弓道の伸び合いで会を充実させ鋭い離れを生むコツ

射技
弓道 伸び合い

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弓道において「伸び合い」は、会の充実を図り、安定した射を実現するために欠かせない要素です。しかし、正しく理解していなければ、力のバランスを崩し、逆に射形が不安定になることもあります。本記事では、「弓道の伸び合い」について基本から応用まで詳しく解説し、正しい意識の持ち方や練習方法を紹介します。

まず、「詰合い・伸合いについて理解しよう」という視点から、両者の違いと重要性を明確にします。そのうえで、「伸び合いのコツを掴むためのポイント」や「伸び合いの意識を高める方法」を通じて、会の中で適切な力のかけ方を解説します。また、「伸び合いの方向を正しく理解する」ことで、左右のバランスを整え、射形を安定させるための具体的なポイントを押さえていきます。

しかし、伸び合いが思うようにできないこともあります。「伸び合いできない原因と改善策」では、よくある課題を取り上げ、解決策を提示します。さらに、「伸び合いで充実した会を作る方法」として、「充実した会にするためには何が必要か」を具体的に解説し、より実践的な知識を深めていきます。

また、「伸び合いを実現するための練習方法」を紹介し、基礎から応用までの練習ステップを明確にします。さらに、「伸び合いと詰め合いの関係とは」を通じて、二つの要素をバランスよく活用する方法を解説します。

ただし、伸び合いを意識しすぎることで逆効果になる場合もあります。「伸び合いを意識しすぎることの危険性」では、過剰な意識が引き起こす問題点について考察します。最後に、「伸び合いを活かして鋭い離れを生む」ことで、伸び合いを正しく活用し、スムーズで力強い射につなげる方法を紹介します。

本記事を読むことで、伸び合いに対する理解が深まり、安定した会と鋭い離れを生み出すための実践的な知識を得られるはずです。日々の稽古の中で意識し、より洗練された射を目指していきましょう。

記事のポイント

  • 伸び合いと詰め合いの違いとそれぞれの役割
  • 伸び合いを正しく行うためのコツと意識の持ち方
  • 伸び合いができない原因と改善策
  • 伸び合いを活かして鋭い離れを生む方法
 

弓道の伸び合いの基本と重要性

全日本弓道連盟から引用

  • 詰合い・伸合いについて理解しよう
  • コツを掴むためのポイント
  • 意識を高める方法
  • 方向を正しく理解する
  • できない原因と改善策

詰合い・伸合いについて理解しよう

弓道の会において、「詰合い」と「伸合い」は、安定した射を実現するための重要な要素です。これらは単なる動作ではなく、体の使い方や意識の持ち方に関わる概念であり、正しく理解することで射の精度が向上します。

詰合いとは、会の状態で左右の肩や肘を引き合い、力を均等に保つことを指します。弓を引ききった後、その場で静止するのではなく、体の内側で力を蓄えながら、緊張を維持し続けることが大切です。具体的には、左肘をしっかりと張り、右肘を背中側に寄せることで、弓の張力をしっかりと支えながら会を保つ状態を作ります。

一方、伸合いとは、会に入った後にさらに左右へ伸びる意識を持ち続けることを意味します。ただし、実際に体が動くわけではなく、内面的な意識の持ち方が重要です。左手は的方向に押し続け、右手は矢とともに後方へ引き続けることで、体の中心がより安定し、矢がスムーズに飛ぶ環境を整えます。

詰合いと伸合いを適切に行うことで、会が充実し、自然な離れへとつながります。これらの動作を理解し、会の中で意識することで、矢勢が安定し、より的中率の高い射が可能になります。初心者のうちは、詰合いと伸合いを意識しすぎるあまり、体に力が入りすぎてしまうことがありますが、肩や肘の位置を整えながら、徐々に感覚をつかんでいくことが大切です。

コツを掴むためのポイント

伸び合いを正しく実践するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。単に力を込めるだけではなく、全身のバランスを整えながら、的へと向かう力の流れを作ることが重要です。

