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弓道において「引き分け」は、射の安定性を左右する重要な動作の一つである。しかし、弓道を学び始めたばかりの人や、引き分けに違和感を感じている人の中には、「弓道 引き分け コツ」を知りたいと考えている人も多いだろう。本記事では、正しい射形の基本を押さえながら、弓手・馬手の軌道を意識することの重要性や、押して開く動作を用いた正しい引き分けの方法について詳しく解説する。
引き分けをスムーズに行うためには、まずイメージを明確にすることが必要だ。単に弦を引くのではなく、体全体を使って「押しながら開く」意識を持つことで、より自然な引き分けが可能になる。また、楽に引くためには、力みをなくし、胸を開くことでスムーズに弓を引く感覚を身につけることが重要である。特に、肩甲骨の動きを意識することで、腕や肩に余計な負担をかけずに、無駄な力を抜いた引き分けを実践できるようになる。
一方で、正しい引き分けがわからないと感じた場合は、弓手・馬手の軌道や力のかけ方を見直すことが大切である。具体的な説明や注意点を踏まえ、正しい軌道を意識することで、安定した引き分けを習得することができるだろう。本記事では、引き分け時の弓手・馬手の役割をはじめ、押して開く動作のポイント、引き分けの際の注意点などを詳しく解説する。
「弓道 引き分け コツ」を知りたい人にとって、本記事が正しい動作の習得に役立つ内容となるよう、実践的なポイントを整理して紹介していく。より精度の高い射を目指し、安定した引き分けを身につけるための参考にしてほしい。
記事のポイント
- 弓手・馬手の軌道を意識した正しい引き分けの方法を理解できる
- 力みをなくし、楽に引き分けるためのポイントを学べる
- 押して開く動作を用いた引き分けの実践方法がわかる
- 安定した引き分けを習得するための具体的な注意点を把握できる
弓道の引き分けのコツと正しい射形の基本
- 弓手・馬手の軌道を意識する
- 引き分けのイメージを明確にする
- 正しい引き分けがわからない時の対処法
- 楽に引き分けるためのポイント
- 胸を開くことでスムーズに引く
- 肩甲骨の動きが引き分けの鍵
弓手・馬手の軌道を意識する
弓道において、正しい引き分けを身につけるためには、弓手(左手)と馬手(右手)の軌道を意識することが重要です。弓手と馬手の動きが適切でなければ、弓の力を十分に活かせず、矢勢や的中率に大きな影響を与えてしまいます。このため、適切な軌道を理解し、体の使い方を整えることが求められます。
まず、弓手の軌道について考えます。弓手の役割は、弓をしっかりと押し開き、弦の反発力に対抗することです。引き分けの際、弓手は単に矢を引く動作に合わせるのではなく、的方向に押し続けることが求められます。弓手が適切に働かないと、弓の力が逃げてしまい、安定した射が難しくなります。具体的には、大三(引き分けの初動)では、弓手をやや斜め上方へ押し出し、そこから矢を水平に保ちつつ滑らかに押し開くのが理想的です。弓手の位置が下がりすぎたり、逆に過度に上がってしまったりすると、矢が上下にぶれやすくなります。
次に、馬手の軌道について見ていきます。馬手は弓を引く役割を担いますが、単純に後方へ引くだけではありません。重要なのは、肘を意識した軌道です。大三から引き分けに移行する際、馬手の肘をしっかりと後方へ引くことで、矢を最大限の矢束(引き尺)で引き切ることができます。よくある間違いとして、手首の力を使いすぎてしまい、矢を引くのではなく手首で弦を手繰るような動作になってしまうことが挙げられます。この場合、弓の力を十分に利用できず、離れの瞬間に矢勢が弱くなるだけでなく、的中率の低下にもつながります。正しい馬手の軌道は、肩甲骨を寄せるようにしながら、肘が後方に伸びるように引くことです。特に、引き分けの終盤では、馬手の肘が肩よりも後ろにしっかり入ることを意識すると、矢の勢いを最大限に引き出すことができます。
