弓道の束離の魅力と違いを徹底解説

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弓道の束離の魅力と違いを徹底解説

征矢弓具製作所から引用(アイキャッチ画像も)

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弓道で次のステップを考えている方にとって、「束離(そくり)」というゆがけは、非常に魅力的な選択肢の一つです。この記事では、「弓道 束離」と検索してたどり着いた方に向けて、束離の特徴や使用感、セミオーダーによるカスタマイズ性などを詳しくご紹介します。

特に、見た目の印象を大きく左右する束離の色の選び方や、丸染めによる耐久性の高さは、多くの弓道家に支持される理由の一つです。また、上位モデルである雨露離と束離の違いについても比較し、それぞれのメリットと用途を整理しています。さらに、「束離は捻れないのでは?」といった疑問にも丁寧に答え、実際の構造や使い始めのポイントを解説します。これから束離の購入を検討している方が、納得のいく選択をできるよう、値段やモデルの違いなど、あらゆる視点から束離の魅力に迫ります。

記事のポイント

  • 束離の特徴や耐久性・使用感の良さ

  • 束離と他モデル(雨露離・中離など)の違い

  • 束離の捻りに関する誤解と正しい使い方

  • セミオーダーでの注文方法と色・価格の選び方

弓道の束離の魅力と選ばれる理由

征矢弓具製作所から引用

  • 束離の特徴を徹底解説

  • 束離の捻りは捻れない?の誤解

  • セミオーダーで叶う自分仕様の束離

  • 束離の色は全9色から自由に選べる

  • 束離の値段と価格帯の違いとは

束離の特徴を徹底解説

征矢弓具製作所から引用

束離(そくり)は、弓道で使われるゆがけの中でも中級者以上に向けた製品であり、その最大の特徴は「耐久性・選択肢の多さ・使用感の良さ」の3点にあります。弓道の経験を積んだ人が、初めて既製品から一歩上の品質を求めるとき、選ばれやすいモデルです。

まず、束離の革は「丸染め」と呼ばれる染色方法で仕上げられています。この技法は、革全体を染料に漬け込むことで内側までしっかりと染まるため、汗や湿気に強く、長期間の使用でも革が劣化しにくいという利点があります。これにより、特に学生や社会人のように練習頻度の高い使用者にとって、頼れる相棒となる存在です。

次に、多彩なカラーバリエーションも見逃せません。束離では、台革の色が全9色から選べるうえに、セミオーダーを選択すれば「縁」や「帯」の色も同じく9色から組み合わせが可能です。組み合わせは実に729通りとなり、デザイン面でもオリジナリティを演出できます。これによって、単なる道具としてだけでなく、自分だけの特別な一品という満足感を得られるのです。

さらに、使用感にも工夫があります。中離と比べると、帽子(親指部分)を含めた製作工程が1.2倍に増加しており、フィット感と引きやすさを重視した設計になっています。そのため、取りかけのスムーズさや離れの感覚も良く、射に集中しやすくなるという利点があります。

ただし、注意点としては、鹿革を使用しているため、革には天然由来の傷があることが一般的です。見た目に影響することはありますが、使用には支障がない程度のものであり、これは束離に限らず多くのゆがけに共通する特徴です。

このように束離は、耐久性、選択の幅、使用感のすべてにおいて、価格帯に見合った高品質なゆがけとして、多くの弓道経験者に選ばれています。

束離の捻りは捻れない?の誤解

「束離は捻れないゆがけなのでは?」という疑問は、しばしば弓道愛好者の間で話題になります。しかしこの疑問は、正しく理解されていないことに起因する誤解です。実際には、束離でも正しい構造と装着方法によって、しっかりと捻ることが可能です。

まず大前提として、ゆがけにおける「捻り」とは、取りかけた弦を保持しながら手の甲を回転させ、弦を一定の方向に導くための動作を意味します。これにより離れの瞬間に矢がぶれず、正確な飛びを実現できるのです。

束離に関して「捻れない」と感じる場合、その多くは「捻り革と弦道の間に十分な空間がないこと」が原因です。つまり、捻れないのではなく、捻るための構造が正しく活かされていないだけというケースが多く見受けられます。ゆがけの構造上、捻りがかかるには、弦道と革の間にわずかな空間が必要です。この空間があることで、手のひらの回転運動が伝わり、弦を自然に導くことができます。

