弓道の三重十文字の基本と正しい姿勢の作り方

射技
弓道 三重十文字

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弓道において、正しい射を行うためには「三重十文字」を意識することが不可欠です。三重十文字とは、足踏みの線、腰の線、肩の線を揃え、脊柱を正しく垂直に保つ姿勢のことを指します。この基本姿勢を整えることで、弓の力を無駄なく伝え、的中率の向上にもつながります。

本記事では、弓道における三重十文字の基本と重要なポイントを解説し、正しい姿勢の作り方や維持するための練習方法を紹介します。また、三重十文字のメリットと射形への影響、崩れることで起こる問題、的中率の低下を防ぐためのポイントにも触れ、安定した射を実現するための具体的な方法を詳しく解説します。

三重十文字の整え方や意識すべきポイントを理解することは、弓道の上達に直結します。特に、足踏みや胴造りの重要性、重心の位置と首の後ろを意識することの大切さを知ることで、より安定した射形を身につけることができるでしょう。また、審査でも三重十文字の正しさが評価されるため、基礎を固めることが昇段への近道となります。

的中率が下がったときには、技術的な修正を行う前に、三重十文字の崩れを防ぐためのセルフチェックを行うことが重要です。本記事では、その具体的な確認方法や練習方法についても詳しく説明します。弓道の上達には三重十文字の安定が不可欠であり、正しい姿勢を維持することが、より的確な射につながります。これから弓道を学ぶ人や、より精度の高い射を目指す人にとって、本記事が役立つ情報となるはずです。

記事のポイント

  • 弓道における三重十文字の基本姿勢とその重要性
  • 三重十文字のメリットと射形や的中率への影響
  • 三重十文字を維持するための具体的な方法と練習法
  • 三重十文字が崩れた際の問題点と改善方法

弓道の三重十文字の基本と重要なポイント

全日本弓道連盟から引用

  • 弓道における基本姿勢
  • メリットと正しい姿勢の影響
  • 崩れると起こる問題とは?
  • 整え方と意識すべきポイント
  • 審査でもよく出る!基礎を固めよう
  • 的中率に与える影響と改善方法

弓道における基本姿勢

三重十文字とは、弓道において安定した射を行うために必要な基本的な姿勢のことです。これは、足、腰、肩の3つの線を平行に整え、それらの中心を貫く脊柱を正しく垂直に保つことを意味します。弓道では、身体のバランスが射の成否を大きく左右します。そのため、三重十文字を意識し、正しい姿勢を身につけることが、安定した射形を作るための第一歩となります。

まず、三重十文字の基本構成について解説します。三重十文字は、以下の3つの要素で成り立っています。

  1. 足踏みの線:両足の土踏まずを結んだ線
  2. 腰の線:骨盤の上端を結んだ線
  3. 肩の線:両肩を結んだ線

この3つの線を水平に揃え、さらにそれらの中央を通る縦軸(脊柱)を垂直に保つことで、三重十文字が完成します。この姿勢が崩れると、矢を正確に飛ばすことが難しくなるため、弓道を学ぶ上で最初に身につけるべき重要なポイントといえます。

また、三重十文字を維持するためには、ただ単に姿勢を整えるだけではなく、首の後ろを伸ばすことが重要です。頭部の位置がずれると、肩や腰のバランスが崩れ、結果的に三重十文字が崩れてしまいます。そのため、首を上に伸ばし、顎を軽く引くことで正しい姿勢を維持しやすくなります。

このように、三重十文字は弓道の射法八節の基礎となる重要な要素です。的中率を向上させるためにも、まずはこの姿勢を正しく理解し、身につけることが大切です。

メリットと正しい姿勢の影響

三重十文字を正しく作ることは、弓道の上達に直結します。この姿勢には、射を安定させるためのさまざまなメリットがあります。その代表的なものをいくつか紹介します。

まず、下半身が安定することが大きなメリットです。三重十文字の基本である「足踏みの線」「腰の線」「肩の線」が揃っていることで、身体のバランスが取れ、無駄な力が入ることなく射を行うことができます。これにより、射の際にブレが少なくなり、矢の軌道が安定します。