弓手と馬手の軌道は、それぞれ独立して動くのではなく、左右のバランスを取りながら同時に動くことが大切です。どちらか一方が先行してしまったり、逆に遅れたりすると、弓の力を均等に受け止めることができず、矢がぶれる原因になります。したがって、引き分けの際は、左右の動きを意識しながら、均等に弓を開くことを心がけましょう。
また、正しい軌道を身につけるためには、日々の練習の中で動画や鏡を使って自分の動作を確認することが有効です。感覚だけで動作を覚えようとすると、無意識のうちに誤った癖がついてしまう可能性があります。客観的に自分の動きを見直し、弓手と馬手の軌道を適切に調整することで、より安定した射を身につけることができるでしょう。
引き分けのイメージを明確にする
弓道の引き分けを正しく行うためには、具体的なイメージを持つことが重要です。引き分けの動作は、単に矢を後方に引くものではなく、弓を押し開くことで弦の反発力を活かすことが目的です。このイメージを明確に持つことで、より効率的に正しい動作を習得しやすくなります。
まず、引き分けの基本的なイメージとして「弓の間に体を割り入れる」という考え方があります。これは、引き分けを単なる腕の動きとして捉えるのではなく、体全体を使って弓を開くことを意識するためのものです。具体的には、弓手で的方向に押し続けると同時に、馬手の肘をしっかりと後方へ引き、胸を開いていくようにします。この際、肩甲骨を寄せる意識を持つと、よりスムーズな引き分けが可能になります。
また、正しい引き分けのイメージを持つためには、実際に体験することも大切です。例えば、何も持たずに両腕を左右に大きく開き、肩甲骨を寄せる感覚を掴む練習をしてみましょう。この動作を繰り返すことで、弓を持った状態でも自然と胸を開くことができるようになります。
一方で、引き分けの際に「引く」意識が強すぎると、腕の力だけで弓を操作しようとしてしまい、肩や手首に無駄な力が入ってしまうことがあります。これを防ぐためには、「押し開く」動作を強く意識し、体全体の動きとして引き分けを行うことが大切です。特に、弓手で的方向に押し続けることで、弓の力を十分に活かすことができます。
このように、引き分けのイメージを明確にすることで、スムーズな動作が可能になります。日々の稽古の中で、常にこのイメージを意識しながら練習を重ねることで、安定した射を身につけることができるでしょう。
正しい引き分けがわからない時の対処法
弓道の引き分けがうまくできないと感じる場合、まず原因を特定し、それに応じた改善策を実践することが重要です。引き分けは射の流れの中で重要な要素であり、ここでの動作が不安定だと、会や離れにも悪影響を及ぼします。適切な対処法を知り、正しい引き分けを身につけましょう。
まず、引き分けの軌道が安定しない場合は、鏡や動画を活用して、自分の動作を客観的に確認することが有効です。特に、弓手と馬手の動きがバラバラになっていないか、肩が詰まっていないかをチェックしましょう。多くの場合、片方の手が先に動きすぎていたり、肩に力が入りすぎていたりすることで、引き分けのバランスが崩れてしまいます。
次に、弓を引くときに手首や腕に力が入りすぎてしまう場合は、肩甲骨を意識することで改善できます。肩甲骨を寄せる動作を取り入れることで、自然と腕の緊張が解け、引き分けがスムーズになります。また、深呼吸をしながら引き分けることで、過度な力みを防ぐことができます。
さらに、正しい引き分けがわからない場合は、師範や経験者にアドバイスを求めることも大切です。自己流で練習を続けると、誤った動作が習慣化してしまう恐れがあります。できるだけ早い段階で指導を受け、修正することが望ましいでしょう。
このように、引き分けがうまくいかない原因を特定し、適切な対処法を実践することで、安定した射を身につけることができます。継続的に意識しながら練習を重ねることで、引き分けの精度を向上させましょう。
