安土整備のやり方を基礎から丁寧に解説

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安土整備のやり方を基礎から丁寧に解説!美しい斜面を保つ日常手入れと本格補修のコツ

弓道場の安土整備の様子

ヘルシー・スポーツ建設株式会社から引用

 

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弓道の練習や競技において、的が設置されている「安土(あづち)」の状態は、単に見ための美しさだけでなく、安全性や矢の刺さり具合、さらには大切な矢の寿命にまで直結するとっても重要な要素です。毎日たくさんの矢が引き込まれる場所だからこそ、少し油断するとすぐにボコボコに凹んでしまったり、乾燥してカチカチになってしまったりしますよね。「安土整備のやり方」を調べてこのページにたどり着いたあなたは、きっと日々の部活や道場での手入れの方法をもっと詳しく知りたかったり、崩れてしまった斜面をどうにか綺麗に直したいと悩んでいるのではないでしょうか。

安土の整備を正しいやり方で理解して実践できるようになると、放たれた矢が硬い土に弾かれて跳ね返る危険なリスクを防ぐことができ、いつでも真っ直ぐ気持ちよく矢が刺さる最高の射場環境をキープできるようになります。日々の手入れにかかせない的の正しいつけ方や、全体の高さの絶妙な調整、表面を滑らかに均すためのほうきのかけ方、そして土のコンディションをいつでもベストに保つための水の巻き方など、押さえておきたい大切なポイントがたくさんありますよ。

この記事では、安土がボロボロと崩れてきてしまったときの具体的な部分補修の方法から、もし水をかけずに放置してしまうとどんなトラブルが起きてしまうのかといった、よくある疑問にもしっかりとお答えしていきます。実際の作業で失敗しないための注意点や、あると劇的に作業がスムーズになる便利な専用道具の選び方まで丁寧に解説していくので、弓道場の維持管理を任されて困っている初心者の方も、ぜひ最後までチェックして役立ててみてくださいね。

記事のポイント

  • 安土整備の基本手順と、大三から会を経て放たれた矢を優しく受け止めるための全工程が分かります
  • 適切な水の巻き方や、季節ごとの繊細な湿度管理の大切さがしっかり理解できます
  • 的をグラつけずに設置する方法や、他の的と高さを水平に綺麗に揃えるコツが学べます
  • 斜面が大きく崩れてしまったときに、自分たちの手で元通りに成形する対処法が分かります

安土整備のやり方の基本を解説

  • 安土整備のやり方の基本工程を覚えよう
  • コンディションを保つ水の巻き方と湿度管理のコツ
  • 斜面を締め固めるほうきのかけ方のポイント
  • 安土がボロボロと崩れてきたらどうする?
  • 水をかけずに乾燥させるとどうなるのか

安土整備のやり方を覚えよう

安土の整備を正しく行うことは、弓道を安全に楽しむため、そして射場環境の質を高く保つために絶対にかかせない大切な役目です。もし安土を長期間放置してボコボコに変形したり、乾燥で石のように硬くなったりしてしまうと、放たれた矢がしっかりと刺さらずに「カーン!」と手前に跳ね返ってしまう原因になります。これは矢のシャフトが曲がったり折れたりするだけでなく、矢を拾いに行く人や周囲で見ている人に当たるなど、思わぬ重大な事故につながる可能性があって本当に危険なんですよ。だからこそ、日々の正しい手入れの知識が必要不可欠になってくるわけですね。

本格的な安土整備の基本工程は、「削る→ふるう→混ぜる→成形する→仕上げる」という5つの流れで進めていきます。まずは、何度も矢が刺さって硬く締まってしまった表面の土を、スコップを使って30cmほどの深さまで思い切って削り取っていきます。そして、削り出した土を「ふるい」にかけて、土の中に混ざってしまっている小石やゴミ、過去に折れて埋まってしまった矢の筈(はず)やシャフトの破片などを丁寧に取り除いていきましょう。このゴミ取りをサボってしまうと、新しく盛り直したあとに再び矢が石に当たって傷つく原因になるので、とっても重要な作業ですよ。

綺麗にふるった土に対して、今度は「川砂(かわすな)」や「おがくず」を絶妙なバランスで混ぜ込んでいきます。川砂を入れることで安土の水はけや通気性が良くなり、斜面の形を長持ちさせるキープ力が生まれます。そして、おがくずを混ぜることで土に適度なフカフカとした柔軟性が加わり、勢いよく飛んできた矢の衝撃をやさしく吸収して、スムーズに刺さるように整えてくれる効果があるんですね。おがくずをブレンドするときの配合比率は、川砂10に対して、おがくずを2〜3くらいの割合にするのが、私としても一番引き締まりやすくて扱いやすい目安かなと思います。

ブレンドした土が準備できたら、いよいよ斜面を再構築していきますよ。一気に土を盛るのではなく、下段の方から少しずつ土を積み上げていき、スコップの裏や専用の木板を使ってしっかりと叩きながら、安土の傾斜角度が「約55度」の綺麗なすべり台状になるように成形していきます。この55度という絶妙な傾きがあるからこそ、飛んできた矢が直角に近い角度で綺麗に刺さってくれますし、練習後に矢を抜くときにも余計な負荷がかからず、スルッと引き抜くことができるようになります。射場全体の安全性を支えるための、いちばん大切な数字ですね。

