸って劣化が早まったりすることがある。
特に、**弓道のかけが湿気るとどうなる?**という問題は、多くの弓道人が直面する課題の一つだ。湿気を吸ったかけは劣化しやすく、カビが発生することもあるため、保管方法に注意しなければならない。さらに、長期間使用していると、かけ紐の交換が必要になることもある。かけ紐が劣化すると、適切に結べなくなり、射技にも悪影響を及ぼす可能性がある。
本記事では、弓道のゆがけの結び方の基本から、かけの慣らし方やかけの選び方、さらには適切なかけの色の選び方や手入れ方法について詳しく解説する。初心者から上級者まで役立つ内容を網羅し、より快適で安定した射を実現するための知識を提供するので、ぜひ参考にしてほしい。
記事のポイント
弓道のゆがけの結び方の基本と種類
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ゆがけの結び方と役割
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かけ紐の色の意味と選び方
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かけ紐の交換タイミングと注意点
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かけのサイズ選びのポイント
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かけが小さい場合の対策
ゆがけの結び方と役割
ゆがけの結び方は、弓道において非常に重要な要素の一つです。適切な結び方をすることで、射の安定性が向上し、弓の引きやすさにも影響を与えます。逆に、誤った結び方をすると、射技が乱れるだけでなく、手首や指に負担がかかり、けがのリスクも高まります。このため、弓道を始めたばかりの人は、正しい結び方を身につけることが不可欠です。
ゆがけを結ぶ目的は、大きく分けて二つあります。一つ目は、ゆがけが手から外れないようにすることです。弓道では、強い弦の張力が指にかかるため、しっかりと固定されていなければ、取りかけが安定しません。ゆがけがずれてしまうと、正しい射形が崩れ、狙いがぶれたり、矢こぼれが起きたりする原因になります。二つ目は、手首の可動域を適度に確保することです。あまりにきつく結びすぎると、手首の自由な動きを妨げてしまい、スムーズな離れができなくなります。そのため、ゆがけの結び方は「しっかりと固定するが、締めすぎない」ことが重要なポイントとなります。
ゆがけの結び方には、いくつかの種類がありますが、一般的には以下の手順で結ぶ方法がよく用いられます。
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紐を1~2周巻く
まず、ゆがけを装着したら、かけ紐を手首に1~2周巻きます。このとき、締めすぎず、ゆるすぎない適度な強さに調整することが大切です。 -
上から下へ紐を通す
巻いた紐の一番上に、上から下へ向かって紐を通します。この動作によって、しっかりと固定しながら、ほどけにくくなります。 -
折り返して固定する
通した紐を再び上へ持っていき、余った紐の中央部分を折り返して巻いた紐に差し込みます。この工程を行うことで、緩みにくくなり、弓を引く際の安定感が向上します。 -
輪っか部分を調整し完成
最後に、下にできた輪っかを引っ張って長さを調整します。このとき、適度な余裕を持たせることで、射の際にスムーズな動作が可能になります。
このように、ゆがけの結び方は、単に紐を巻くだけではなく、適切な固定と可動域の確保が求められます。特に初心者は、結び方に慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、正しい方法を習得すれば、射の安定性が向上し、的中率の向上にもつながります。
また、道場によっては流派ごとの結び方の違いがあるため、師範や指導者の指導に従うことが大切です。弓道は伝統を重んじる武道であるため、自分勝手なアレンジを加えるのではなく、基本に忠実な結び方を習得することが望ましいでしょう。
かけ紐の色の意味と選び方
かけ紐の色には、単なるデザインの違いだけでなく、弓道の歴史や格式が関係しています。特に、審査や公式の場では、かけ紐の色が弓道人としての姿勢を示す要素の一つとなるため、適切な色を選ぶことが重要です。
一般的に、かけ紐の色には以下のような意味があります。
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茶色(燻し革):最も伝統的で、初心者から高段者まで広く使用される色です。鹿革を燻して加工することで自然な茶色となり、格式のある弓道の場でも違和感なく使用できます。