楽に引き分けるためのポイント
弓道の引き分けは、正しい射形を身につければ力を無理に使わずともスムーズに行うことができます。しかし、多くの人が「引き分けるのがつらい」「腕や肩が疲れてしまう」と感じることも少なくありません。これを改善するためには、力みに頼らず、体全体を使って楽に引くコツを理解することが大切です。
まず、弓を引く際に腕の筋肉だけを使ってしまうと、すぐに疲れてしまい、射が安定しません。楽に引き分けるためには、腕や手だけでなく、体幹や下半身も活用することが重要です。例えば、足踏みをしっかりと行い、重心を安定させることで、上半身が無駄な動きをせずに済みます。このように下半身の安定があると、引き分けの際に余分な力を使わずに済み、自然な動きで弓を開くことができます。
また、引き分ける際の呼吸もポイントになります。力んでしまう原因の一つに、呼吸が止まってしまうことがあります。適度に息を吸いながら打起こしを行い、引き分けに入る際には自然に吐きながら行うと、体がリラックスし、力みが減ります。無理に呼吸を意識しすぎると逆に不自然な動きになってしまうため、軽く吸って軽く吐く程度にすると良いでしょう。
さらに、引き分けの軌道を意識することも、楽に弓を引くための大切な要素です。弓手と馬手を均等に引き分けることを意識し、特に馬手の肘を後方へ引くようにすると、無駄な力を使わずに弓を押し開くことができます。逆に、手首を使って弦を引くような動きになってしまうと、指や手首に負担がかかり、スムーズに引けなくなります。肘を意識して引くことで、弓の力を最大限に活用でき、負担を軽減することができます。
このように、体全体を使い、呼吸を整え、正しい軌道で引き分けることで、無理な力を使わずに楽に引くことができます。日々の稽古の中で、力を抜きながら引くことを意識すると、次第にスムーズな引き分けが身についていくでしょう。
胸を開くことでスムーズに引く
弓道の引き分けをスムーズに行うためには、胸を開く動作が非常に重要です。胸を開くことで、体の動きが滑らかになり、弓の反発力をしっかり受け止めながら、左右均等に弓を押し開くことができるようになります。一方で、胸が閉じてしまうと、肩や腕に余計な力が入り、引き分けがぎこちなくなったり、矢勢が不安定になったりする原因になります。
まず、胸を開くためには、引き分けの初動である「大三」の動作を正しく行うことが大切です。大三では、単に矢を持ち上げるのではなく、肩甲骨を寄せるように意識しながら両腕を広げることがポイントです。このとき、背中の筋肉を使って胸を前方に押し出すような感覚を持つと、自然と胸が開き、引き分けにスムーズに移行できます。また、無理に肩を引こうとすると逆に力が入ってしまうため、リラックスした状態を維持することも意識しましょう。
次に、引き分けの途中でも胸を開く意識を持ち続けることが大切です。特に、弓手(左手)を的方向に押しながら、馬手(右手)の肘を後方に引く際に、胸が縮こまらないように注意しましょう。ここで、肩甲骨を寄せることを意識すると、胸を開いたままスムーズに引き分けることができます。もし、引き分けの際に胸が閉じてしまうと、肩が詰まって動きがぎこちなくなるため、適度に胸を開くことが重要です。
また、胸を開くことで、呼吸も安定しやすくなります。胸が閉じてしまうと、呼吸が浅くなりやすく、体の動きが固くなってしまいます。そこで、引き分けの際には深く息を吸いながら胸を開くことで、よりスムーズな動作が可能になります。特に、息を吸いながら肩をリラックスさせることで、余計な力を抜きながら自然に弓を押し開くことができます。
このように、引き分けの際に胸を開くことを意識することで、動作がスムーズになり、無駄な力みを防ぐことができます。大三の段階から胸を開く習慣を身につけ、日々の練習の中で意識的に取り組むことで、より安定した射を実現できるでしょう。
肩甲骨の動きが引き分けの鍵