形が整ったら、仕上げとして表面全体を滑らかに均し、じょうろやホースのシャワーを使って優しく水を撒いて土を落ち着かせれば、大がかりな整備はバッチリ完了です。作業をするときのコツは、土を盛っている最中にも霧吹きなどで適度な水分をこまめに与えて、常にしっとりした状態を保ちながら進めること。完全に乾燥したサラサラの土のままだと、叩いても上手く形が固まってくれず、あとで水をかけたときに一気にドサッと崩れ落ちてしまう原因になるから注意してくださいね。

このように、本格的な安土整備にはいくつかの根気のいる工程がありますが、手順を正しく理解してみんなで協力して行えば、まるで高級な道場のような美しい射場環境を自分たちの手で維持することができますよ。毎日の簡単な手入れと組み合わせて、半年に一回、あるいは少なくとも1年に一度は部員や道場の仲間全員でスケジュールを組んで、しっかりとした大整備を行うのが理想的かなと思います。

コンディションを保つ水の巻き方と湿度管理のコツ

日々の安土のコンディションを左右するいちばんの鍵は、実はこの「水の撒き方」にあると言っても過言ではありません。土に適度な潤い(湿度)をキープしてあげることで、安土特有のフカフカとした柔らかさが長持ちし、矢を優しく包み込むようにまっすぐ刺してくれます。もし水分がカラカラに不足してしまうと、土は一気にもろくなって表面がひび割れ、少しの衝撃でボロボロと崩れ落ちるようになってしまうので、毎日の水やりは地味ですが絶対にかかせません。

基本的には、毎日の練習が終わったあとの「引き終わり」、もしくはその日の練習が始まる前の「引き始め」のタイミングで水を撒いてあげるのが理想的です。特に日差しが強くて空気がカラカラに乾燥しやすい夏場などは、朝一番に水を撒いてもお昼過ぎには表面が白くなってしまうので、練習の合間の休憩時間にも追加で軽く水を補給してあげる気配りが必要になってきますね。ホースやじょうろを使って、安土のてっぺんから麓(ふもと)まで、表面全体にまんべんなく水が行き渡るように優しく撒くのがポイントです。ノズルを優しく細かなシャワー状に設定して、上から下へと何回かに分けて軽く重ねるようにかけてあげると、土の表層をえぐることなく綺麗にしみ込んでいってくれますよ。

ここで絶対に気をつけてほしい失敗ポイントが、一度に大量の水を「ドバドバとかけすぎてしまうこと」です。早く終わらせようとしてバケツなどで一気に水をぶちまけてしまうと、表面の綺麗なおがくずが泥水と一緒に流れ落ちてしまうだけでなく、土がドロドロにぬかるんでしまって、逆に矢が刺さったあとに抜けなくなったり、的がズブズブと沈んで傾いてしまったりします。それだけでなく、表面だけがドロドロの泥の膜になり、安土の内部まで水が染み込まないため、数日後に中からポッカリと空洞ができて一気に崩落する大原因にもなりかねません。水やりはあせらず、「少し撒いては染み込むのを待つ」というのを2〜3回繰り返して、じっくり中まで潤わせてあげるのが一番良い方法です。

目指すべき安土の理想の湿度は、見ためがしっとりと濃い茶色(黒っぽい色)をしていて、指で軽く押したときに「少し湿っていて、クッションのような弾力がある」状態です。乾いてカチカチの状態では矢へのダメージが大きすぎますし、逆に指がズブッと埋まるようでは柔らかすぎます。毎日の練習前に、安土の表面をちょっと触ってみて「あ、今日は少し乾き気味だな」と、見た目と手触りで水分量をこまめにチェックする習慣を持てると、道場の管理職としてはもう100点満点ですね。

また、天候の変化に合わせて水の量を臨機応変に変えるのも大切。一日中雨が降っているような湿度の高い日は、外の水分を吸ってくれているので水やりをスキップしても大丈夫ですし、逆に風が強くて日差しがカンカンに照りつける日は驚くほどのスピードで乾燥していくので、いつもより多めにしっかりと水分を補給してあげるなど、安土の表情をよく見て調整してあげてくださいね。

水分管理は一見すると誰でもできるシンプルな作業に思えますが、実は安土の寿命を左右するいちばん繊細なバランスが求められる工程です。みんなが安心して最高のひと射を引ける環境を作るために、日々の水の管理にもちょっとだけ愛情を注いでみてくださいね。

ほうきのかけ方のポイント

安土の整備において、練習の最後に行う「ほうきを使った仕上げ」は、ただの掃除ではなく、斜面の寿命をのばすためのとっても重要な工程の一つです。一見すると、床に落ちた砂を綺麗に掃いているだけのように見えるかもしれませんが、ほうきの使い方ひとつで、次の日の安土の滑らかさと崩れにくさに驚くほどの差が出てくるんですよ。

安土の斜面にほうきをかける目的は、大きく分けて二つあります。一つ目は、たくさんの矢が刺さってボコボコに凹んでしまったクレーターのような穴や、矢を抜いたときに盛り上がってしまった土の凸凹を、平らに優しく均してあげること。二つ目は、日々重力で下へとズレ落ちてこようとする表面の細かな土やおがくずを、ほうきの穂先を使って「上方向へ優しく押し上げてあげる」ことで、斜面の密度をキュッと引き締め、大きな崩れが起きにくい強い壁を作ってあげることです。弓道界ではこの作業を「砂上げ(すなあげ)」や「はたき上げ」と呼んだりしますね。