まず、最も大切なのは「左右の均等な力の配分」です。弓道における射の基本は、弓手と引手のバランスによって成り立ちます。特に、会の段階では、左手が的へ伸びる力と、右手が後方へ引く力が均等でなければなりません。片方の力が強すぎると、射の軌道が乱れ、矢の方向が不安定になります。そのため、左右の張り合いを意識しながら伸び合いを行うことが大切です。

次に、肩の使い方にも注意が必要です。伸び合いを行う際、肩が持ち上がってしまうと、体全体のバランスが崩れます。特に左肩は、意識的に下げるようにすることで、的へ向かう力がまっすぐ伝わりやすくなります。また、右肩も余計な力を入れず、自然な流れで肘を背中側へ引くことを意識すると、伸び合いがスムーズに行えます。

さらに、呼吸のコントロールも伸び合いを成功させるカギとなります。会に入った際、息を止めてしまうと体が硬直し、伸び合いの動作が不自然になります。深く息を吸い込み、ゆっくりと吐きながら伸び続けることで、体の緊張を適度に保ちつつ、安定した射が可能になります。

最後に、無駄な力を入れないことが重要です。伸び合いを意識するあまり、手や腕に過剰な力を入れてしまうと、スムーズな射ができなくなります。あくまでも自然な力の流れを意識しながら、肩から腕へと力を伝えることが、正しい伸び合いの感覚を身につけるためのポイントです。

これらの点を意識しながら練習を続けることで、伸び合いの動作が自然と身につき、会の充実度が向上し、離れが鋭くなることにつながります。

意識を高める方法

伸び合いを意識的に取り入れることで、弓道の射がより安定し、的中率も向上します。しかし、実際に射を行う際に「伸び続ける感覚」がつかみにくいと感じる人も多いでしょう。ここでは、伸び合いの意識を高めるための具体的な方法を紹介します。

まず、弓を引く前の段階で、体のバランスを意識することが重要です。伸び合いは会の段階で行われる動作ですが、土台となる体の使い方が整っていなければ、正しく機能しません。足踏みや胴造りをしっかりと行い、体全体を安定させた状態で引き分けに入ることで、伸び合いがスムーズにできるようになります。

次に、ゴム弓を使った練習を取り入れると効果的です。ゴム弓を使うことで、実際の弓よりも軽い負荷で手の動きを確認でき、伸び合いの感覚をつかみやすくなります。特に、左右のバランスを意識しながら、的方向へ押す感覚と後方へ引く感覚を丁寧に確認することが大切です。

また、実際の射では、鏡を使って自分の姿勢をチェックするのも有効です。伸び合いが適切に行われているかどうかを客観的に見ることで、改善点を見つけやすくなります。特に、肩の位置や肘の動きが正しく機能しているかを確認しながら練習を続けると、伸び合いの意識が高まりやすくなります。

さらに、意識を高めるためには、師範や先輩に指導を仰ぐことも大切です。自分では気づきにくい癖や力の偏りを指摘してもらうことで、伸び合いの感覚をより明確にすることができます。実際にアドバイスを受けながら射を行うことで、伸び合いの意識をより具体的に持つことができるでしょう。

最後に、伸び合いを意識しながらも、会の中で無理に動作を作り出さないことが重要です。伸びようとするあまり、肩や腕に余計な力が入ると、射のバランスが崩れてしまいます。あくまでも自然な流れの中で伸び続ける意識を持ち、会の充実を図ることが、伸び合いの意識を高めるためのポイントです。

これらの方法を取り入れながら練習を積み重ねることで、伸び合いの意識を向上させ、より安定した射を実現できるようになります。

方向を正しく理解する

弓道における「伸び合い」とは、会の状態で左右の力を均等に保ちつつ、さらに引き続ける意識を持つことを指します。しかし、単に「引き続ける」といっても、実際にどの方向に力をかけるべきなのかが分からなければ、正しい射にはつながりません。伸び合いの方向を正しく理解することで、会が充実し、安定した離れが生まれます。

まず、基本となるのは「左右に均等に伸びる」という意識です。伸び合いは、左手を的方向へ押し、右手を背中側へ引き続けることによって成立します。ただし、ここで誤解してはいけないのは、「無理に力を込める」のではなく、弓の張力を活かしながら伸びるという点です。左手だけを強く押してしまうと、体が開いてしまい、矢が的の右へ外れる原因になります。一方で、右手だけを強く引こうとすると、右肩が浮いてしまい、矢の軌道が乱れることになります。そのため、左右のバランスを整えながら、均等な力で伸び続けることが重要です。