弓道において、肩甲骨の動きは引き分けの精度を高めるための重要なポイントです。肩甲骨が適切に動くことで、腕や肩に無駄な力を入れることなく、スムーズに弓を開くことができます。逆に、肩甲骨の動きが悪いと、引き分けの途中で肩が詰まったり、矢の軌道が安定しなくなったりする原因になります。そのため、肩甲骨を意識した引き分けを身につけることが重要です。
まず、肩甲骨を正しく動かすためには、背中の筋肉を意識することが大切です。引き分けの際、腕の力だけで矢を引こうとすると、肩甲骨が十分に動かず、肩や手首に余計な負担がかかってしまいます。これを防ぐために、馬手(右手)の肘を後方に引く際に、肩甲骨を内側に寄せる意識を持ちましょう。この動作を行うことで、腕の力だけに頼らず、背中の筋肉を使った安定した引き分けが可能になります。
また、肩甲骨を動かしやすくするためには、普段からストレッチや軽い筋力トレーニングを行うことも有効です。特に、肩甲骨を寄せたり開いたりする動作を意識したストレッチを行うことで、肩周りの柔軟性が向上し、スムーズな引き分けを実現しやすくなります。
さらに、肩甲骨の動きを意識することで、引き分け時の姿勢も改善されます。肩甲骨がしっかり動くことで、胸が自然に開き、安定した射型を作ることができます。特に、肩を下げる意識を持ちながら肩甲骨を寄せることで、肩に無駄な力が入るのを防ぎ、滑らかな引き分けが可能になります。
このように、肩甲骨の動きは引き分けの安定性を高めるための鍵となります。普段の練習の中で肩甲骨の動きを意識し、スムーズな引き分けを身につけることが、より正確な射へとつながるでしょう。
弓道の引き分けのコツを押して開く動作で実践

公益財団法人 全日本弓道連盟
- 押して開く引き分けの正しい方法
- 引き分け時の弓手・馬手の役割
- 力みをなくし楽に引くコツ
- 具体的な引き分けの説明と注意点
- 正しい軌道で安定した引き分けを習得
押して開く引き分けの正しい方法
弓道における引き分けの動作は、「引く」のではなく「押して開く」ことが基本です。引き分けを単純に「弦を後方に引く」動作だと考えてしまうと、力みが生じやすくなり、弓の反発力をうまく活用できません。その結果、射形が崩れ、的中率の低下や疲労の原因となることがあります。正しい引き分けを行うためには、弓手と馬手の動きを意識しながら、弓を押して開く感覚を身につけることが大切です。
まず、押して開くための基本は「弓手を的方向に押し出す」ことです。弓手(左手)の動作は、単に弓を支えるのではなく、矢筋に沿って前方へ押し続けることが求められます。このとき、腕の力ではなく、肩甲骨の動きを意識すると、よりスムーズに弓を押すことができます。具体的には、肩甲骨を寄せるようにしながら、左拳を的に向かって押し続けると、余計な力を入れずに弓の反発力を利用できるようになります。
次に、馬手(右手)の動作にも注意が必要です。馬手は「引く」のではなく、「肘を後方に開く」イメージを持つことが重要です。右手首に力を入れて弦を引こうとすると、手首や肩に力が入りすぎてしまい、スムーズな引き分けができなくなります。そのため、右肘を肩のラインに沿って後ろへ引きながら、肩甲骨を寄せていくようにすると、自然に弓が押し開かれます。
また、押して開く引き分けを成功させるには、姿勢の安定も欠かせません。足踏みから胴造りまでの動作がしっかりと整っていないと、弓手や馬手の動きがブレてしまい、左右均等に弓を開くことが難しくなります。特に、下半身の安定を意識し、軸を崩さないことが重要です。足の親指の付け根(拇指球)でしっかりと地面を押さえ、骨盤をまっすぐに保つことで、上半身の力みを減らし、自然な引き分けができるようになります。
このように、引き分けは「弓を押して開く」ことを意識することで、スムーズで安定した動作につながります。弓手は的に向かって押し出し、馬手は肘を後方に開きながら引くことで、弓の反発力を最大限に活用できるようになります。正しい動作を習得することで、より精度の高い射が実現できるでしょう。