具体的な手順としては、まずほうきをかける前に、安土の表面に霧吹きやシャワーで軽く水を撒いて、土をしっとりさせておきます。土が乾いた状態でほうきをかけると、せっかくの細かなおがくずが埃となって舞い散ってしまい、土の成分が痩せてしまうので注意してくださいね。土が落ち着いたら、大きめの「竹ほうき」や毛先の柔らかい長柄のブラシを使い、安土の裾の方から頂点に向かって、下から上へと土を優しく撫で上げるように掃いていきます。この「下から上へ、優しく何度も撫で上げる」動きこそが最大のポイント。力を入れずに穂先の弾力を活かしてサーッ、サーッと掃いてあげることで、土が綺麗に締まり、均一で美しい55度の斜面が自然に出来上がりますよ。

特に、一的や二的の周辺など、普段から矢が集中して当たってベコッと深く凹みやすい箇所は、ほうきをかける前に念入りにチェックしてあげてください。凹みが深くてほうきだけでは均しきれない場合は、あらかじめ安土の下の溝(安土敷)に溜まっている綺麗な土をスコップで少しすくい上げ、穴を埋めるように補充してからほうきで撫で上げてあげると、どこを狙っても均一な素晴らしい仕上がりになります。

ここで絶対にやってはいけない注意点が、ほうきを「横方向に力任せにゴシゴシと掃いてしまうこと」です。これをやると、せっかく作り上げた斜面の土を自分から削り落としてしまうことになり、余計に形が崩れてもろくなってしまいます。あくまでも縦のラインを意識して、優しく優しく撫でるように行うのが理想的なやり方ですね。

さらに、安土の斜面が綺麗になったら、的の下の床部分(安土敷)に落ちている余分な砂利やゴミもほうきできれいに掃き集めて片付けましょう。ここが整っていると、見た目の清潔感が格段にアップして道場全体がキリッと引き締まった印象になりますし、矢を外して下に落ちてしまったときにも、矢が床の硬いゴミで傷つくのを防ぐことができます。神聖な道場を美しく保つためにも、最後の仕上げまで丁寧にほうきをかけてあげてくださいね。

安土がボロボロと崩れてきたらどうする?

毎日熱心に練習を重ねていると、どんなに気をつけて手入れをしていても、ある日突然「安土の一部がドサッと崩れてきちゃった…」という事態に直面することがあります。もし斜面が崩れているのを見つけたら、「まあ、これくらいなら大丈夫かな」と放っておかずに、できるだけその日のうちに速やかに部分補修(パッチワーク的な修復)をしてあげるのが大原則ですよ。なぜなら、崩れた歪な斜面のままで練習を続けると、矢が変な角度で安土に突っ込んでしまって跳ね返りやすくなりますし、的を真っ直ぐ水平につけることができなくなって、みんなの狙いが狂ってしまうなど悪いことばかりが起きてしまうからなんです。

まずは、崩れてしまった範囲が「表面だけ」なのか、それとも「奥深くのベースから崩れている」のか、その程度を落ち着いて確認してみましょう。幸いにも的の周りの表層だけがボロッと削れて落ちているくらいであれば、そこまで時間はかかりませんよ。まずは崩れて落ちた土をスコップで集め、水分が抜けて固まってしまっている土の塊があれば、スコップの角を使って細かくトントンと叩いてサラサラの砂状に崩してあげてください。そこに少量の水を加えてしっとりと混ぜ合わせ、足りない分の砂やおがくずを少し補充してあげます。そのあと、崩れたクレーター部分に土を優しく盛り戻し、専用の木板やコテを使って、安土の全体のラインとなめらかに繋がるように、約55度の傾斜を意識しながらペタペタと叩いて押し固めていきましょう。最後に周囲と馴染ませるようにほうきをかければ、ものの10分ほどで見違えるように綺麗な元通りの壁が復活しますよ。

しかし、もし崩れが安土の深部(土台のほう)まで及んでいたり、斜面全体がズブズブと地滑りのように大きく下がってしまっている場合には、ちょっと本格的な手術が必要になります。この場合は、崩れた部分の周囲を一度思い切ってスコップで広めに掘り下げて、内部の傷んだ土を一度全部取り出しましょう。その土をふるいにかけて不要なゴミを綺麗に取り除いたあと、新しく用意した川砂やおがくずをしっかりと混ぜ込み、土の「粘りと柔らかさ」をもう一度再生させてあげる必要があります。そうして新しく生まれ変わった土を、下から一段ずつ基礎を作るようにしっかりと押し固めながら、階段を積むようにして新しく土を盛り直していくステップを踏むのが、結局いちばん長持ちする確実な直し方になりますね。

安土が大きく崩れてしまう一番の原因は、毎日の「水分不足による砂の乾燥」や、「的をつけるときに無理に土をえぐってしまうこと」にあるケースがほとんど。日頃から安土の斜面の表情をよく観察しておいて、「あれ、ここの的の周り、ちょっとヒビが入って浮きそうかも」と、小さな変化の段階で早めに気づいて少量の土を補充してあげられるようになると、大きな崩落を未然に防ぐことができて、結果的に大がかりな修理の手間を減らすことができます。