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紫色:かつての大日本武徳会では、有段者のみが使用することを許されていた格式の高い色です。現在では段位に関係なく使用できますが、高段者が好んで選ぶことが多いです。
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黒・灰色:比較的近年になって普及した色で、耐久性のある加工が施されているものが多く見られます。個人の好みで選ぶことも可能ですが、審査では避けたほうが無難です。
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その他の色(赤、紺、白など):個性的な色合いのかけ紐も販売されていますが、格式を重んじる場では使用を控えたほうがよいでしょう。
選び方のポイントとして、まず「どのような場面で使用するのか」を考えることが大切です。普段の稽古では自由な色を選ぶこともできますが、審査や公式試合では、伝統的な茶色や紫色のかけ紐を選ぶのが無難です。
また、道場によっては、師範や指導者が推奨する色がある場合もあるため、購入する前に確認しておくとよいでしょう。格式を意識することで、より弓道の礼儀や作法を大切にする姿勢が身につきます。
かけ紐の交換タイミングと注意点
かけ紐は消耗品であり、長期間使用すると摩耗やほつれが生じます。そのため、適切なタイミングで交換することが求められます。
交換の目安として、以下のような状態になった場合は、新しいかけ紐に取り替えるのが望ましいです。
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紐がほつれている:摩耗が進むと、繊維がほつれて強度が低下します。ほつれが大きくなる前に交換しましょう。
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緩みやすくなった:長期間使用すると、紐が柔らかくなり、しっかりと締めても緩みやすくなることがあります。こうなると射に悪影響を及ぼすため、早めの交換が必要です。
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紐が切れそうになっている:紐の一部が細くなったり、切れかけている場合は、すぐに新しいものに取り替えましょう。射の最中に切れてしまうと、事故につながる可能性があります。
交換の際の注意点として、まず「適切な長さの紐を選ぶ」ことが挙げられます。長すぎると巻いたときに邪魔になり、短すぎると適切に固定できません。
また、新しいかけ紐を取り付ける際は、紐の材質や結び方にも注意しましょう。特に人工皮革の紐は滑りやすく、伝統的な鹿革の紐よりも緩みやすい傾向があります。そのため、交換後は何度か試し引きを行い、しっかり固定されているか確認することが重要です。
定期的にかけ紐の状態をチェックし、適切なタイミングで交換することで、安全かつ快適な弓道の稽古を続けることができます。
かけのサイズ選びのポイント
かけ(ゆがけ)は、弓道の射技を支える重要な道具の一つです。しかし、適切なサイズのかけを選ばなければ、取り掛けが安定せず、的中率にも影響を及ぼします。また、サイズが合わないと、手の痛みや違和感を引き起こす原因にもなります。そのため、自分の手にしっかりとフィットするかけを選ぶことが非常に重要です。
かけのサイズ選びで最も重視すべき点は、親指のフィット感です。親指の帽子(かけの先端部分)が深すぎたり浅すぎたりすると、弦を正しく押さえられず、取り掛けが不安定になります。理想的なサイズは、親指の先端が帽子の中で軽く触れる程度のものです。帽子の中で指が動きすぎる場合はサイズが大きすぎ、逆に窮屈に感じる場合は小さすぎる可能性があります。
また、親指の付け根のフィット感も重要です。かけの根本部分が手の形に合わないと、射の際に余計な力が入りやすくなります。適切なサイズのかけであれば、親指の付け根部分がしっかりフィットし、無駄な力を入れずに取り掛けることができます。
さらに、中指・薬指の革の長さにも注意が必要です。これらの指にかかる部分の革が長すぎると、余計な摩擦が生じ、スムーズな離れができなくなります。逆に短すぎる場合は、指を動かす際に圧迫感が強くなり、違和感を覚えることがあります。