次に、縦の方向への伸びも意識しなければなりません。伸び合いと聞くと、横方向だけに意識が向きがちですが、実際には「天地に伸びる」感覚も大切です。具体的には、背筋をまっすぐに伸ばし、頭のてっぺんが上へ引っ張られるような意識を持つことで、姿勢が安定し、左右の力が均等に働きやすくなります。また、下半身も重要であり、腰をしっかり据え、足裏全体で床を踏みしめることで、重心がぶれずに力を適切に伝えることができます。

さらに、肩甲骨の動きにも注目すると、より正確な伸び合いが可能になります。右肩甲骨を背中側へ引き寄せることで、右肘が後方へ自然と動き、余計な力を使わずに伸びることができます。同時に、左肩甲骨を下げながら的方向へ押し出すことで、弓の反発力が均等に伝わり、矢の飛びが安定します。特に、肩に力が入りすぎると、動きが硬くなり、スムーズな伸び合いができなくなるため、適度にリラックスしながら肩甲骨の動きを意識すると良いでしょう。

最後に、呼吸の使い方も伸び合いの方向を正しく保つ上で重要な要素です。会の中で息を止めると体が硬直し、左右のバランスが崩れやすくなります。深い呼吸を維持しながら伸び続けることで、無駄な力みがなくなり、自然と正しい方向へと伸びることができます。

このように、伸び合いの方向は単に左右に伸びるだけでなく、天地の軸や肩甲骨の動き、呼吸のコントロールによっても大きく影響を受けます。これらの要素を意識しながら練習を続けることで、安定した射を実現することができるでしょう。

できない原因と改善策

伸び合いを意識しているつもりでも、なかなかうまくできないと感じる人は少なくありません。伸び合いが機能しない原因はいくつかあり、それぞれに適切な改善策を講じることで、スムーズな動作を習得することができます。

まず、最も多い原因の一つが「力のバランスの偏り」です。伸び合いは左右均等な力の配分が求められますが、多くの人が片方の力を強くしすぎてしまう傾向にあります。例えば、左手を押しすぎると、右手の引きが不足し、結果として弓の張力が適切に伝わらなくなります。逆に、右手を過度に引いてしまうと、左手の押しが弱くなり、射のバランスが崩れてしまいます。

改善策としては、「左右の力の均衡を意識する練習」を取り入れることが有効です。ゴム弓を使って、左手を的方向へ伸ばしながら、右手を背中側へ引く動作を繰り返し練習すると、バランスの感覚が養われます。また、実際の射では、会の状態で「左手が的に向かって伸びているか」「右肘が適切に背中側へ動いているか」を確認することが重要です。

次に、「肩や腕に余計な力が入っている」という問題も、伸び合いを妨げる要因の一つです。特に、肩が持ち上がってしまうと、正しい方向への力の流れが妨げられ、伸び合いがうまく機能しません。これを防ぐためには、肩をリラックスさせることが大切です。肩の力を抜く練習として、深呼吸をしながら肩を軽く回す動作を取り入れると、無駄な力みを取り除くことができます。

さらに、「会で動きを止めてしまう」ことも、伸び合いができない原因となります。会は静止しているように見えますが、実際には内面的な動きが続いている状態です。しかし、多くの人が「会では止まるもの」と考えてしまい、動きを止めてしまうため、伸び合いが生まれにくくなります。

これを改善するには、「会でも伸び続ける意識を持つこと」が重要です。特に、呼吸を止めずに自然に続けることで、体の内側から伸びる感覚をつかみやすくなります。また、師範や先輩の射をよく観察し、「どのように伸びているか」を意識しながら学ぶことも効果的です。

最後に、「姿勢が崩れている」ことも、伸び合いができない原因の一つです。特に、体の軸がずれていると、左右均等に伸びることが難しくなります。改善策としては、足踏みや胴造りを正しく行い、射の基本となる姿勢を整えることが大切です。特に、下半身を安定させることで、上半身の力がスムーズに伝わり、伸び合いがしやすくなります。