また、楽に弓を引けるようになることもメリットの一つです。姿勢が崩れていると、弓を引く際に余計な筋力を使ってしまい、すぐに疲れてしまいます。しかし、三重十文字を意識すると、身体全体を使って弓を引くことができるため、負担を軽減できます。特に首の後ろをしっかり伸ばすことで、肩の力が抜け、無駄な緊張を避けることができます。

さらに、矢の速度や貫徹力が向上するという点も重要です。三重十文字が崩れていると、弓の力が均等に伝わらず、矢のスピードが落ちたり、狙った方向へ飛ばなかったりする可能性があります。特に、腰や肩が正しい位置にないと、矢が左右にぶれやすくなります。そのため、三重十文字を正しく維持することで、矢の飛び方が安定し、的中率の向上にもつながります。

一方で、三重十文字を正しく維持するためには、日々の意識と訓練が必要です。正しい姿勢を意識せずに射を続けてしまうと、無意識のうちに癖がついてしまい、修正するのが難しくなります。そのため、毎回の練習で姿勢を確認しながら射を行うことが大切です。

このように、三重十文字を意識することで、弓道における射の安定性が向上し、無駄な力を使わずに楽に弓を引くことができるようになります。的中率を上げるためにも、正しい姿勢を意識することが重要です。

崩れると起こる問題とは?

三重十文字が崩れると、弓道における射形や的中率に大きな悪影響を及ぼします。これは、単に見た目の姿勢が悪くなるだけでなく、弓の引き方や矢の飛び方にも直接影響を与えるため、注意が必要です。

まず、下半身が不安定になるという問題が生じます。三重十文字は、足踏みを安定させることで姿勢を保つ役割を持っています。しかし、このバランスが崩れると、体重が片方の足に偏ったり、膝が内側に入ったりしてしまい、射の安定性が失われます。特に、重心が前後にぶれると、的に対して正しい方向に力を伝えられなくなります。

次に、狙いが定まらなくなるという問題もあります。三重十文字が崩れると、肩や腰のラインがずれてしまい、狙いが変わってしまうことがあります。例えば、肩のラインが前後に傾いてしまうと、矢が上下にぶれてしまい、的に当てるのが難しくなります。これは、特に「会」の際に影響が大きく、射を安定させることが難しくなります。

また、矢の飛び方が不安定になるという点も重要です。三重十文字が維持されていないと、弓を引く際に余計な力が加わり、矢の軌道が乱れます。例えば、腰のねじれがあると、弓の力が左右均等に伝わらず、矢が的の左右に外れやすくなります。さらに、肩の高さが揃っていないと、矢が上方向や下方向にずれやすくなります。

加えて、疲れやすくなるというデメリットもあります。三重十文字が崩れていると、弓を引く際に無駄な力が入ってしまい、短時間の練習でも疲れやすくなります。特に、肩や首に余計な力が入ると、射を行うたびに筋肉に負担がかかり、長時間の練習が難しくなります。

このように、三重十文字が崩れると、射の安定性が失われ、狙いが定まらなくなり、的中率が低下します。これを防ぐためには、練習の際に定期的に自分の姿勢をチェックし、正しい三重十文字を維持することが大切です。

整え方と意識すべきポイント

三重十文字を正しく整えるためには、足踏みから肩の位置まで意識することが重要です。この姿勢を正しく維持することで、弓道の射が安定し、矢の飛び方にムラがなくなります。しかし、単に「姿勢を正す」といっても、具体的にどのような点を意識すればよいのか分からないこともあるでしょう。ここでは、三重十文字を整えるための具体的なポイントを解説します。

まず、足の位置を正しく取ることが大切です。足踏みの際に、両足の土踏まずを結ぶ線が的に対して平行になっているかを確認しましょう。この線がずれると、体のバランスが前後に傾きやすくなり、射の安定性を損ないます。また、重心は足の親指の付け根とかかとを結んだ線の中央にくるように意識し、どちらかの足に偏らないよう注意が必要です。

次に、腰の位置を確認することも重要です。三重十文字を整える上で、腰の高さが均等であることが求められます。骨盤が傾いていたり、ねじれていたりすると、肩のラインも崩れ、弓に適切な力を伝えられません。腰骨を立てるようにし、左右均等に体重を乗せることを意識しましょう。