かけのサイズを選ぶ際には、実際に試着することが最も確実な方法です。弓具店では試着が可能な場合が多いため、実際に手にはめて、親指や指のフィット感を確認することが重要です。また、可能であれば、弓を持った状態で試しに取り掛けの感触を確かめてみると、より適切なサイズを選ぶことができます。
通販でかけを購入する場合は、手のサイズを正確に測ることが必要になります。一般的に、かけのサイズは「号数」で表され、手の大きさに合わせて選びます。例えば、女性であれば3〜4号、男性であれば5〜6号が標準的ですが、手の形には個人差があるため、必ず自分の親指や手の幅を測定し、適切なサイズを選びましょう。
また、かけは職人の手作業で作られるため、同じ号数でも微妙な違いがあることがあります。そのため、既に使用しているかけと同じ号数でも、メーカーやモデルによってはフィット感が異なることを理解しておくとよいでしょう。
適切なかけのサイズを選ぶことは、快適な射を実現し、技術の向上にもつながります。無理に小さなものを使ったり、大きすぎるものを選んだりせず、自分の手に合ったものを慎重に選ぶことが大切です。
かけが小さい場合の対策
かけが小さい場合、手に強い圧迫感を感じたり、指の動きが制限されたりすることがあります。この状態で無理に使用すると、手が痛くなったり、射技に悪影響を及ぼしたりする可能性が高くなるため、早めに対策を講じることが重要です。
かけが小さいと感じた場合、まず帽子の部分のフィット感を確認しましょう。親指の先が圧迫されすぎている場合、かけが小さすぎる可能性があります。新品のかけは革が硬いため、最初は多少の圧迫感を感じることがありますが、使い続けるうちに革が馴染んで柔らかくなり、適切なサイズにフィットすることもあります。そのため、新品のかけを購入してすぐにサイズが合わないと判断するのではなく、一定期間使いながら様子を見ることも大切です。
しかし、明らかに指がきつくて痛みがある場合や、指が自由に動かせない場合は、帽子の調整を行うことで改善できる可能性があります。弓具店では、帽子の革を少し伸ばしたり、加工したりするサービスを提供している場合があるため、専門家に相談するのも一つの方法です。
また、かけ全体がきつく感じる場合は、革を柔らかくする方法を試してみましょう。例えば、使い始める前に、かけをはめた状態で手を温めると、革がわずかに柔らかくなり、フィット感が向上します。また、ゆっくりと手を開閉することで、革が自然に伸びていくため、無理なくサイズ調整ができます。ただし、急激に伸ばそうとすると革が破損する可能性があるため、慎重に行うことが大切です。
かけ紐の締め方も重要なポイントです。紐をきつく締めすぎると、手の血流が悪くなり、余計に圧迫感を感じることがあります。紐の巻き方を工夫し、手首の動きを妨げない程度に調整することで、少しゆとりを持たせることができます。
それでもサイズが合わない場合は、新しいかけを検討することも視野に入れるべきです。特に、成長期の学生や手の大きさが変わりやすい人は、定期的にサイズを見直すことが大切です。無理に小さなかけを使い続けると、手を傷めたり、射技に悪影響が出る可能性があるため、快適に使えるサイズのものに交換することをおすすめします。
小さいかけを使うことで、親指や指の付け根に過度な負担がかかると、長期間の練習によって関節や筋を痛めるリスクが高まります。そのため、少しでも違和感を感じたら、適切な調整を行い、無理に使用しないことが大切です。かけのサイズに悩んだら、弓具店の専門家に相談し、自分に合った調整方法を見つけるとよいでしょう。
弓道のゆがけの結び方のコツと注意点
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かけの慣らし方と正しい使い方
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かけが湿気るとどうなる?対策方法
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かけの手入れ方法と長持ちさせるコツ
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かけの親指が痛い原因と解決策
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かけの色の選び方と審査・試合での影響
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初心者向けのかけの選び方とおすすめポイント
かけの慣らし方と正しい使い方
