弓道のつのみの基本と正しい手の内の整え方

射技
弓道 つのみ

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弓道において「つのみ」は、安定した射を実現するための重要な要素の一つです。正しく利かせることで矢勢が向上し、弓返りがスムーズに行われ、より的中率の高い射を実現できます。しかし、誤った方法でつのみを意識すると、手の内が硬直し、弓の押しが不安定になってしまうこともあります。

本記事では、「弓道 つのみ」と検索している方に向けて、つのみの基本的な働きや正しい利かせ方、手の内の整え方を詳しく解説します。特に、つのみがかからない原因とその改善策、初心者が気をつけるべきポイントについても触れていきます。さらに、弓返りとの関係性や弓の押し方のコツ、虎口を使った適切な押し方についても解説し、つのみを活かす練習方法を具体的に紹介します。

つのみを正しく理解し、実践に生かすことで、より安定した射が可能になります。本記事を通じて、つのみの重要性を深く理解し、正しい技術を身につけていきましょう。

記事のポイント

  • つのみの基本的な役割と弓道における重要性
  • つのみを正しく利かせるための手の内の整え方
  • 弓返りとの関係や適切な弓の押し方
  • つのみを活かす具体的な練習方法と改善策

弓道のつのみの基本と重要な役割

全日本弓道連盟から引用

  • 働きとは?
  • きかせかたは?
  • つのみのきく手の内の整え方
  • かからない原因と改善策
  • 初心者が気をつける点

働きとは?

弓道において「つのみ」とは、弓手(左手)の親指の付け根を弓の内竹右角に当てる部分を指し、射の安定性や矢勢に大きな影響を与える要素です。つのみを正しく利かせることで、矢が真っ直ぐに飛び、的中率の向上につながります。しかし、誤った解釈をしてしまうと、逆に射形が崩れ、弓の押しが不安定になってしまうため、正しく理解することが重要です。

つのみの最も大きな働きは、弓の力を効率的に矢へと伝えることです。弓を引いた際、会(かい)に入ると弓の圧力が親指の付け根に集中します。この圧力をうまく受け止め、離れの瞬間に弓が自然に回転するように導くのがつのみの役割です。この働きにより、矢に力が均等に伝わり、ブレの少ない射が実現できます。

また、つのみが適切に作用すると、弓手の負担が軽減され、無駄な力みを防ぐことができます。親指の付け根に弓の圧力がかかると、手の内が締まり、安定した状態を保つことが可能になります。これは、長時間の稽古においても疲れにくく、持続的に安定した射を行う上で大きなメリットとなります。

一方で、つのみの働きを誤解し、親指の付け根で無理に押し込むようにすると、弓手が力みすぎてしまい、射のバランスが崩れます。特に、親指に力を入れすぎると、弓の回転がうまく行われず、弓返りが妨げられることもあります。そのため、つのみを適切に利かせるには、弓の圧力を自然に受け、力を抜いた状態で保持することが大切です。

このように、つのみは弓道において非常に重要な役割を果たします。正しく利かせることで、矢の飛びや的中率の向上、射形の安定に貢献するため、基本の段階から意識して身につけることが求められます。

きかせかたは?

つのみを適切に利かせるためには、正しい手の内を整えた上で、弓の圧力を自然に受けることが重要です。無理に親指の付け根で押し込むのではなく、弓の力がしっかりと伝わるようにすることで、安定した射が実現できます。

まず、弓構えの段階で親指の付け根を弓の内竹右角に軽く当てることを意識しましょう。このとき、無理に押し込むのではなく、弓の圧力を自然に受け止めるようにします。特に、大三から引き分けの動作では、手の内を強く締めるのではなく、適度なリラックス状態を保つことが重要です。

次に、会の状態で弓の圧力を受ける際、親指の付け根を意識しながらも、拳全体で弓を支えることを心がけます。このとき、手の内全体が均等に働くようにし、親指だけに力を集中させないように注意します。親指に過剰な力が入ると、他の指や肩に力みが伝わり、射形が崩れる原因となります。

離れの瞬間には、つのみがしっかりと利いていると、弓が自然に回転し、弓返りがスムーズに行われます。この際、親指を的方向に向けようと意識しすぎると、逆に力みが生じ、弓の動きを妨げることになります。そのため、会の状態で弓の力を十分に受け止め、自然な離れを意識することが大切です。