繰り返しになりますが、安土の崩れは放置しておくと矢が当たるたびにどんどん傷口が広がって悪化していく一方です。修復作業は少し腰が重いかもしれませんが、みんなの大切なジュラルミン矢やカーボン矢の安全を守るため、そして道場全体の美しい品格を保つためにも、見つけたらすぐに声を掛け合って、早め早めに対処してあげるのが一番効果的で賢い選択ですよ。

水をかけずに乾燥させるとどうなるのか

「安土の水やりって重労働だし、ちょっとくらいサボっても平気じゃない?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、もし安土に全く水をかけずにカラカラに乾燥させて放置してしまうと、道場全体に想像以上の大ダメージと恐ろしいリスクが次々と発生してしまうんです。これは弓道の安全管理としてはもちろん、練習の効率を上げるためにも絶対に避けてほしい最重要の注意ポイントなんですよ。

まず、水分がすっかり失われて砂漠のように乾燥した安土は、見た目が白っぽくカサカサになり、表面に無数の細かいひび割れが走り始めます。この状態になると、飛んできた矢が安土に突っ込んだ瞬間、土が硬く締まりすぎていて強烈なブレーキ(摩擦抵抗)がかかってしまうんですね。本来ならフカフカの土が優しく矢を受け止めるはずが、まるでコンクリートの壁に矢をぶつけているような状態になってしまうため、矢が奥まで綺麗に刺さらずに「カーン!」と大きな音を立てて手前に跳ね返ってしまいます。これによって、高価なジュラルミン矢のシャフトが簡単に「くの字」に曲がって使えなくなったり、最新のカーボン矢の先端に目に見えないヒビが入って発射時に破裂する危険な状態になったりして、部員のみんなの道具が次々とボロボロに壊れてしまうという悲しい事態を招いてしまいます。

さらに、乾燥してサラサラになった土は、いくら練習後にほうきやコテを使って形を整えようとしても、粒子同士が全くまとまってくれないため、砂の城のようにサラサラと崩れ落ちてしまいます。せっかく時間をかけて55度の綺麗な斜面を作っても、次の人が矢を数本引いただけで、その振動で斜面全体がずるずると地滑りを起こしてしまい、せっかくの整備の苦労が全て水の泡になってしまうんですね。修復の手間と時間が増えるだけで、本当に良いことが一つもありません。

また、見落としがちなのが「道場内の衛生環境の悪化」です。乾燥した安土のままで矢を放つと、矢が刺さるたびに細かな砂埃やおがくずの粉塵がフワッと周囲の空気に大量に舞い上がってしまいます。これが的前にこもってしまうと、矢を拾いに行くたびに激しく咳き込んでしまったり、目が痛くなったりしますし、風に乗って射手側の射場(しゃじょう)にまで埃が飛んでいくと、大切な弓や衣服が白く汚れてしまう原因にもなります。何より、神聖で清らかな空気であるべき弓道場が、埃っぽい不快な空間になってしまうのは悲しいですよね。

こういった数々の最悪なリスクを未然に回避するためには、地味に思えても「こまめに適切な水を与えて、土のしっとりとした柔らかさを常に保ち続けること」が、道場管理の何よりの基本であり大原則になります。特に気温が高くて一瞬で水分が蒸発してしまう夏場や、風通しが良すぎる屋外の弓道場では、日々の水やりを部員みんなの義務として習慣化しておくのが一番ですよ。毎日少しずつ水を含ませておけば、一回の作業時間はほんの数分で済みますし、安土全体の寿命を何倍にも延ばして、みんなの大切な道具と安全な射場を守り抜くことができる、いちばん費用対効果の高い素晴らしい対策なんです。

安土整備のやり方と的の整え方

弓道の的の設置と安土のメンテナンス

  • 的(まと)の正しいつけ方と高さの精密な調整方法
  • どれくらいのペースで行う?安土整備の頻度とベストなタイミング
  • 毎日の終わりにサクッとできる!簡易的に整える手順とは?
  • 土の入れ替えから行う本格的な整備の4ステップ
  • 安土整備に絶対必要な専門道具とその正しい選び方
  • 怪我を防いで安全に!自分で整備する際の重大な注意点

的のつけ方と高さの調整

安土がどれほど綺麗に整っていても、そこにセットする「的のつけ方」や「高さの調整」がデタラメだったら、せっかくの素晴らしい練習環境も台無しになってしまいますよね。的が斜めに傾いていたり、的ごとに高さがバラバラだったりすると、射手が狙いを定めるときに無意識に視線を狂わせてしまい、本来の正しい射形(フォーム)を崩してしまう原因になります。また、傾いた的は矢が当たったときに衝撃をうまく逃がせず、矢の跳ね返りや的自体の破損を招くこともあるので、毎回の的設置には高い丁寧さが求められますよ。

まず、的を安土に取り付ける前の下準備として、的をグサッと差し込む予定の位置の土台をしっかりコテなどで平らに均しておきましょう。的の後ろ側になる安土の斜面がベコッと凹んで波打ったままだと、的串(まとぐし)をいくら真っ直ぐ刺したつもりでも、土の歪みに引っ張られて的が上を向いたり下を向いたりして傾いて固定されてしまうからなんです。少し面倒に思えても、一度的の周りの土を平らに盛り直して優しく叩き、綺麗な壁を作ってから設置の作業に移るのが、結果的に一番きれいに仕上がる近道ですよ。