引き分け時の弓手・馬手の役割
引き分けの際、弓手(左手)と馬手(右手)はそれぞれ異なる役割を持っています。両方の動作が正しく行われることで、弓の反発力を活かし、安定した射を作ることができます。しかし、弓手と馬手のバランスが崩れると、引き分けがスムーズに行えず、矢の軌道が乱れる原因となります。そのため、それぞれの役割を正しく理解し、適切に動作を行うことが重要です。
まず、弓手の役割は「弓を的方向へ押す」ことです。弓手がしっかりと押せていないと、引き分けの途中で弓がブレたり、会での伸び合いが不十分になったりする可能性があります。押す際のポイントは、腕の力ではなく、肩甲骨を使って動作を行うことです。肩甲骨を寄せながら、左拳を的に向かって押し続けることで、余計な力みを防ぎながら安定した押しが可能になります。また、弓手の肘の位置にも注意が必要です。肘が内側に入りすぎると、弓の力を受け止めきれず、矢が左に逸れやすくなります。適度に外側へ開くようにし、弓を押し開く意識を持つことが大切です。
次に、馬手の役割は「弦を後方へ開く」ことです。ここで重要なのは、手首ではなく「肘で引く」意識を持つことです。手首に力を入れて弦を引こうとすると、右肩が詰まりやすくなり、引き分けの軌道が乱れてしまいます。そのため、右肘を後方へ開くようにしながら、肩甲骨を寄せていくことで、スムーズに弓を開くことができます。また、右手の握りも重要です。必要以上に強く握ってしまうと、指や手首に力が入りすぎてしまうため、小指と薬指を中心に軽く握るようにすると、余計な力みを防ぐことができます。
さらに、弓手と馬手のバランスが取れているかを確認する方法として、「左右均等に引き分ける」ことを意識すると良いでしょう。どちらか一方に力が偏ると、弓の軌道がブレたり、矢が真っ直ぐに飛ばなかったりすることがあります。そのため、弓手と馬手の力加減を均等に保ち、左右の動きがバランスよく連動するようにすることが大切です。
このように、弓手と馬手の役割を正しく理解し、それぞれの動作を適切に行うことで、安定した引き分けが可能になります。弓手は的方向に押し出し、馬手は肘を後方へ開くことで、弓の反発力を最大限に活かし、より正確な射を実現することができるでしょう。
力みをなくし楽に引くコツ
弓道の引き分けでは、力みをなくすことが非常に重要です。力みがあると、肩や腕に余計な負担がかかり、動作がぎこちなくなるだけでなく、矢の軌道が安定しなくなります。特に、初心者のうちは、強い弓に対抗しようとして無意識に力を入れすぎてしまうことが多いため、力を抜くためのコツを知っておくことが大切です。
まず、力みをなくすためには「呼吸を整える」ことが効果的です。引き分けの際に呼吸を止めてしまうと、体が緊張しやすくなり、力みの原因になります。そのため、軽く息を吸いながら打起こし、引き分けの途中で自然に息を吐くようにすると、身体の緊張を防ぎながらスムーズに動作を行うことができます。
次に、「肩の力を抜く」ことを意識しましょう。肩に力が入ると、引き分けの動作がスムーズに行えず、肩が詰まる原因になります。特に、馬手側の肩が上がりやすい傾向があるため、意識的に肩をリラックスさせることが重要です。そのためには、肩甲骨を寄せながら弓を引くことで、肩の負担を減らしながら安定した引き分けができるようになります。
さらに、「下半身の安定」も力みを防ぐポイントです。足踏みの段階でしっかりとした土台を作ることで、上半身の無駄な力を抜き、楽に引くことができます。足の親指の付け根(拇指球)に意識を置きながら体重を支えると、自然なバランスで引き分けを行うことができます。
このように、呼吸を整え、肩の力を抜き、下半身を安定させることで、力みをなくし、楽に引くことができるようになります。日々の練習で意識しながら取り組むことで、より自然で安定した射が身につくでしょう。
具体的な引き分けの説明と注意点