初心者のうちは、つのみを意識しすぎるあまり、親指の付け根を強く押し込んでしまうことがあります。しかし、実際には力を抜いた方が弓の動きがスムーズになり、矢の飛びも安定します。そのため、つのみを適切に利かせるためには、弓の圧力を受けつつも、無理な力を加えないことが重要です。

このように、つのみを正しく利かせるには、弓の圧力を自然に受け、親指だけに頼らずに手の内全体で支えることがポイントです。日々の稽古の中で意識しながら練習を重ねることで、自然な形でつのみを利かせることができるようになります。

つのみのきく手の内の整え方

つのみを正しく利かせるためには、手の内の形を適切に整えることが不可欠です。手の内が適切でなければ、つのみの効果が発揮されず、矢勢が不安定になったり、弓返りがうまくいかなかったりする可能性があります。そのため、手の内の基本を理解し、正しい形を身につけることが大切です。

手の内を整える際に重要なのは、「虎口(こぐち)」と「指の配置」です。まず、虎口をしっかり開き、弓を握る位置を正しく決めます。親指の付け根を弓の内竹右角に軽く当てるようにし、過度に力を入れないように意識しましょう。虎口が潰れてしまうと、手の内が窮屈になり、弓の動きがスムーズに行えなくなります。

次に、指の配置を適切にすることが重要です。親指は自然なカーブを保ち、弓に対して垂直に押し込むのではなく、弓の圧力を受け止める形にします。中指、薬指、小指は軽く添える程度にし、力を入れすぎないように注意します。これにより、弓の回転がスムーズになり、弓返りが適切に行われます。

また、手の内を整える際には、「手の平の感覚」を大切にすることが求められます。手のひら全体で弓を支えることで、親指だけに力が集中するのを防ぎ、安定した射を実現できます。特に、大三から引き分けにかけては、手の内全体で弓の圧力を感じながら、バランスよく力を分散させることが大切です。

手の内の形を正しく維持するためには、日々の稽古の中で意識的にチェックすることが必要です。鏡を使って自分の手の内を確認したり、師範や先輩に見てもらうことで、自分では気づきにくいクセを修正することができます。さらに、ゴム弓を使って手の内の形を意識した練習を行うことで、より自然に正しい形を身につけることができるでしょう。

このように、つのみのきく手の内を整えるためには、虎口を開いて弓を正しく保持し、指の配置を意識しながら、全体のバランスを保つことが重要です。継続的に意識して練習を行うことで、つのみが自然に利く手の内を身につけることができるようになります。

かからない原因と改善策

弓道において「つのみを利かせる」ことは、安定した射を行う上で非常に重要です。しかし、実際の稽古では「つのみがうまくかからない」と悩む人も少なくありません。つのみが機能していないと、弓の力が適切に伝わらず、矢の飛びが不安定になったり、弓返りがスムーズに行われなかったりする可能性があります。ここでは、つのみがかからない主な原因と、その改善策を詳しく解説します。

1. 親指の付け根に力が入りすぎている

つのみは、弓の内竹右角に親指の付け根を当てることで機能しますが、力を入れすぎると逆効果になります。親指を意識しすぎるあまり、付け根で無理に押し込もうとすると、手の内が硬直し、弓の回転が妨げられます。これが原因で弓返りが不自然になり、矢勢が乱れることがあります。

改善策:

手の内を整える際は、親指に過度な力を入れず、弓の圧力を自然に受け止めることが重要です。弓を握るというよりも「添える」イメージを持ち、会の段階では親指をリラックスさせましょう。特に、引き分けの際に親指の力みが出やすいため、大三から徐々に力を抜くよう意識すると効果的です。

2. 虎口の形が崩れている

つのみが正しく機能するためには、虎口(親指と人差し指の間の部分)を適切に開いておくことが大切です。虎口が潰れてしまうと、弓の力がうまく分散されず、親指の付け根に過剰な負担がかかります。その結果、つのみが適切にかからず、射形が不安定になります。

改善策:

弓を持つ際に虎口をしっかり開き、適度な空間を確保しましょう。手の内全体で弓を支え、親指だけで弓を押さえつけるのではなく、指全体をバランスよく使うことがポイントです。ゴム弓を使って手の内の形を確認しながら練習すると、正しい虎口の使い方が身につきやすくなります。

3. 弓手の位置や角度が適切でない

つのみがかからない原因の一つに、弓手の位置や角度が適切でないことが挙げられます。特に、弓手が内側に入りすぎたり、極端に外に開いてしまったりすると、つのみの働きが阻害され、弓の押しが弱くなります。

改善策:

大三の段階で弓手の位置を確認し、弓を適切な角度で押すように意識しましょう。手の内の形を保ちつつ、弓を押し込む方向を的に向けることで、自然につのみが利くようになります。また、師範や仲間に姿勢をチェックしてもらい、自分の弓手の角度が適切かどうかを確認するとよいでしょう。

4. 重心が乱れている

体の重心が適切でないと、つのみがうまくかからず、射全体のバランスが崩れることがあります。例えば、体が前のめりになっていたり、片側に重心が偏っていたりすると、弓手の安定性が失われ、つのみの効果が弱まります。

改善策:

足踏みの段階で左右のバランスを整え、骨盤を立てて安定した胴造りを意識しましょう。重心がブレないようにすることで、弓手の動きが安定し、つのみが自然に利くようになります。

このように、つのみがかからない原因はさまざまですが、力の入れ方や手の内の形、重心の取り方を見直すことで改善できます。日々の稽古で意識しながら修正し、安定した射を身につけましょう。

初心者が気をつける点

弓道を始めたばかりの初心者にとって、正しい射形を身につけることは非常に重要です。特に、「つのみ」の使い方は、弓道の基礎でありながら理解しにくい部分でもあります。初心者がつのみを適切に利かせるために、気をつけるべきポイントを解説します。

1. 無理に親指で押し込まない

初心者がつい陥りがちなミスの一つが、「つのみを強く押し込むことが重要」と勘違いしてしまうことです。しかし、親指の付け根を無理に押し込むと、手の内全体が緊張し、射形が崩れる原因となります。特に、弓を押そうとする意識が強すぎると、肩や腕にも力が入りすぎ、自然な射ができなくなります。

対策:

つのみは「押し込む」のではなく、「弓の圧力を受ける」ことが重要です。親指をリラックスさせ、弓の力が自然に伝わるようにしましょう。離れの際に親指が自然に伸びていく感覚を掴むことで、正しいつのみの使い方が身につきます。

2. 手の内を正しく整える

手の内が適切に整っていないと、つのみの働きが十分に発揮されません。特に、虎口が潰れてしまったり、指の配置が乱れていたりすると、弓手が安定せず、矢の飛びが不安定になります。

対策:

手の内を整える際は、虎口を適度に開き、親指の付け根を弓の内竹右角に軽く当てるように意識しましょう。初心者のうちは、ゴム弓を使って手の内の形を確認しながら練習すると、正しい形が身につきやすくなります。

3. 弓返りを意識しすぎない

初心者は「弓返りをしなければならない」と強く意識しすぎるあまり、不自然な手の動きをしてしまうことがあります。しかし、弓返りはつのみが適切に機能していれば自然に行われるものであり、無理に操作するものではありません。

対策:

弓返りを意識しすぎるのではなく、正しい手の内を作ることに集中しましょう。親指の付け根を適切に弓に当て、余計な力を加えないことが大切です。鏡を使って自分の手の内を確認し、力みがないかチェックすると効果的です。

4. 基本の姿勢を常に意識する

つのみの働きは、体全体のバランスとも密接に関係しています。特に、重心が前後に傾いていたり、肩や腕に余計な力が入っていたりすると、つのみがうまく機能しません。

対策:

足踏み、胴造りの段階から重心の位置を正しく整え、肩の力を抜くことを意識しましょう。師範や先輩にフォームを確認してもらうことで、姿勢の崩れを早期に修正できます。

初心者のうちは意識すべき点が多く大変ですが、基本を徹底することで、つのみを適切に利かせることができるようになります。焦らず、少しずつ正しい動作を身につけていきましょう。