また、肩のラインを正しくすることも欠かせません。両肩の高さが揃っていないと、引き分けの際にどちらかの肩が前に出てしまい、矢の軌道が乱れます。特に、大三の段階で肩が前に出やすい人は、意識的に肩を水平に保つようにしましょう。鏡を使ってチェックしたり、動画を撮影して確認すると効果的です。

さらに、首の後ろを伸ばすことも三重十文字を整える上で非常に重要です。首が前に出てしまうと、肩や腰のラインが崩れやすくなります。顎を軽く引き、首筋を上に伸ばすことで、自然と肩の力が抜け、正しい姿勢が維持しやすくなります。

最後に、常に自分の姿勢を確認する習慣をつけることが大切です。三重十文字は、一度正しく作っても、気を抜くとすぐに崩れてしまいます。稽古の際は、常に足・腰・肩・首の位置を確認しながら射を行うようにしましょう。意識的に正しい姿勢を維持することで、三重十文字が自然に身につき、安定した射を行えるようになります

審査でもよく出る!基礎を固めよう

弓道の昇段審査では、三重十文字の正しさが重要視されます。なぜなら、三重十文字は弓道における基本姿勢であり、これが正しくできていなければ、どれだけ技術的に優れていても評価が下がってしまうからです。そのため、審査を受ける際には、まず三重十文字の基礎をしっかり固めることが必要になります。

審査では、足踏みから残心までの一連の動作の中で、三重十文字が崩れていないかが細かくチェックされます。特に、足の位置や重心の取り方、肩のラインの揃い方は重要なポイントです。例えば、足踏みの段階で足の線が的に対して平行になっていないと、その後の胴造りや打起し、引分けの動作がすべて不安定になります。また、腰の位置が正しくないと、上体のバランスが崩れ、射の正確性に影響を与えます。

また、三重十文字の理解を問う学科試験が出題されることもあるため、理論的にもこの姿勢の意味を理解しておくことが重要です。学科試験では、「三重十文字の意義とは何か」「三重十文字が崩れるとどのような問題が生じるか」などが問われることがあります。単に形を覚えるだけでなく、なぜこの姿勢が必要なのかを自分の言葉で説明できるようにしておくとよいでしょう。

さらに、審査の際には細かい部分まで意識することが求められるため、普段の稽古から正しい姿勢を習慣化しておくことが重要です。審査の場では、緊張して普段とは違う動きをしてしまうこともありますが、日頃から三重十文字を意識した射を行っていれば、自然と正しい姿勢が身につきます。

このように、三重十文字は審査においても非常に重要な要素であり、正しく理解し、身につけることが昇段の鍵となります。審査に向けては、足踏みや胴造りの段階から丁寧に姿勢を確認し、細かい部分まで意識しながら練習を重ねていくことが大切です。

的中率に与える影響と改善方法

三重十文字は、弓道の的中率に大きく関わる重要な要素です。なぜなら、三重十文字が崩れると、体のバランスが乱れ、矢の飛び方が不安定になってしまうからです。逆に、三重十文字を正しく保つことで、余計な力を使わずにスムーズに弓を引くことができ、矢の飛びも安定します。

例えば、三重十文字が崩れていると、体の軸がぶれ、狙いが定まらなくなることがあります。特に、肩のラインが左右にずれていると、引分けの際に矢が横にぶれやすくなります。また、腰がねじれていると、弓の力が均等に伝わらず、矢が的の左右に外れる原因となります。

また、三重十文字の崩れは射の安定性にも悪影響を与えます。例えば、重心が前後にずれていると、会の段階で体が前のめりになったり、逆に後ろに引かれたりすることがあります。これにより、矢の飛び方が毎回変わってしまい、的中率が低下する原因になります。

では、どのように三重十文字を改善すればよいのでしょうか。まず、自分の姿勢を客観的にチェックすることが大切です。鏡の前で構えを確認したり、動画を撮影して自分の姿勢を見直すことで、どの部分が崩れているのかを把握できます。また、練習の際には、師範や仲間に見てもらい、客観的なアドバイスを受けることも有効です。

次に、意識的に首の後ろを伸ばし、肩の力を抜くことが重要です。特に、弓を引く際に肩に力が入りすぎると、姿勢が崩れやすくなります。顎を軽く引き、首筋を伸ばすことで、自然と肩の力が抜け、正しい三重十文字が維持しやすくなります。