引き分けは弓道の中でも特に重要な動作のひとつであり、正しい方法で行わなければ射全体の安定を損なう原因になります。弓を引く際の力の配分や動作の流れを意識することで、スムーズで安定した引き分けを実現することができます。ここでは、具体的な引き分けの流れと注意すべきポイントを詳しく説明します。
まず、引き分けの動作は大きく分けて「上押し」「下押し」「開く」の三つの要素から成り立っています。打起こしから引き始める際には、弓手(左手)を的方向へ押し出しながら、馬手(右手)を後方へ引くのではなく「開く」意識を持つことが大切です。このとき、単に腕の力で引こうとすると力みが生じ、動作がぎこちなくなります。そのため、肩甲骨を使って弓手と馬手を均等に開くことを意識すると、力みを抑えつつ自然な引き分けが可能になります。
次に、引き分けの軌道についても注意が必要です。よくある間違いとして、馬手側が弦を真後ろに引きすぎることがあります。これは、肘をうまく使えていないことが原因です。正しい引き分けでは、馬手の肘が肩のラインに沿って後ろへと開くように動くため、弦を後方に引くのではなく「外側に開く」意識を持つと良いでしょう。このとき、肘を後ろに引く力と弓手の押す力が均等に保たれているかを意識すると、軌道が安定しやすくなります。
また、引き分け時には「肘の高さ」も重要なポイントです。肘が低すぎると、弓を十分に開けず、馬手側の肩が詰まる原因になります。反対に肘が高すぎると、力が肩に集中してしまい、引き分けの途中でバランスを崩しやすくなります。理想的な高さとしては、肘が肩と同じ高さ、またはそれよりわずかに高い位置にあることが望ましいです。
最後に、引き分けで特に気をつけたいのが「力の抜き方」です。多くの初心者が、弓を引く際に肩や腕に余計な力を入れすぎてしまいますが、これが力みの原因となります。特に、手首や指に力が入るとスムーズな動作が妨げられるため、指先は適度にリラックスさせ、肩甲骨の動きに集中することが大切です。弓の強さに頼らず、体全体を使って引く意識を持つことで、安定した引き分けを習得しやすくなります。
このように、引き分けは「弓手を押しながら馬手を開く」「肩甲骨を意識して動作する」「肘の高さを適切に保つ」「力みを抑える」といったポイントを意識することで、よりスムーズで安定した動作を実現できます。練習を重ねる中で、これらのポイントをしっかりと意識し、正しい引き分けを習得していきましょう。
正しい軌道で安定した引き分けを習得
弓道において、正しい引き分けの軌道を習得することは、射の安定性を高めるために欠かせません。引き分けの軌道が乱れると、矢の飛び方に影響を与えるだけでなく、会での安定感も損なわれてしまいます。ここでは、正しい軌道を習得するためのポイントについて詳しく解説します。
まず、正しい引き分けの軌道を理解するためには、「弓手と馬手の動きが鏡のように連動する」ことが重要です。引き分けの際、弓手は的に向かって押し出し、馬手は後方へ開く動作を行いますが、この動作が片方に偏るとバランスが崩れ、弓の軌道が歪んでしまいます。特に、弓手の押しが足りないと馬手側に負担がかかりすぎてしまい、無理に引っ張る形になってしまいます。逆に、馬手の開きが足りないと、矢が十分な伸びを持てず、狙いが安定しません。そのため、弓手と馬手を同時に動かすイメージを持ち、均等な力加減で引き分けを行うことが重要です。
次に、引き分けの軌道を安定させるためには、「肩甲骨の使い方」にも注目する必要があります。正しい引き分けでは、肩甲骨を左右に引き寄せるような動作が求められます。これにより、上半身の力みを防ぎ、スムーズに弓を開くことができます。肩甲骨が適切に動かせていないと、肩や腕に無駄な力が入り、軌道が乱れる原因となるため、練習時には肩甲骨の動きを意識することが大切です。