次に、いちばん重要な高さの調整ですが、弓道の正式なルールでは「的の中心(正中)が、射手が立つ射位(しゃい)の床の高さから、ちょうど27cm(霞的・星的の規定)の位置に来るように設置する」という基本の決まりがあります。練習のときには、道場に用意されている「的定規(まとじょうぎ)」と呼ばれる木製や金属製のL字型の専用の物差しを使って、安土の麓の基準線から的の中心までの高さを測り、すべての的が寸分の狂いもなく水平に一列に揃うように慎重に調整していきましょう。もし道場に的定規がない場合でも、隣の的と目視でしっかりと見比べて、全体の高さのラインがピシッと一直線に並ぶように意識するだけで、引いているときの視界のノイズが消えて、練習の質がグッと高くなりますよ。

また、的を安土に固定するときは、ただ串を地面に刺すだけでは不十分。矢が時速150km以上の猛スピードで突っ込んでくるわけですから、その衝撃で的がグラグラ動かないように、安土の斜面に対して「わずかに的を押し込むように斜め後ろに力をかけながら」、しっかりと的の枠が土に半分くらい埋まるまで深くセットしてあげるのがコツです。セットし終わったら、的の上の縁を指で軽くトントンと押してみて、一切揺れがないかを確認する習慣をつけると安心ですね。的の角度は、射手側から見て「的の面がほんの少しだけ下(射手側)を向くように、安土の55度の傾斜に綺麗に沿わせる」のが、矢が当たったときに一番美しくパンッと良い音を鳴らして、安全に矢を受け止めてくれるベストな角度になりますよ。

ピシッと真っ直ぐ、すべての的が美しく一列に並んだ的前の光景は、射場に立つすべての弓道家の集中力を極限まで高めてくれる素晴らしい効果があります。傾きのない綺麗な的へ向かって引き絞る会(かい)の時間は、無駄な迷いが消えて本来の自分の射に集中できますからね。的の設置は単なる練習前の雑用や準備作業ではなく、弓道の素晴らしい礼の心と基本を体現する大切なステップですので、ぜひ妥協せずに美しく整えてみてくださいね。

安土整備の頻度とタイミング

弓道場をいつでも最高の状態に保つためには、「安土整備をどれくらいのペース(頻度)で、どのタイミングで行うべきか」という計画性を持つことがとっても大切になります。安土の手入れには、毎日の練習の終わりにサクッと行う『日常の簡易整備』と、数ヶ月から一年に一度みんなで総出で行う『本格的な大整備』の2つのサイクルを上手に組み合わせるのが、一番賢くて弓道場を長持ちさせる秘訣なんですよ。

まず、毎日の『日常の簡易整備』を行うベストなタイミングは、言うまでもなく「その日の全体の練習が全て終わったあとの片付けの時間」です。特に学校の部活動や地域のサークルなどで、その日最後の時間帯に道場を利用したメンバーが責任を持って行うのが理想的ですね。たくさんの矢が引き込まれてハチの巣のようになってしまった的の周りの凸凹を均し、次の日のために軽く水を撒いてほうきをかける。この毎日のひと手間をおよそ10〜15分くらいかけて全員で分担してあげるだけで、土の中に適切な水分が閉じ込められて、安土の持ちが格段に良くなります。これを毎日コツコツ続けておけば、土がガチガチに固まるのを防げるので、結果的に大がかりで重労働な本格整備の頻度を劇的に減らすことができて、自分たちの毎日の負担を減らすことにも繋がりますよ。

一方、土を一度全部崩してブレンドし直す『本格的な大整備』は、「半年に一回、あるいは少なくとも一年に一度」のタイミングで行うのが一般的です。おすすめの時期としては、新入部員がたくさん入ってくる前の春先(3月〜4月頃)や、大きな夏の大会や合宿が終わって一息ついた秋口(9月〜10月頃)など、気候が穏やかで作業がしやすいシーズンを狙うのがベストかなと思います。真夏の炎天下や真冬の凍えるような寒さの中で行うと、作業するみんなの体力が削られて熱中症などのリスクが高まりますし、土が乾燥しすぎたり凍ったりして成形が上手くいかなくなってしまうこともあるので、無理のないスケジュールを事前にみんなで話し合って決めておくのが成功への第一歩ですね。

また、定期的なスケジュール以外にも、「最近どうも水を撒いてもすぐに表面が白く乾燥して、おがくずのフカフカ感がなくなってきたな」「矢が当たったときに刺さらずに手前に跳ね返る回数が明らかに増えてきたな」と感じたら、それは安土が限界を迎えて本格整備を求めている大切なサイン。まだ予定の月になっていなくても、みんなの安全のために「今週末に少し時間をとって、みんなで安土を盛り直そうか」と、臨機応変にタイミングを早めてあげる柔軟性も、指導者や主将の立場としてはすごく素敵な配慮かなと思いますよ。

簡易的に整える手順とは?

毎日の練習のあとに、大がかりな道具を使わずにメンバー全員でサクッと10分ほどでできる「簡易的な安土の手入れの手順」を優しくご紹介しますね。特別な力も難しい技術もいらない内容なので、その日道場を使ったみんなで手際よく分担して、毎日の終わりのハッピーな習慣にしてもらえると嬉しいです!