また、初期状態の革は硬いため、使い始めてすぐには十分な捻りを感じられないことがあります。しかし、使い込むことで革が馴染み、柔らかくなるとともに自然な捻りが可能になります。これは新品のゆがけ全般に共通する現象です。

さらに、誤ったサイズ選びや装着の仕方によっても、捻りが不自然になってしまうことがあります。とくに下弽を付けたままサイズ確認を行うと、適正なフィット感が得られず、結果的に「捻れない」という誤解を生む原因になります。

以上のように、束離が捻れないというのは事実ではなく、構造の理解不足や使用初期の状態に起因する誤解です。正しい使い方と馴染ませる時間を確保すれば、束離でも十分に「捻り」の効果を発揮することができます。

セミオーダーで叶う自分仕様の束離

束離の魅力の一つに「セミオーダー対応」があります。これは既製品とオーダーメイドの中間に位置する製作方法であり、自分の手に合ったゆがけを比較的リーズナブルな価格と短納期で入手できる点が人気の理由です。

セミオーダーでは、まず手形をもとに製作が行われます。完全フルオーダーではなく、既存の型(男女各5種、計10種)から近いものを選び、帽子部分のみを個別に調整して製作されるのが特徴です。これにより、手へのフィット感を高めながら、コストと製作期間を抑えることが可能になります。

具体的には、台革・縁・帯の色をそれぞれ9種類の中から自由に選択できるため、見た目にも個性を表現できます。色の組み合わせは実に729通り以上あり、他人とかぶる心配が少ないというのも、こだわり派の弓道家にとって嬉しいポイントです。

また、追加費用はわずか2,000〜3,000円台と、一般的なオーダーメイド製品と比べて圧倒的に手頃です。納期も通常であれば2〜3週間、混雑していない時期であれば優先製作オプションにより最短2週間で完成することもあります。

ただし、セミオーダーはあくまで「既製型をベースとした調整」ですので、ミリ単位の精密な調整が必要な方や、過去に誂品(フルオーダー)を使っていた人には物足りなさを感じることもあるかもしれません。また、革の特性上、馴染むまでに若干の違和感がある場合もあります。

このように、セミオーダーは価格・納期・満足度のバランスが非常に良く、「2個目のゆがけ」や「初めての自分専用ゆがけ」として非常におすすめできる選択肢です。自分だけのデザインと手の形に合った使い心地を、手軽に体験することができます。

束離の色は全9色から自由に選べる

束離(そくり)は機能性だけでなく、デザイン性の自由度が高い点でも支持されています。その中でも、台革・縁・帯の色がそれぞれ9色ずつ用意されていることは、多くの弓道家にとって大きな魅力です。これによって、単なる道具という枠を超え、自分の感性に合った「愛用の一品」を作ることができます。

具体的な色としては、茶・白・黒・グレーといった基本色に加えて、焦げ茶、ウグイス、紺、エンジ、紫といった個性を引き立てる色が揃っています。これらはすべて台革の色として選択可能で、落ち着いたトーンから鮮やかなものまで、使用者の年齢層や性別を問わず幅広く対応できます。

さらにセミオーダーを選択することで、台革に加えて「縁」と「帯」の色も自由に選べます。例えば、台革をウグイス色にし、縁を黒、帯を紫にするといったように、組み合わせは729通りにもなります。このように、多彩な色の組み合わせによって、個性や所属団体のカラー、または贈り物としての用途にも柔軟に対応できるのです。

なお、これほどのカラーバリエーションがあるにもかかわらず、色の選択によって価格が変動することはありません。追加料金が発生しない点も、初心者から上級者まで気軽にカラー選びを楽しめる理由のひとつです。

ただし、色の組み合わせにはいくつかの注意点もあります。例えば、台革と帯では使用されている革の種類が異なるため、同じ色名でも微妙に風合いや色味が異なる場合があります。また、革の染め方や質感によっては、モニターで見た色と実際の製品とで印象が異なることもあるため、可能であれば実物を確認するか、公式の参考写真を見て選ぶことが望ましいです。