このように、伸び合いができない原因には「力のバランスの偏り」「肩や腕の余計な力み」「会での静止」「姿勢の崩れ」などがあり、それぞれに適切な改善策を講じることで、よりスムーズな動作が可能になります。基本を見直しながら練習を続けることで、自然な伸び合いが身につくでしょう。

弓道の伸び合いで充実した会を作る方法

公益財団法人 全日本弓道連盟

全日本弓道連盟から引用

  • 充実した会にするためには何が必要か
  • 伸び合いを実現するための練習方法
  • 詰め合いの関係とは
  • 意識しすぎることの危険性
  • 伸び合いを活かして鋭い離れを生む

充実した会にするためには何が必要か

弓道において「会」は、矢を射る直前の最も重要な状態です。会が充実していなければ、離れが乱れ、矢勢が安定しません。充実した会を作るためには、姿勢や手の内、呼吸、意識の持ち方など、さまざまな要素を正しく整えることが求められます。

まず、正しい姿勢を作ることが基本です。足踏みから胴造りまでを丁寧に行い、体の軸を整えます。特に、重心がぶれないように意識することが大切です。足元が不安定だと、会に入ったときに体が動きやすくなり、伸び合いや詰め合いが正しく機能しません。弓道では、下半身の安定が上半身の安定につながるため、足裏全体で床を踏みしめ、身体の中心をしっかりと保つことが重要です。

次に、手の内と弓の押し方を適切に整える必要があります。手の内が不安定だと、会での伸び合いがスムーズに行われず、無駄な力が入ってしまいます。左手は虎口を開き、弓を自然に受け止める形を意識し、右手は弓の張力を感じながら適切に引くことが求められます。特に、握り込んだり、無理に力を込めたりすると、会が硬くなり、離れがスムーズに出せなくなるため、適度な脱力を心がけることが重要です。

また、呼吸のコントロールも欠かせません。会では息を止めるのではなく、自然な呼吸を保つことで、身体の緊張を防ぎ、伸び合いを持続しやすくなります。深くゆったりとした呼吸を続けることで、体が安定し、会の充実につながります。

意識の持ち方も、会を充実させるために重要な要素です。単に矢を射るための準備ではなく、「ここからさらに伸びていく」という感覚を持つことが求められます。離れの瞬間だけを意識するのではなく、会の中で左右に伸び、的に向かって押し続ける意識を持つことで、結果的に鋭い離れが生まれます。

このように、充実した会を作るためには、姿勢の安定、手の内の正しい使い方、適切な呼吸のコントロール、そして意識の持ち方が重要になります。これらの要素を日々の稽古の中で意識し、繰り返し練習することで、自然と会が充実し、安定した射を実現できるようになるでしょう。

伸び合いを実現するための練習方法

伸び合いを正しく実現するためには、日々の稽古の中で意識的に取り組むことが必要です。ただ単に「会で伸び続ける」と考えても、具体的に何をすればよいのかが分からなければ、適切な動作にはつながりません。ここでは、伸び合いを効果的に習得するための練習方法を紹介します。

まず、ゴム弓を用いた練習が有効です。ゴム弓は実際の弓よりも負荷が軽いため、手の内や肩の動きを細かく確認しながら練習できます。ゴム弓を引いた状態で、左右のバランスを整えながら、会の中で「的に向かって押す感覚」と「背中側に引く感覚」を均等にすることを意識しましょう。特に、右肘の動きに注意し、肩甲骨を使って背中側へ引き続ける感覚を養うことが重要です。

次に、素引きの練習を取り入れることで、実際の弓を使った際の感覚を身につけることができます。素引きでは、弓を持ちつつも矢を番えずに引くことで、より細かい動作を確認しながら練習が可能です。この際、呼吸を止めずに会の中で伸び続ける意識を持つことが大切です。また、左右のバランスが崩れないように、鏡を使ってフォームをチェックしながら行うと効果的です。

さらに、実際に弓を引く際には、「伸びる方向」を意識しながら練習することが重要です。伸び合いは、単に左右に引き合うだけではなく、縦方向の伸びも意識する必要があります。具体的には、頭頂部が天井に引っ張られるような意識を持ち、背筋をまっすぐに伸ばしながら引くことで、正しい姿勢が維持され、伸び合いがスムーズに行えるようになります。