まずステップ1は、「的の撤去と大きな凹みの補修」です。その日使った霞的や星的を安土から優しく抜き取ったら、的の周辺に集中してできてしまった深いクレーターのような穴をチェックしましょう。そのままほうきをかけても穴は埋まらないので、まずは安土の下の溝(安土敷)に落ちている綺麗な砂をスコップで少しすくい上げ、凹んでいる部分にポンポンと直接補充してあげてください。そのあと、移植ゴテやコテの裏を使って、補充した土を周囲の斜面となじませるように軽くペタペタと押さえてあげればOK。これで的の位置が毎日ズレたり傾いたりするのを完璧に防ぐことができますよ。

次にステップ2は、「じょうろやシャワーでの水の補給」です。穴が埋まったら、ホースの細かなシャワーノズルやじょうろを使って、安土の表面全体がしっとりと濃い色に変わるまでまんべんなくお水をかけてあげましょう。このときのポイントは、決して泥水が流れ落ちるほど大量にかけないこと!土が「明日まで適度な潤いをキープできるくらい」の、しっとりとした優しい湿り気を目指して全体に均一に撒いてあげてくださいね。

最後のステップ3は、「ほうきでの撫で上げ仕上げ」です。水が土にじんわりと染み込んだら、大きめの竹ほうきを手に取り、安土の裾の方からてっぺんに向かって、下から上へと優しく撫で上げるように丁寧に掃いていきましょう。重力で下に落ちようとする砂やおがくずを、ほうきの穂先で優しく元の55度の斜面へと戻してあげるイメージですね。横に掃くのではなく、必ず縦のラインを意識してサーッ、サーッと撫で上げてあげると、見ための美しさが見違えるように整い、次の日の朝に最初の一射を引く人が「うわぁ、今日も綺麗な安土で気持ちよく引けるな!」と感動するような、最高の状態を作ることができますよ。全員でやれば一瞬で終わる作業ですので、ぜひみんなで声を掛け合って楽しんでやってみてくださいね。

本格的な整備のステップ

安土の斜面が全体的にボコボコになってしまったり、水をいくら撒いてもすぐにカサカサに乾燥して矢が跳ね返るようになってしまったら、いよいよ半年に一度の「本格的な安土整備(盛り直し)」の出番です!この作業は少し手間と時間がかかりますが、道場全体の安全性と矢の寿命を確保するために避けては通れない、とってもやりがいの高くて楽しい大仕事なんですよ。計画的に進めていけるように、基本のステップを分かりやすく4つの段階に分けて解説しますね。

【ステップ1:崩しと土の回収】
まずは、今ある安土の表面の古い壁を、スコップを使って20〜30cmほどの深さまで思い切ってザクザクと削り落とし、下の溝へとすべて崩し落としていきましょう。長年の練習でカチカチに固まってしまった部分を一度完全にリセットしてあげるわけですね。崩し落とした土は、そのまま盛り直すのではなく、大きな網目の「ふるい」を使って丁寧にゴミ取りを行っていきます。土の中に埋もれていた小石やゴミ、折れてしまった筈のプラスチック片などをここで一網打尽にして取り除くことで、新しい安土の安全性がグッと高まりますよ。

【ステップ2:新しい素材の配合と土の再生】
ゴミを取り除いて綺麗になった土に、新しい「川砂」と、フカフカ感を出すための「おがくず」をたっぷりと追加して、土のクオリティを新築同様に蘇らせてあげましょう。特におがくずは、矢の衝撃を優しく吸収してシャフトが傷つくのを防ぐための超重要素材です。配合の目安は、川砂10に対しておがくずを2〜3の割合で混ぜ合わせるのが一般的ですよ。スコップを使って、全体の色が均一になっておがくずがダマにならずに綺麗に混ざるまで、みんなで「それ!」と声を掛け合いながらクワやスコップでしっかりと耕すように混ぜ合わせていきましょう。

【ステップ3:土台からの積み上げと成形】
さあ、いよいよ一番職人技が光る盛り直しの工程です!ブレンドが終わってしっとりした土を、安土の下段の方から順番に、基礎を固めるようにスコップで盛っていきます。一段盛るたびに、取っ手のついた専用の木板(砂上げ板)を使って、下から上へと土を「はたき上げる」ようにペタペタ、トントンと叩いてしっかりと空気を入らしながら押し固めていきましょう。一気に土を盛ると中がスカスカになって後から大崩落するので、焦らず少しずつ壁を高くしていくのがコツです。安土の両端に55度の目安となるガイドの糸を水平にピシッと張っておくと、誰が作業しても迷わずにプロのような美しい角度の斜面を作り上げることができますよ。

【ステップ4:仕上げの水やりと寝かせ】
安土が上まで綺麗に55度の山型に積み上がったら、最後に表面を木板や目の細かいほうきで滑らかにストレートに均してあげましょう。仕上げとして、ホースの細かなシャワーを使って、新しく生まれ変わった安土全体にじんわりとお水を染み込ませてあげます。ここで嬉しいポイントは、完成したからといって「すぐに的をセットして矢を引かないこと」!丸一日から一晩程度、的をつけずにそのままそっと置いて「寝かせて」あげることで、土の粒子とおがくずが水分の力でギュッと強固に結びつき、何ヶ月引いても簡単には崩れない、最高にタフで美しい自慢の安土が完成しますよ。みんなで汗を流して作り上げた新しい安土の姿は、見ているだけでも本当に誇らしくて気持ちが良いものです!