弓道のつのみと弓返りの関係

  • 弓返りとつのみの重要性
  • 初心者は弓返りを意識し過ぎは危険
  • つのみを活かす正しい弓の押し方
  • 虎口で押す際の注意点
  • つのみを活かす練習方法

弓返りとつのみの重要性

弓道において、弓返りとつのみは密接な関係を持ち、正しい射を実現するために重要な要素です。弓返りは、離れの際に弓が自然に回転する現象であり、矢の飛びを安定させる役割を果たします。一方、つのみは、弓の内竹右角に親指の付け根を適切に当てることで、弓を押し、弓返りを促す働きを持ちます。この二つの要素が正しく機能することで、安定した射形が生まれ、的中率の向上にもつながります。

1. 弓返りが持つ役割

弓返りは、単なる見た目の美しさではなく、力の分散と弓の負担軽減の役割を持っています。弓を正しく押し、引くことで、離れの瞬間に弓のバランスが整い、自然と回転が起こります。この回転により、弦がスムーズに矢を送り出し、矢勢が安定します。もし弓返りが適切に行われないと、矢の飛びが不安定になり、弦の振動が弓に伝わりやすくなるため、射に悪影響を及ぼす可能性があります。

2. つのみが弓返りに与える影響

つのみは、弓の内竹右角を押さえることで、弓返りを促進する重要な役割を担います。正しくつのみを利かせることで、弓の回転がスムーズになり、弦が弓の外側を回るようになります。この働きによって、離れの際の衝撃が軽減され、弓へのダメージも減少します。逆につのみが適切に機能していないと、弓が回らずに手に衝撃が残り、矢の方向が安定しなくなることがあります。

3. 弓返りを正しく実現するためのポイント

弓返りを適切に行うためには、以下のポイントを意識することが重要です。

  • 親指の付け根に過度な力を入れず、自然に弓の圧力を受ける
  • 虎口を開き、手の内に余計な力が入らないようにする
  • 離れの瞬間に、親指が的方向へ自然に伸びる感覚を掴む
  • 弓を押し込みすぎず、適度な力で押し分けを意識する

弓返りとつのみは、弓道の基本的な動作の中で重要な役割を果たします。どちらか一方に偏るのではなく、バランスを取りながら正しい射形を身につけることが大切です。

初心者は弓返りを意識し過ぎは危険

弓道を始めたばかりの初心者の中には、「弓返りをしなければならない」と過度に意識してしまう人が少なくありません。しかし、弓返りは無理に作り出すものではなく、正しい射形を身につけることで自然に発生する現象です。意識しすぎることで、手の内が不自然になり、かえって射の安定性を損なう可能性があります。

1. 弓返りを意識しすぎると起こる問題

初心者が弓返りを意識しすぎると、次のような問題が発生しやすくなります。

  • 無理に弓を回そうとすることで、手の内に余計な力が入る
  • 親指や虎口を強く握りすぎ、弓の自然な動きを妨げる
  • 離れの際に不自然な動作が加わり、矢の飛びが乱れる
  • 必要以上に弓を押しすぎて、体のバランスが崩れる

特に、弓返りを「強制的に行う動作」と誤解してしまうと、弓の持ち方自体が間違ったものになり、射形が崩れる原因となります。

2. 正しい弓返りの考え方

本来、弓返りは弓の持つ特性と正しい射形によって自然に起こるものです。意図的に手の内をひねるのではなく、つのみを適切に利かせ、弓の圧力を受けながら引くことで、結果的に弓返りが発生します。初心者のうちは、弓返りそのものを意識するのではなく、まずは基本姿勢や手の内の形を整えることを優先しましょう。

3. 初心者が意識すべきポイント

弓返りを自然に発生させるためには、以下の点に注意することが大切です。

  • 弓を握りこまず、虎口を適度に開いた状態で保持する
  • つのみを正しく利かせ、弓の圧力を受け止める
  • 離れの際に無理に手を動かさず、自然な伸び合いを意識する
  • 正しい姿勢を維持し、弓の動きを妨げないようにする

初心者の段階では、弓返りを意図的に作ろうとせず、基本を徹底することが重要です。適切な練習を積むことで、弓返りは自然と身についていきます。

つのみを活かす正しい弓の押し方

弓道では「押し手七分、引き手三分」と言われるように、弓を押す動作が射の成否を大きく左右します。特に、つのみを正しく利かせることで、弓の力が適切に伝わり、安定した射が可能になります。ここでは、つのみを最大限に活かすための正しい弓の押し方について解説します。