新しいかけ(ゆがけ)を手にしたとき、すぐに使いこなせると思い込むのは避けたほうがよいでしょう。新品のかけは革が硬く、指や手の形に馴染んでいないため、慣らしの工程を経ないと違和感があり、正しい取り掛けが難しくなることがあります。慣らしが不十分なまま実際の練習に使ってしまうと、射技に影響が出るだけでなく、手を痛める原因にもなりかねません。
まず始めに行いたいのは、「手にはめてなじませる」ことです。テレビを見ているときや勉強中など、日常生活の合間にかけをはめ、親指や手の平を軽く動かして革をやわらかくしていきます。この段階で無理に弓を引く必要はありません。繰り返し装着することで、革が手の形に徐々にフィットしていきます。
次に行うのは、「巻藁(まきわら)練習での調整」です。巻藁とは、短距離で矢を放つ練習用の藁束のことを指します。実際に弦を引いてみて、弦枕に違和感がないか、親指に過剰な力がかかっていないかを確認します。この段階では無理に引かず、軽い力で繰り返すことがポイントです。弦の感触に慣れながら、徐々に射の動作に移っていくとスムーズです。
正しい使い方としては、まず「紐を適度に巻く」ことが重要です。きつく締めすぎると手首の可動域が狭まり、かえって射が不安定になります。一方、緩すぎてもかけがズレてしまい、取り掛けに影響します。紐は“固定する”というよりも“支える”程度に留めるのが適切です。
また、取り掛け時の「親指の角度」も正しい使い方に関わるポイントです。親指を過度に曲げて弦を押さえようとすると、付け根に負担がかかり、痛みの原因になります。力は中指と薬指で支えつつ、親指は軽く沿える程度にすると、無駄な力みがなくなり、自然な離れにつながります。
かけは単なる手袋ではなく、射技の土台となる道具です。そのため、手に馴染ませる準備期間を惜しまず、丁寧に慣らしながら正しい使い方を身につけることで、より質の高い射が実現できます。
かけが湿気るとどうなる?対策方法
弓道で使用するかけ(ゆがけ)は、主に鹿革で作られており、非常に吸水性が高い素材です。このため、湿気には特に敏感です。汗をかいた手で使い続けたり、練習後に濡れた状態のまま保管したりすると、かけが湿気を含み、さまざまな悪影響が出てしまいます。
まず湿気によって起こる代表的な問題が、「革の劣化とカビの発生」です。鹿革は通気性に優れている反面、湿ったままの状態では内部に水分がこもり、雑菌やカビが繁殖しやすくなります。カビは見た目の問題だけでなく、革の耐久性を大きく損ない、最悪の場合は使用不能になることもあります。
さらに、「弦の滑りが悪くなる」という影響も見逃せません。湿気を吸ったかけはギリ粉の滑り止め効果が落ちてしまい、取り掛け時に弦が引っかかるようになります。これにより、矢が思わぬ方向に飛んだり、離れが乱れる原因になることがあります。
こうした事態を防ぐには、「使用後の陰干し」が基本の対策になります。練習後は必ず風通しのよい場所に吊るし、自然乾燥させましょう。直射日光やドライヤーの高温を長時間当てると革が硬化する可能性があるため、優しく乾かすことが大切です。
また、「保存時の工夫」も湿気対策に有効です。かけは通気性の良い布に包み、専用の合切袋や袱紗袋に収納します。密閉性の高い袋は避け、内部の空気が循環するようにすることがポイントです。さらに、梅雨や夏場など湿気が多い季節には、乾燥剤(シリカゲル)を一緒に入れておくと安心です。
使用前後には「手の清潔さ」も意識しましょう。手が濡れた状態でかけを装着すると、それだけで湿気が内部にこもる原因になります。練習前には手をよく拭き、なるべく乾燥した状態で使用することが望ましいです。
このように、湿気はかけにとって大敵です。長く使える状態を保つためには、練習後の手入れと保管方法を正しく行い、湿気をため込まないように工夫することが求められます。
かけの手入れ方法と長持ちさせるコツ
かけ(ゆがけ)は消耗品ではあるものの、正しい手入れを行えば数年にわたって使用することができます。特に鹿革製のかけは高価であり、メンテナンスの有無によって耐久性や射感が大きく左右されます。手入れを怠ると革が硬くなったり、カビや汚れが発生したりするため、こまめなケアが欠かせません。
まず練習後に必ず行いたいのが、「陰干しによる乾燥」です。弓道では長時間かけを装着するため、汗や湿気を多く含みます。この状態で袋にしまうと蒸れやすく、革の劣化が早まる原因になります。使用後はかけの内側を開き、通気性の良い場所で自然乾燥させることが基本です。ドライヤーを使う場合は冷風にし、熱風は避けるようにしましょう。
次に大切なのが、「表面の汚れ落とし」です。かけにはギリ粉(松脂粉)を使用するため、表面に粉がたまりやすくなります。使用後は柔らかいブラシや布で優しく払い落とします。頑固な黒ずみがついた場合は、砂消しゴムや天花粉(ベビーパウダー)を使って軽くこすると、革にダメージを与えずに汚れを取ることができます。