整備に使う道具とその選び方

安土の整備をクオリティ高く、そして何より自分たちの身体の負担を減らしてスピーディーに進めるためには、作業内容にぴったり合った「正しい道具選び」が絶対にかかせません。適当な園芸用の余り物で行うよりも、プロや多くの道場で使われている定番の用具をしっかり揃えてあげることで、仕上がりの綺麗さも作業効率も天と地ほど変わってきますよ。ここでは、安土整備の三種の神器とも言える代表的な道具と、失敗しない選び方のコツをご紹介しますね。

まず、作業の主役となる「スコップ(シャベル)」です。土を深く掘り返したり、麓から上へと何度も土を運ぶため、とにかく『軽くて頑丈なもの』を選ぶのが一番疲れないポイント。スチール製の重いものだと、数分使っただけで腰や腕がパンパンになってしまうので、軽くてタフなアルミ製や、強化プラスチック製の剣先スコップが私としてもめちゃくちゃおすすめ。また、安土の表層の細かな穴埋めや的の周りの微調整をするときには、手のひらサイズの園芸用「移植ゴテ」もセットで用意しておくと、かゆいところに手が届くように繊細な作業ができて重宝しますよ。

次にゴミ取りに絶対必要なのが「ふるい(通し網)」です。削り落とした砂から小石や筈の破片を仕分けるための道具ですね。このふるいの網目が細かすぎると、砂がなかなか下に落ちずに作業がちっとも進まなくてみんなのイライラが溜まってしまいますし、逆に網目が大きすぎると重要な石がすり抜けてしまいます。一番使い勝手が良いのは、網目がおよそ4〜5mm程度の『中目(ちゅうめ)』と呼ばれるサイズ。丸型のものより、左右に2人で持ってガシガシ揺らせる四角い大きな木枠の持ち手付きふるいがあると、チームワークで一気に大量の土を処理できるのでとても効率的ですよ。

そして、斜面の成形に絶対外せないのが、映画の左官職人さんが使うような「コテ」や、取っ手のついた専用の「木板(砂上げ板・たたき板)」です。特に、土を下から上へと叩きながら押し固めていく『はたき上げ』の作業では、この木板のサイズ感が命。手のひらより二回りほど大きい、厚みがあってしっかりとした持ち手付きの木板を選んであげると、一度のストロークで広い面積の斜面を均等な力でペタペタと叩き固めることができるので、波打たない真っ直ぐな55度の美壁を作ることができますよ。

仕上げと水やりに使う「ほうき」や「散水ホース」も、ノズルひとつで仕上がりが変わります。ほうきは毛先が硬すぎるプラスチック製のものだと、せっかく固めた土の表面をガリガリと削り落としてしまうので、天然のしなやかな「竹ほうき」や、毛先が程よく柔らかい屋外用の万能ほうきを選ぶのがベスト。水やりのホースは、手元のレバーで「ストレート」「霧」「シャワー」がワンタッチで切り替えられるマルチスプレーノズル付きが絶対に便利。細かな優しいシャワーで優しく染み込ませることで、土が流れるのを防いで、安土の全体を均一に美しく落ち着かせることができますよ。

このように、用途に合わせた正しい道具をあらかじめ道場の備品としてしっかりと揃えて点検しておくことで、年に数回の大整備の時間が、ただの大変な労働ではなく、みんなでワイワイ楽しめる素敵なイベントに変わります。最新の道場備品の価格や詳細については、専門店や有名な弓具店の公式サイトなどでも色々なお役立ちツールが紹介されているので、ぜひ参考にしながら使いやすいものを揃えてみてくださいね。

自分で整備する際の注意点

自分たちの手で愛する弓道場の安土を整備する時間は、道具への感謝の気持ちが育つとっても素敵なひとときですが、作業を安全に、そして失敗なく終わらせるためには、いくつか絶対に意識しておいてほしい重大な注意ポイントがあるんです。ここをしっかり守っていただければ、まだ整備の経験が浅い初心者のメンバーばかりであっても、ケガなく100点満点の綺麗な安土を完成させることができますよ。

まず、何よりも最優先してほしい注意点は、「決して一人で無理をしないこと」です。安土の整備は、水分を含んだ重い土をスコップで何度もすくい上げたり、重い木板を振って壁を叩いたりと、全身の筋力をフルに使うかなりの重労働。特に風通しが悪い真夏の的前や、雨が降った直後の蒸し暑い環境などで行うと、自覚がないうちに一気に体力が奪われて熱中症や脱水症状になってしまうトラブルが本当に起きやすいんです。ですので、一度に全ての的の安土を完璧に直そうとせず、今日は一的から三的まで、明日は残りの的、という風に数日に分けて計画的に進めたり、できるだけたくさんの人数を集めて、こまめにジュース休憩や水分補給を挟みながら、チームワークで楽しく作業を分担し合うようにしてくださいね。