また、練習の中で「伸び合いの持続時間」を意識することも重要です。短時間の会では、十分な伸びが得られず、離れの瞬間に力が抜けてしまうことがあります。会を保つ時間を少しずつ長くしながら、伸び続ける意識を持つことで、徐々に自然な伸び合いが身につきます。

これらの練習を繰り返し行うことで、伸び合いを効果的に習得することができます。特に、基本動作の確認や姿勢の見直しを行いながら練習することで、より安定した会を作ることができるようになるでしょう。

詰め合いの関係とは

弓道において「伸び合い」と「詰め合い」は密接な関係を持っています。どちらも会の充実に必要な要素であり、片方だけを意識してしまうと、正しい射が成立しません。これらの関係を正しく理解することで、より安定した射を実現することができます。

まず、「詰め合い」とは、会の中で左右の力を均等に張り合い、バランスを保つことを指します。具体的には、肩や腕に適度な緊張を持たせ、矢を保持する力を維持することが求められます。詰め合いが不足すると、会が緩み、弓の張力が適切に働かなくなるため、離れの瞬間に力が抜けてしまい、矢勢が不安定になります。

一方、「伸び合い」は、詰め合いによって生まれた緊張を保ちつつ、さらに引き続ける動作を指します。詰め合いだけでは会の中で動きが止まってしまい、離れの瞬間に無駄な力みが生じることがあります。そのため、詰め合いの状態を維持しながら、さらに左右に伸び続けることが重要です。

これらの関係を正しく理解するためには、実際の射の中で両方の動作を意識的に行うことが必要です。例えば、会に入った後に「詰め合いで力を均等に保ち、その上で伸び続ける」という意識を持つことで、自然な動作が生まれます。特に、肩や腕に過剰な力を入れすぎず、無駄な緊張を避けながら動作を行うことが大切です。

また、伸び合いと詰め合いをバランスよく行うことで、離れの瞬間にスムーズな動作が可能になります。どちらか一方に偏ることなく、両方を意識しながら練習を続けることで、安定した射を実現できるようになります。

意識しすぎることの危険性

弓道において伸び合いは重要な要素ですが、意識しすぎることで逆効果になる場合があります。適切な伸び合いは、会を充実させ、矢勢を安定させる効果がありますが、無理に伸ばそうとすると、体のバランスを崩し、射形が乱れる原因にもなります。

まず、伸び合いを意識しすぎると、必要以上に体が緊張してしまうことがあります。特に、肩や腕に余計な力が入ると、会の中で正しい伸びができず、弓の張力を受け止めるバランスが崩れてしまいます。結果として、離れの瞬間に体が硬直し、矢の飛びが不安定になることが考えられます。本来の伸び合いは、自然な流れの中で体が伸びていく状態であるため、意図的に力を入れることは避けるべきです。

また、伸び合いを過剰に意識すると、体の軸が崩れやすくなります。特に、左右のバランスが崩れると、弓手(左手)が前に出すぎたり、勝手(右手)が引きすぎたりして、正しい十文字の姿勢を保つことが難しくなります。この状態で離れを行うと、矢が的に対して正しい方向へ飛ばず、的中率の低下につながります。

さらに、伸び合いを意識しすぎることで、無理に時間をかけすぎることも問題です。会の中で無理に長く伸びようとすると、筋肉の疲労が蓄積し、結果的に矢勢が弱まる原因になります。会の長さは個人の体力や技量によって異なりますが、無理に引き伸ばそうとするのではなく、適切なタイミングで自然に離れを行うことが大切です。

伸び合いは、射の中で適切に機能することで効果を発揮しますが、過度に意識しすぎると体の負担が増し、射形のバランスを崩すリスクが高まります。無理に伸ばそうとせず、自然な形で体が伸びていく感覚を大切にすることで、安定した射を実現できるようになります。

伸び合いを活かして鋭い離れを生む

伸び合いは、弓道において離れの瞬間を鋭くするための重要な要素です。会での適切な伸び合いがあることで、離れの際に弓がしっかりと開き、矢に十分な力が伝わるため、矢勢の良い射を実現できます。しかし、ただ伸びるだけではなく、どのように伸び合いを活かすかが重要です。