収納時のポイントとしては、「密閉しすぎないこと」が重要です。かけは革製品なので、空気の通りが悪い状態で保管すると、湿気がこもりカビが発生しやすくなります。手拭いや通気性の良い袋に包み、合切袋などにゆったりと収納しましょう。さらに、梅雨時や夏場は乾燥剤を入れておくと安心です。
手入れの中でも見落とされがちなのが、「紐の状態のチェック」です。かけ紐がほつれていたり、硬くなっていたりすると、結び方が不安定になり、射にも悪影響が出ます。ほつれがひどい場合は交換を検討し、定期的に状態を確認しましょう。
このように、かけの手入れは乾燥・汚れ落とし・保管・紐の点検と多岐にわたりますが、日々の習慣として取り入れることで、かけを長持ちさせ、射の安定にもつながります。愛着のある道具だからこそ、丁寧に扱い、より良い状態で長く使っていきたいものです。
かけの親指が痛い原因と解決策
弓道でかけ(ゆがけ)を使用する際、親指に痛みを感じることは珍しくありません。特に初心者や新しいかけを使い始めたばかりの人にとって、この痛みは大きなストレスになることがあります。しかし、痛みの原因を正しく理解し、適切な対策を取ることで、快適に弓を引くことができるようになります。
まず、親指が痛くなる主な原因の一つは、「取り掛け時の力み」です。弦をしっかり引こうとするあまり、親指に過度な力を入れてしまうと、付け根や関節部分に強い負担がかかります。これにより、痛みが生じるだけでなく、取り掛けの際の動作が不自然になり、射の安定性も損なわれます。力を分散させるためには、親指だけで弦を押さえつけるのではなく、中指や薬指もうまく使って支えることが重要です。
次に考えられるのが、「かけのサイズが合っていない」という問題です。かけの帽子(親指を覆う部分)が小さすぎると、親指が圧迫され、血流が悪くなります。一方、大きすぎると指が中で動きすぎて、摩擦による痛みが発生することがあります。適切なサイズのかけを選ぶためには、親指の先端が帽子の内側に軽く触れる程度のものを選ぶとよいでしょう。また、使い始めは革が硬いため、しばらく使いながら手になじませることも必要です。
さらに、「弦枕の位置が合っていない」ことも、親指の痛みの原因となります。弦枕とは、かけの帽子の内側にある弦を押さえる部分のことですが、これが親指の形やサイズに合っていないと、弦を引いたときに余計な圧力がかかってしまいます。もし痛みを感じる場合は、弦枕の位置を微調整したり、弓具店で修正を依頼するのも一つの方法です。
また、「かけが硬すぎる」ことも親指の痛みを引き起こす要因の一つです。新品のかけは特に革が硬いため、取り掛ける際に余計な負担がかかりやすくなります。これを防ぐためには、かけを適度に慣らし、使い始める前に手にはめて柔らかくする作業が必要です。
このように、かけの親指の痛みにはさまざまな原因が考えられますが、それぞれに適した対策を取ることで、快適な射を実現することができます。もし痛みが続く場合は、かけの調整や取り掛けの見直しを行い、自分に合った方法を見つけることが大切です。
かけの色の選び方と審査・試合での影響
かけ(ゆがけ)の色には特に厳格なルールはありませんが、審査や試合では適切な色を選ぶことが求められる場合があります。弓道は武道であり、礼儀や伝統を重んじるため、派手な色を避け、落ち着いた色を選ぶことが一般的です。
かけの色を選ぶ際にまず考慮すべきなのは、「伝統的な色の意味」です。弓道において、もっとも一般的なかけの色は茶色です。これは、鹿革の自然な色を活かしたものであり、初心者から上級者まで広く使用されています。特に、燻し革のかけは耐久性が高く、伝統的な装いにも適しています。
一方、「紫色のかけ紐」は、有段者が使用することが多いとされています。戦前の大日本武徳会の時代には、初段以上の弓道人が紫紐を使用する習慣があり、現在もその名残として、有段者になると紫紐のかけを選ぶ人が多い傾向にあります。ただし、これは正式なルールではなく、個人の選択に委ねられています。
審査や試合において、かけの色が直接合否に影響することはありません。しかし、あまりにも目立つ色のかけを使用すると、弓道人としての心得が不足していると見なされる可能性があります。例えば、赤や青などの派手な色のかけを使用すると、格式を重んじる場では不適切と判断されることがあります。そのため、審査や公式試合では、伝統的な茶色や紫紐のかけを選ぶのが無難でしょう。
一方、普段の練習では、自分の好みに合わせた色を選ぶのもよいでしょう。最近では、黒や灰色のかけも販売されており、シックなデザインを好む人には適しています。しかし、審査や試合では伝統を重んじる場であることを意識し、場にふさわしい色を選ぶことが大切です。