1. つのみを活かした押し方の基本

つのみを活かすためには、単に弓を押し込むのではなく、手の内全体で弓の力を受けることが重要です。押しすぎると弓のバランスが崩れ、逆に押しが弱いと矢勢が不安定になります。そのため、適切な押しの力加減を身につけることが必要です。

2. 正しい弓の押し方のポイント

つのみを活かしながら弓を押すためには、次の点に注意しましょう。

  • 親指の付け根を弓の内竹右角に軽く当て、自然に圧力を受ける
  • 手の内を握りこまず、虎口を適度に開く
  • 大三から引き分けにかけて、弓の圧力を手の内全体で感じる
  • 会で弓を押す際に、無理に力を入れず、適度な伸び合いを意識する
  • 離れの際に、手の内が緩まないようにしつつ、自然な力の流れを作る

3. 押しすぎのデメリット

弓を強く押しすぎると、つのみが適切に機能せず、以下のような問題が発生します。

  • 手の内が硬直し、弓の回転が妨げられる
  • 離れの際に弓の動きが不自然になり、矢の飛びが乱れる
  • 弓の圧力を受け止めきれず、手首や肩に負担がかかる

このような問題を防ぐためには、適切な押し方を意識し、つのみを活かした射を行うことが大切です。弓道の基本である「受けて押す」感覚を身につけることで、安定した射を実現できるようになります。

虎口で押す際の注意点

弓道において「虎口(ここう)で押す」ことは、手の内を正しく作り、安定した射を行うために重要な要素です。しかし、誤った押し方をすると、弓の制御が不安定になり、的中率の低下や手首・指の負担増加につながることがあります。ここでは、虎口で押す際に注意すべきポイントを解説します。

まず、力を入れすぎないことが大切です。虎口で弓を押すと聞くと、強く押し込むことを意識しがちですが、それでは手の内が硬直し、弓返りがスムーズに行われません。弓を握り込まず、虎口を適度に開いた状態で押し、親指の付け根が自然に弓の内竹の角に当たるように調整することが重要です。

次に、指の使い方にも注意が必要です。親指だけで弓を押そうとすると、手首が不安定になり、射が乱れる原因になります。小指・薬指・中指の3本は軽く添える程度にし、人差し指は支える役割を持たせながら、全体でバランスよく弓を押すことが求められます。特に、弓を握り込んでしまうと、虎口が潰れ、正しい力の伝達ができなくなるため、手の内の形を適切に保つ意識が必要です。

また、弓の角度を意識することも重要です。弓を正しく押せていないと、射の際に弓の上部が傾き、的に対する矢の方向が不安定になります。虎口で押す際は、弓の内竹に対して適切な位置に力を加え、上下左右のバランスを保つことが求められます。

さらに、押し方を誤ると、手首や指に過度な負担がかかり、痛みや故障につながることもあります。特に、手首を曲げたまま押すと、弓の力が手首に直接かかるため、違和感を覚えたり、長時間の稽古で疲労が蓄積しやすくなります。そのため、手首はまっすぐ保ち、弓を押す際も過度な力を入れないように心がけることが重要です。

最後に、虎口で押す感覚を身につけるためには、弓を使わずに手の内を整える練習も効果的です。握り付きのゴム弓を使用し、手の内の形を意識しながら弓を押す感覚を養うとよいでしょう。特に、指の力のバランスや手首の角度を確認しながら練習することで、弓道における正しい押し方が身につきます。

このように、虎口で押す際には、力の入れ方、指の使い方、弓の角度、手首の状態など、さまざまな点に注意する必要があります。正しい押し方を意識しながら稽古を積み重ねることで、より安定した射が可能になります。

つのみを活かす練習方法

「つのみ(角見)」は、弓道において弓を安定させ、矢の軌道を正しくするために欠かせない要素です。しかし、つのみの働きを最大限に活かすためには、適切な練習方法を取り入れることが重要です。ここでは、つのみを効果的に習得し、実践に生かすための練習方法を紹介します。