まず、会の段階で伸び合いを十分に行うことで、離れの瞬間に体のバランスが整い、弓の力が矢に正しく伝わります。左右に引き合う力が均等であれば、離れたときに弓手と勝手が同時に動き、無駄な力みがなくなるため、矢が真っ直ぐに飛びやすくなります。この状態を作るためには、会の中で肩甲骨の動きを意識し、腕だけで伸びようとするのではなく、背中全体を使って伸び合うことがポイントです。

次に、離れの瞬間に伸び合いを継続することが重要です。離れの際に急に力を抜いてしまうと、矢に伝わる力が分散してしまい、十分な矢勢が得られません。そのため、離れの瞬間まで左右の力を均等に保ち、意識としては「さらに伸びながら離れる」感覚を持つことが大切です。この意識を持つことで、弓の反発力を最大限に活かし、鋭い離れが生まれます。

また、離れの際に余計な動作を入れないことも重要です。特に、手の内や肩に力が入りすぎると、離れが不自然になり、矢の軌道が乱れる原因になります。伸び合いを活かした離れを実現するためには、手の内を適切に保ち、肩の力を抜きながら、体全体で伸び続ける意識を持つことが求められます。

さらに、伸び合いを活かすためには、適切な呼吸のコントロールも必要です。呼吸を止めてしまうと、体の緊張が増し、スムーズな離れができなくなります。会の中で深く息を吸い、離れの瞬間に自然に息を吐くことで、無駄な力みを防ぎ、安定した射を作ることができます。

伸び合いを活かすことで、離れの動作がスムーズになり、矢が安定して飛ぶようになります。適切なバランスで左右に伸び、離れの瞬間にもその意識を保つことで、鋭い離れを実現することができるでしょう。

弓道の伸び合いを正しく理解し射に活かす方法のまとめ

  • 伸び合いとは、会の中で左右均等に力を伸ばし続ける動作であり、矢勢の安定や的中率の向上に大きく影響する要素である
  • 詰合いと伸合いの両方が適切に機能することで、会の状態が充実し、より自然で正確な離れにつながる
  • 無理に力を込めるのではなく、身体全体のバランスを保ちつつ、適度な張りを維持することが、正しい伸び合いの基本である
  • 左手は的方向へ押し続け、右手は背中側へ引き続けることで、弓の張力を最大限に活かし、伸び合いの効果が発揮される
  • 伸び合いでは横方向の動きだけでなく、縦方向への意識も重要であり、体の軸をしっかり保つことでより安定した射を実現できる
  • 過度に伸び合いを意識しすぎると、肩や腕に余計な力が入り、射形が崩れたり、会の状態が不自然になったりするため注意が必要である
  • 呼吸を止めずに深く保つことで、体の緊張を防ぎながらスムーズに伸び合いを行うことができ、より安定した射を実現できる
  • 伸び合いが適切にできない原因として、左右の力の偏りや姿勢の崩れがあり、これを修正しないと正しい伸びが生まれにくい
  • 伸び合いを身につけるためには、ゴム弓や素引きを活用し、力のバランスや体の使い方を意識しながら繰り返し練習することが効果的である
  • 伸び合いが充実していると、矢勢が安定し、離れの瞬間に無駄な動作が生まれず、より鋭い離れを実現できる
  • 会の状態では完全に静止するのではなく、身体内部の動きを維持し続けることで、適切な伸び合いが成立する
  • 詰め合いによる適度な緊張を保ちながら、伸び合いを意識していくことで、離れの瞬間に力が均等に解放されるようになる
  • 伸び合いを過剰に意識しすぎると、射全体のバランスが崩れ、肩の浮きや弓手の押しすぎによる矢の乱れが発生することがある
  • 伸び合いを正しく行うことで、矢に十分な力が伝わり、弓の弾力を活かした鋭い離れと力強い矢勢を生み出すことができる
  • 体の軸を安定させ、肩甲骨の動きを適切に使うことで、無理な力を入れることなくスムーズな伸び合いを習得できるようになる

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