また、引き分けの軌道を習得するためには、「下半身の安定」も欠かせません。足踏みや胴造りが不十分だと、上半身の動きにブレが生じ、引き分けの途中で体勢が崩れてしまうことがあります。特に、腰が前後に動きすぎると、弓手と馬手のバランスが取りづらくなるため、骨盤をまっすぐに保ち、しっかりとした土台を作ることが大切です。足裏全体で地面を捉え、体幹を意識しながら引くことで、安定した軌道を保つことができます。
さらに、正しい軌道で引くためには、「肘の動き」にも注意しましょう。馬手の肘が内側に入りすぎると、矢の方向が乱れやすくなります。逆に、肘が外側に開きすぎると、引き分けの終盤で力が抜けてしまい、会での伸び合いが不足することがあります。理想的な軌道を維持するためには、肘を肩のラインに沿わせながら後方へ開くようにし、無理に引っ張らず、自然な動作を意識することが大切です。
このように、正しい引き分けの軌道を習得するためには、弓手と馬手のバランス、肩甲骨の使い方、下半身の安定、肘の動きといった複数の要素を意識する必要があります。これらを丁寧に練習し、体に染み込ませることで、より安定した射を実現することができるでしょう。
弓道の引き分けのコツを習得するためのポイント総括
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弓手と馬手の軌道を意識し、左右均等に引き分ける
弓手と馬手のバランスが崩れると矢勢が不安定になるため、両手を同時に動かす意識を持つことが重要 -
引き分けは「引く」ではなく「押して開く」意識を持つ
弦を後ろに引くのではなく、弓手で的方向に押しながら馬手を後方に開くことで、スムーズに弓を開くことができる -
正しい引き分けのイメージを持ち、動作を体に覚えさせる
何度も繰り返し練習しながら、肩や腕の力を抜いた状態で引き分ける感覚を体に染み込ませることが大切 -
肩甲骨を寄せることで、スムーズな引き分けが可能になる
肩甲骨をしっかり寄せながら引き分けることで、腕や肩の力を使わずにスムーズに弓を開くことができる -
力みをなくし、自然な呼吸で引き分けを行う
引き分けの際に呼吸を止めると力みが生じるため、息を吸いながら打起こし、吐きながら引き分けるとスムーズになる -
胸を開くことで、腕や肩に無駄な力が入るのを防ぐ
胸を閉じたまま引き分けると肩が詰まりやすくなるため、肩甲骨を寄せながら胸を開く意識を持つことが重要 -
弓手は的方向に押し続け、安定した射を作る
弓手の押しが不足すると、馬手の動きに影響を与え、矢の軌道が乱れるため、的方向にしっかり押し続けることが大切 -
馬手は肘を後方に開き、手首に余計な力を入れない
馬手の肘が内側に入りすぎたり、手首に力を入れすぎると、スムーズな引き分けができなくなるため注意が必要 -
肘の高さを適切に保ち、引き分けの軌道を安定させる
肘が低すぎると肩が詰まり、高すぎると力が分散してしまうため、肩と同じ高さか、わずかに高い位置に保つことが理想 -
足踏みと胴造りを整え、下半身の安定を意識する
上半身の動きを安定させるためには、足踏みをしっかり行い、骨盤の位置を正しく保つことが重要 -
引き分け時のバランスを崩さないよう、左右均等な動きを心がける
片方の手に力が偏ると弓の軌道が乱れるため、左右の力加減を均等に保つ意識を持つことが大切 -
弓の反発力を活かし、余計な力を使わずに引く
弓の力をうまく利用することで、腕や肩の力に頼らず、安定した引き分けを行うことができる -
肩を詰めないよう意識し、無理なく伸び合う射を作る
肩が詰まると動作がぎこちなくなり、矢勢が不安定になるため、肩の力を抜いて自然な伸び合いを意識する -
動画や鏡を活用し、自分の引き分けを客観的に確認する
自分では正しいと思っていても、実際には誤った動作になっていることがあるため、客観的な視点で確認することが重要 -
師範や経験者のアドバイスを受け、正しい動作を習得する
自己流で練習を続けると誤った癖がついてしまうため、早い段階で指導を受け、正しい動作を身につけることが望ましい
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