次に技術面での重大な注意ポイントは、しつこいようですが「土に含ませる水分量の徹底管理」です。安土の土がサラサラに乾燥しすぎていると、いくら木板で叩いても砂の城のようにボロボロと崩れて成形できませんし、逆に早く固めたいからと一度に大量に水を入れすぎてしまうと、今度は土がドロドロの泥のぬかるみ状態になってしまい、コテを当ててもベタベタとくっついてきて全く美しい斜面が作れなくなってしまいます。作業中は常に土を手のひらでギュッと軽く握ってみて、「おにぎりのように形が崩れず、かつ手がドロドロに汚れない」くらいの絶妙なしっとり感をキープしながら、ジョウロで少しずつ少しずつ水分を足していくのが、失敗しないためのプロのコツですよ。特に、盛り直しが全て終わった直後の仕上げの水やりは、せっかくの綺麗な斜面を水圧でえぐってしまわないように、めちゃくちゃ慎重に細かなシャワーで優しくかけてあげてくださいね。

また、作業を始める前に、今の安土の状態をみんなでじっくりと観察して、作戦会議を開くことも大切です。「いつもどの辺りの的の土が一番早く崩れているか」「どこの高さが一番凹みが深いか」を事前にチェックしておくことで、ただ闇雲に全ての土を掘り返すのではなく、「今日は三的の周りの水分が抜けてるから、ここを重点的に崩して改良しよう」といった、無駄のないスマートで効率の良いアプローチができるようになります。時間と体力のセーブにも直結しますからね。

さらに、土を盛り終わったあとの「表面の均し(ならし)作業」は、絶対に妥協せずに最後まで丁寧に行ってあげてください。もし斜面に大きなデコボコや、叩き残した柔らかい部分があるままで終わらせてしまうと、次の日の練習で矢が当たったときに、その凹凸のせいで矢が変な方向に弾かれて跳ね返ってしまったり、的串がグラグラして的の高さが揃わなくなってしまったりします。竹ほうきやコテを使って、まるで一枚のまっすぐな鏡の板を作るような気持ちで、表面をツルツルに美しく整えてあげることで、見ための美しさはもちろん、射場全体の安全性も何倍にも跳ね上がりますよ。

最後になりますが、自分自身の「安全対策・服装」も絶対に忘れてはいけませんよ!重量のあるスコップや角の硬い砂上げ板を振り回して作業するわけですから、周囲で一緒に作業している人としっかり声を掛け合って、お互いの距離が近すぎて道具がぶつからないように常に注意してください。また、土の中に潜んでいるかもしれない過去の矢の筈の破片や、荒い砂利で手を切ってしまわないように、必ず厚手の軍手や作業用手袋を着用し、長袖・長ズボン、汚れても良い運動靴(または長靴)を着用して、ケガの防止に努めましょう。特に経験の浅い初心者の学生さんたちが作業を行う場合には、怪我をしたり腰を痛めたりしないように、必ず弓道経験の豊富な指導者の先生や、整備に慣れている頼れる先輩のサポートとアドバイスを受けながら、安全第一で和気あいあいと進めていってくださいね。

安土整備のやり方の基本ポイントまとめ

  • 本格的な安土整備は、「削る→ふるう→混ぜる→成形→仕上げ」の5つのステップが基本の正しい工程です
  • 長年の矢の衝撃で硬く固まった表面の土は、一度スコップで30cmほど大胆に削り落としてリセットします
  • 削り出した土はふるいにかけ、矢を傷つける原因になる小石や折れた筈などのゴミを完璧に除去します
  • 土に適度な粘りとクッション性を戻すため、綺麗な川砂と新しいおがくずをしっかりと混ぜ込みます
  • おがくずをブレンドするときの配合比率は、川砂10に対しておがくず2〜3の割合が一番扱いやすくて目安になります
  • 矢が直角に綺麗に刺さり、抜くときにも一番矢を痛めない安土の理想的な斜面の角度は「約55度」です
  • 作業中は土がサラサラに乾燥しないように、霧吹き等で適度なしっとり水分を常に保ちながら成形します
  • 水やりは一度にドバドバかけず、細かなシャワーで少量を数回に分けて、中までじんわり染み込ませるのがコツです
  • 水のやりすぎは表面の泥流れやドロドロのぬかるみを招き、逆に乾燥は矢の危険な跳ね返りやシャフト破損を招きます
  • 日常の仕上げは、しなやかな竹ほうきを使い、安土の斜面の下から上へ向かって優しく何度も撫で上げるように掃きます
  • 的を設置する前には、後ろの土台をコテで平らに均し、的定規を使って全ての的の高さと角度を精密に揃えます
  • 安土に小さなヒビや部分的な崩れを見つけたら、傷口が広がる前にその日のうちに早めに部分補修することが重要です
  • 整備を快適に行うために、軽量なアルミスコップ、中目のふるい、はたき用の木板、スプレーホースを用意します
  • 自分で大整備を行う際は、決して一人で無理をせず、たくさんの人数で役割を分担して休憩を挟みながら行います
  • 毎日の練習後の10分の簡易整備を全員で習慣化し、年に1〜2回の本格的な大盛り直しと上手に組み合わせましょう

関連記事:弓道の安土の基礎知識と整備方法を徹底解説

みんなで汗を流してピシッと真っ直ぐに整えた美しい安土と的の並びは、道場全体の品格を上げて、毎日の練習を何倍も気持ちよく、引き締まったものにしてくれますよ。怪我に気をつけて、楽しみながら自慢の道場を守っていってくださいね!

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