このように、三重十文字を整えることで、射の安定性が向上し、的中率の向上につながります。日々の練習の中で正しい姿勢を意識し、三重十文字を崩さないようにすることが、弓道の上達への近道となります。

弓道の三重十文字の安定した姿勢を身につける方法

  • 維持するための足踏みと胴造り
  • 重心の位置と首の後ろを意識する重要性
  • 崩れを防ぐためのセルフチェック法
  • 的中が下がった時にすぐ確認すべきポイント
  • 正しい形を維持するための練習方法
  • 弓道の上達には三重十文字の安定が不可欠

維持するための足踏みと胴造り

三重十文字を正しく維持するためには、足踏みと胴造りの精度が重要になります。なぜなら、弓道におけるすべての動作は、足元の安定性と胴体の支えによって成り立っているからです。特に、足踏みと胴造りが崩れていると、その後の動作に悪影響を及ぼし、正しい射形を保つことが難しくなります。

まず、足踏みの基本を押さえておく必要があります。足踏みは、両足の土踏まずを結んだ線が的に対して平行になるように行います。この線がずれていると、身体のバランスが崩れ、結果として矢が的に対して真っ直ぐ飛ばなくなります。また、足幅は自分の肩幅よりやや広めにとり、どちらかの足に重心が偏らないように注意が必要です。左右均等に体重を分散させることで、上半身の動きも安定します。

次に、胴造りの重要性について考えてみましょう。胴造りとは、足踏みを終えた後に、上半身のバランスを整える動作のことです。この際、腰の高さが均一であることを意識し、左右どちらかに傾かないように気をつけます。胴造りが不十分だと、肩のラインが傾きやすくなり、三重十文字の正しい姿勢を維持することが難しくなります。

また、肩のラインを揃えることも重要なポイントです。肩が前後に傾いていると、矢の飛びが不安定になり、狙いが定まらなくなる原因になります。特に、大三や引分けの際に肩が前に出やすい人は、意識的に肩の位置を確認しながら射を行うことが求められます。鏡を使って肩の水平を確認したり、動画を撮影して自分の姿勢をチェックすると、より正確な姿勢の調整が可能です。

このように、三重十文字を維持するためには、足踏みの正確さと胴造りの安定性が欠かせません。日々の稽古の中で、足の位置や胴体のバランスを意識しながら練習を重ねることで、安定した射を行えるようになります。

重心の位置と首の後ろを意識する重要性

弓道において、重心の位置と首の後ろの伸ばし方を意識することは、三重十文字を安定させる上で非常に重要です。なぜなら、重心のズレや首の位置の崩れが射形全体に影響を及ぼし、的中率の低下を招くからです。特に、無意識のうちに頭部の位置が前後にずれてしまうと、肩や腰のバランスが崩れやすくなるため、注意が必要です。

まず、適切な重心の位置を理解しておくことが大切です。弓道において理想的な重心の位置は、左右の親指の付け根(母指球)とかかとを結んだ線の中央にあります。この位置に重心を置くことで、身体全体のバランスが取れ、余計な力を使わずに射を行うことができます。重心が前に傾くと上半身が前のめりになり、逆に後ろに傾くと弓を引く際の力の伝達が不均衡になります。そのため、重心を意識することで、無駄な力を使わずにスムーズな射が可能になります。

次に、首の後ろを伸ばすことの重要性について説明します。首が前に出てしまうと、肩や腰の位置がずれやすくなり、三重十文字の正しい姿勢が崩れます。特に、スマートフォンやパソコンの使用によって、日常的に前傾姿勢になっている人は、無意識のうちに首が前に出やすくなっています。これを防ぐためには、顎を軽く引き、首の後ろを上方に伸ばす意識を持つことが大切です。

また、首の位置を意識することで肩の力が抜けやすくなるというメリットもあります。弓を引く際に肩に力が入りすぎると、射の動作が硬くなり、矢の飛びが不安定になります。しかし、首を正しい位置に保つことで、肩の力が自然と抜け、リラックスした状態で射を行うことができます。

このように、重心の位置と首の後ろを意識することは、弓道の安定した射形を維持するために欠かせない要素です。稽古の際には、これらのポイントを意識しながら、自分の姿勢を確認する習慣をつけることが大切です。