初心者向けのかけの選び方とおすすめポイント
弓道を始める際に最初に選ぶ弓具の一つが「かけ(ゆがけ)」です。しかし、初心者にとって適切なかけを選ぶのは難しく、どのような基準で選べばよいのか迷うことも多いでしょう。初心者がかけを選ぶ際には、サイズ・材質・価格の3つのポイントを重視することが重要です。
まず、「サイズ選び」はかけを選ぶ際の最も重要な要素です。サイズが合わないと、正しい取り掛けができず、射技に悪影響を及ぼします。一般的に、かけは号数で表され、女性は3~4号、男性は5~6号が標準的です。しかし、手の形には個人差があるため、可能であれば弓具店で試着し、実際に手にはめてフィット感を確認することが大切です。
次に、「材質」について考えましょう。初心者向けのかけには、人工皮革と鹿革のものがあります。人工皮革のかけは比較的安価で、耐久性も高いため、初心者向けとして適しています。一方、本革(鹿革)のかけは手になじみやすく、長期間使うことでより柔らかくなります。できるだけ長く弓道を続けたいと考えている人は、最初から鹿革のかけを選ぶのもよいでしょう。
また、「価格」も初心者にとって重要な要素です。かけの価格は数千円から数万円まで幅広くありますが、初心者であれば、1万円前後の標準的なかけを選ぶのが無難です。あまりに安価なものは耐久性が低く、逆に高級なものは使いこなすのが難しいため、適度な価格帯のものを選びましょう。
このように、初心者向けのかけを選ぶ際には、サイズ・材質・価格のバランスを考慮することが大切です。自分の手に合ったかけを選び、正しく手入れをしながら使うことで、弓道の上達につながります。
弓道のゆがけの結び方の基本と正しい扱い方
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ゆがけの結び方は射の安定性と安全性に関わる
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かけ紐の色には伝統的な意味があり、場面に応じた選択が必要
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かけ紐は摩耗や緩みを確認し、適切なタイミングで交換する
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かけのサイズが合わないと射が不安定になり、手に負担がかかる
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小さいかけは革を慣らすか、専門店での調整を検討する
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新しいかけは柔らかくするために手にはめて慣らす
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かけが湿気るとカビや劣化の原因になるため、適切な乾燥が必要
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使用後は陰干しし、通気性の良い状態で保管する
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かけの手入れではギリ粉や汚れを定期的に落とすことが重要
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親指の痛みは力みすぎやサイズの不適合が原因となることが多い
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かけの色選びは審査や試合の場面を考慮して選ぶ
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初心者はサイズ・材質・価格のバランスを考えてかけを選ぶ
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取り掛け時の力の入れ方によってはかけに負担がかかる
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かけ紐の締めすぎは手首の動きを制限し、射に悪影響を与える
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適切な手入れと管理で、かけの寿命を延ばし快適に使用できる
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