まず、手の内の形を整える練習が必要です。つのみを正しく利かせるためには、親指の付け根(虎口の近く)が弓の内竹右角に適切に接することが重要です。そのためには、弓を握り込まず、自然な形で弓の角に手を当てる感覚を身につける必要があります。最初の段階では、弓を持たずに手の内の形を確認し、握り革にどのように手を当てるのが最も安定するかを理解することが大切です。

次に、ゴム弓を用いた練習を取り入れるとよいでしょう。実際の弓を使用する前に、ゴム弓で手の内を整え、つのみが正しく利いているかを確認することができます。ゴム弓を引く際には、親指の付け根に力が適切に伝わっているかを意識し、無駄な力が入らないように調整することが重要です。また、ゴム弓を使用することで、力の加減や手の内の微調整がしやすくなり、正しい感覚を身につけやすくなります。

さらに、実際の弓を使った練習では、「押しの感覚」を確認することが重要です。つのみが正しく働いているかを判断するためには、弓の押し方に注目する必要があります。正しく押せている場合、弓の捻りが適切に入り、矢がスムーズに飛びます。逆に、親指の付け根で強く押しすぎると、弓の動きが不自然になり、的中率が低下することがあります。練習の際には、手の内の形が崩れていないか、弓の押し方が適切かを確認しながら射を行うとよいでしょう。

また、離れの際の動きもつのみを活かす上で重要です。離れた後に親指の付け根が的方向に伸びるようにすると、矢の方向が安定しやすくなります。そのため、離れの際には「自分で押す」のではなく、「弓の力を受けて押し込まれる」感覚を意識することが大切です。これにより、矢の勢いが増し、的中率の向上につながります。

最後に、継続的なセルフチェックも欠かせません。自分の射を動画で撮影し、手の内の状態やつのみの働きを確認することで、改善すべきポイントを見つけることができます。特に、引き分けや会の段階で手の内の形が崩れていないかを重点的にチェックし、必要に応じて修正を加えることが望ましいです。

このように、つのみを活かすためには、手の内の形を整えることから始め、ゴム弓を活用した基礎練習や実際の弓での確認を重ねながら、正しい感覚を身につけることが重要です。適切な練習を続けることで、安定した射が実現できるようになるでしょう。

弓道のつのみの基本と正しい使い方の総括

  • つのみは、弓手の親指の付け根を弓の内竹右角に当てることで、弓の安定性と矢勢の向上に寄与する重要な要素である
  • つのみを正しく利かせることで、弓の力が均等に伝わり、矢が真っ直ぐに飛びやすくなる
  • 親指の付け根で無理に押し込んでしまうと、弓の回転が妨げられ、射形が崩れる原因となる
  • つのみを適切に機能させるには、手の内全体のバランスを意識し、特定の指に力を集中させないことが重要
  • 弓の圧力を無理に押さえつけるのではなく、自然に受けることで、弓返りがスムーズになり、矢勢の安定につながる
  • 虎口を開いて弓を支えることで、つのみが正しく機能し、手の内の硬直を防ぐことができる
  • 弓を強く握り込んでしまうと、指に余計な力が入り、つのみの働きが弱まるため、力加減に注意する必要がある
  • つのみがかからない主な原因として、親指や手の内の力み、弓の押し方の誤り、重心の崩れなどが挙げられる
  • 弓返りはつのみの働きと密接に関係しており、正しい手の内と押し方を身につけることで自然に発生する
  • 初心者は弓返りを無理に起こそうとせず、正しい手の内を作ることを優先し、自然な弓の動きを学ぶことが大切
  • つのみを活かすためには、弓を押す際に手の内全体を使い、特定の指だけで押さないように意識することが求められる
  • 正しいつのみの押し方を身につけることで、弓の回転がスムーズになり、離れの瞬間に矢勢が安定する
  • 虎口で弓を押す際は、必要以上に力を入れず、適切な位置に圧力をかけて、弓の動きを妨げないようにする
  • つのみの働きを理解しやすくするために、ゴム弓を使った基礎練習を取り入れ、手の内の形を確認しながら習得するのが効果的
  • 毎回の稽古で手の内の形を見直し、力みがないかチェックしながら修正を重ねることで、つのみを活かした射が安定してくる

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