崩れを防ぐためのセルフチェック法

三重十文字を維持するためには、自分の姿勢が正しく保たれているかを定期的にチェックすることが重要です。特に、練習中に姿勢の崩れを自覚するのは難しいため、意識的にセルフチェックを行う習慣をつけることで、安定した射を維持しやすくなります。ここでは、三重十文字の崩れを防ぐための具体的なセルフチェック法を紹介します。

まず、鏡を使って自分の姿勢を確認する方法です。道場に鏡がある場合は、自分の射形を横からチェックし、足の位置、腰の高さ、肩のラインが揃っているかを確認します。ただし、鏡を見ながら射を行うと、無意識に視線が鏡に向いてしまい、自然な射ができなくなる可能性があるため、動作の途中ではなく、射の前後でチェックすることが大切です。

次に、動画を撮影して確認する方法も効果的です。自分では正しいと思っている姿勢でも、実際に映像で見ると、細かな崩れに気づくことができます。特に、大三や引分けの動作で肩のラインがずれていないか、重心が前後に動いていないかを重点的にチェックしましょう。撮影した動画を見直しながら修正点を意識することで、より正確な三重十文字を身につけることができます。

また、身体の感覚を利用したチェック法も有効です。例えば、足踏みを終えた後に、足の裏全体で地面を感じながら、左右均等に体重がかかっているかを確認します。さらに、首の後ろを伸ばした状態で、肩の力が抜けているかどうかを意識することで、無駄な緊張を防ぐことができます。

このように、三重十文字の崩れを防ぐためには、鏡や動画を活用した視覚的なチェックと、身体の感覚を使った確認を組み合わせることが重要です。定期的にセルフチェックを行い、自分の射形を客観的に見直すことで、より安定した射を実現できるようになります。

的中が下がった時にすぐ確認すべきポイント

弓道において的中率が急に下がった場合、多くの人は弓の引き方や離れの動作を修正しようとします。しかし、的中率の低下の原因は、技術的な部分だけでなく、基本姿勢である三重十文字の崩れが関係していることが多いです。的中が伸び悩んでいると感じたら、まず三重十文字が正しく維持されているかを確認することが大切です。

まず、足踏みの位置をチェックしましょう。足踏みが崩れていると、身体全体のバランスが乱れ、矢が正しい方向へ飛ばなくなります。両足の土踏まずを結んだ線が的に対してまっすぐ向いているか、左右の足に均等に体重がかかっているかを確認してください。特に、無意識のうちに体重が片側に偏ってしまうことがあるため、射の前に一度意識を向けることが重要です。

次に、腰の位置と重心のバランスも確認しましょう。腰がねじれていると、弓の引き方に無駄な力が入り、狙いが安定しません。骨盤が前後に傾いていないか、腰が左右に傾いていないかをチェックすることで、より安定した射ができるようになります。また、重心が前方や後方にずれすぎていると、会の際に身体が前のめりになったり、逆に後ろへ倒れ込むような動作になりやすいです。

さらに、肩のラインが正しく揃っているかを確認することも重要です。肩が前後に傾いていたり、どちらかの肩が上がっていたりすると、矢の軌道がぶれてしまいます。特に、大三や引分けの際に肩の高さが変わっていないかを意識しながら射を行うことで、狙いの安定につながります。

最後に、首の後ろを伸ばし、視線の水平を意識することも大切です。頭部が前に出ていると、肩や腰のバランスが崩れ、三重十文字の正しい姿勢を維持できなくなります。顎を軽く引き、首の後ろを上方に伸ばすことで、自然と肩の力が抜け、正しい射形を保ちやすくなります。

的中が下がったと感じたときには、技術的な動作だけでなく、三重十文字が崩れていないかを確認することが不可欠です。基本姿勢を見直すことで、安定した射を取り戻すことができるでしょう。

正しい形を維持するための練習方法

三重十文字を正しく維持するためには、日々の稽古の中で意識的に姿勢を整える練習が必要です。正しい三重十文字を身につけることで、射の安定性が向上し、無駄な力を使わずに矢を放つことができます。ここでは、三重十文字を維持するための具体的な練習方法を紹介します。

まず、足踏みの正確性を高める練習から始めましょう。弓を持たずに、足踏みだけを繰り返し行い、両足の土踏まずを結んだ線が的に対して正しく揃っているかを確認します。このとき、足幅が適切であるか、体重が均等に分配されているかを意識することが重要です。足の位置が正しければ、その後の動作が自然と安定しやすくなります。

次に、胴造りの安定を確認するための練習を行います。足踏みを終えたら、弓を持たずに胴造りの姿勢をとり、腰の高さが均等になっているかを確認します。このとき、腰が前後や左右に傾いていないかをチェックし、正しい位置に調整しましょう。特に、骨盤が前に倒れていると、背中が丸まりやすくなるため、腰をしっかり立てる意識を持つことが重要です。

また、肩の高さを揃えるための練習も有効です。鏡の前で自分の射形を確認し、両肩が水平になっているかをチェックします。肩が前後に傾いていたり、どちらかの肩が上がっていると、矢の飛び方が不安定になります。動画を撮影して、自分の肩の動きを確認するのも効果的です。

さらに、首の後ろを伸ばす練習を取り入れることで、より安定した三重十文字を維持しやすくなります。顎を軽く引き、首筋を上方に伸ばすことで、頭の位置が正しくなり、肩や腰のバランスが整います。これにより、余計な力を使わずにスムーズな射が可能になります。

三重十文字の正しい形を維持するためには、足踏み・胴造り・肩のライン・首の位置を意識した練習を継続的に行うことが重要です。日々の稽古でこれらを意識することで、より安定した射を実現できるようになります。

弓道の上達には三重十文字の安定が不可欠

弓道の上達には、技術的な練習だけでなく、三重十文字の安定が不可欠です。なぜなら、三重十文字は射の土台となる部分であり、これが崩れていると、どれだけ技術を磨いても安定した射を行うことができないからです。三重十文字を正しく維持することで、弓を引く際の負担が減り、狙いが正確になり、結果的に的中率も向上します。

まず、三重十文字が射の安定性に与える影響について理解しておきましょう。三重十文字が正しく維持されていると、弓の力を身体全体で受け止めることができるため、無駄な力を使わずにスムーズな射が可能になります。逆に、三重十文字が崩れていると、どこか一部の筋肉に余計な負担がかかり、射の動作が硬くなってしまいます。

また、三重十文字の安定は的中率にも直結します。姿勢が乱れていると、矢の軌道が毎回異なり、狙いが定まりません。例えば、肩のラインが前後に傾いていると、矢の飛び方が左右にブレることがあります。さらに、重心の位置が不安定だと、会での身体の伸び合いが不十分になり、離れの際に矢が意図しない方向へ飛んでしまうことがあります。

弓道の上達を目指すなら、技術的な練習に加えて、三重十文字を意識したトレーニングを積むことが重要です。足踏みや胴造りの基礎を固めることはもちろん、射の前に自分の姿勢を確認する習慣をつけることで、より安定した射を行うことができます。

三重十文字の安定は、弓道の基本であり、上達の鍵となる要素です。技術を磨くと同時に、正しい姿勢を維持する意識を持つことで、より精度の高い射が実現できるようになるでしょう。

弓道の三重十文字の重要性と安定した射のポイントのまとめ

  • 三重十文字は弓道の基本姿勢であり、安定した射を支える
  • 足踏み、腰、肩の3つの線を揃え、脊柱を垂直に保つことが重要
  • 下半身を安定させることで、無駄な力を使わずに弓を引ける
  • 正しい姿勢を維持すると、矢の速度や飛びが安定する
  • 三重十文字が崩れると、狙いが定まらず的中率が低下する
  • 重心の位置を適切に保ち、身体のバランスを取ることが必要
  • 首の後ろを伸ばし、肩の力を抜くことで正しい姿勢を維持できる
  • 足踏みの位置と体重の分配が、射の安定性に大きく影響する
  • 胴造りを正しく行うことで、弓の力を無駄なく伝えられる
  • 審査でも三重十文字の正しさが評価され、学科試験にも出題される
  • 動画や鏡を活用し、セルフチェックを行うことが効果的
  • 練習時に足・腰・肩・首の位置を常に意識することが重要
  • 的中が落ちたときは、技術よりも三重十文字の崩れを確認する
  • 三重十文字を意識したトレーニングが弓道の上達につながる
  • 安定した三重十文字を維持することで、自然な射が身につく

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