このように、束離は色を選ぶ楽しみが豊富であり、単なる道具以上に「自分らしさ」を反映できる弽として高く評価されています。

束離の値段と価格帯の違いとは

束離(そくり)は、弓道における中級グレードのゆがけとして位置付けられており、価格帯の選択肢が広いことも特徴の一つです。使用する革の種類や仕上げ方法によって、値段に幅があるため、目的や予算に応じて適切なモデルを選ぶことができます。

まず、基本となる既製品タイプの束離は、おおよそ55,000円前後から購入可能です。これは三ッ弽(親指・人差し指・中指の3本用)を基本とした価格であり、四ッ弽(薬指を含めた4本指タイプ)の場合はやや高くなります。ここで重要なのは、標準の束離でも、革の染色方法には「丸染め」が採用されており、見た目だけでなく耐久性にも優れているという点です。

一方、上位グレードである「束離燻(そくりいぶし)」になると、価格は約77,000円〜82,500円に上がります。このモデルでは、燻革(いぶしかわ)という特別な製法で仕上げられた革が使用されており、さらに耐水性・耐久性に優れています。燻製による革は希少性が高く、通常は高額な誂品に用いられる素材です。そのため、束離燻は非常にコストパフォーマンスの良い高級感ある選択肢といえます。

価格差が生じる理由は、使用される革の等級や製作工程の複雑さにあります。標準の束離と比較して、束離燻は製作工程が約1.4倍にもなるため、製品の完成度や使い心地にも差が出てきます。具体的には、帽子部分の作り込みや手の馴染みやすさなど、細かな仕上げにこだわった設計がなされています。

また、セミオーダーを選んだ場合、基本価格に2,000~3,000円程度の追加費用が発生します。ただし、この追加料金で手のサイズに合わせた帽子の調整や色の選択肢が増えるため、非常にコストに対する満足度は高いといえます。

注意点として、鹿革という天然素材を使用しているため、価格にかかわらず革の表面には多少の傷や色むらがあることがあります。これらは製品の欠陥ではなく、天然素材特有の風合いとして理解する必要があります。

このように、束離の価格帯は製品のグレードと使用目的によって大きく変わるものの、それぞれの価格に見合った価値が明確に存在しており、選ぶ楽しさと納得感のある製品ラインとなっています。

弓道の束離と他モデルの違いとは

征矢弓具製作所から引用

  • 雨露離と束離の違いを比較

  • 束離と中離の革質と製法の違い

  • 束離燻と標準束離の違いとは

  • 三ッと四ッの違いと選び方

  • セミオーダーとフルオーダーの違い

  • 束離を選ぶときの注意点まとめ

雨露離と束離の違いを比較

弓道用ゆがけの中で「束離(そくり)」と「雨露離(うろり)」は、いずれも征矢弓具製作所の代表的なモデルですが、性能・革質・価格帯などに明確な違いがあります。それぞれの特性を理解することで、どの段階の射手にどの製品が適しているかが見えてきます。

まず、束離は「中離からのステップアップ」を想定したスタンダードグレードのゆがけです。丸染めの鹿革を使用しており、しなやかで手に馴染みやすく、かつ湿気や汗に強い点が特長です。多彩な色から選べることや、価格が5~6万円台と比較的購入しやすい設定であることから、学生や一般社会人の「2個目のゆがけ」として人気があります。

一方で雨露離は、同社製品の中でも最高級クラスに位置する誂品に近いグレードです。使用されているのは燻製処理された特選鹿革であり、さらに一部には染色を加えるなど、手間と技術が高度に要求される仕上がりになっています。その結果、耐久性・吸湿性・使用感すべてにおいて高水準を誇り、段位者や熟練者の長期使用に適しています。価格は10万円を超えるため、購入には覚悟と目的意識が求められます。

また、雨露離は見た目にも重厚感があり、控えの作りや帽子の形状に至るまで一つひとつのパーツに細かい職人技が施されています。束離でも十分な耐久性や美しさを感じることができますが、雨露離ではそのレベルがさらに一段上であるといえるでしょう。

ただし、注意点として、雨露離は納期が1年を超える場合もあるのに対し、束離は最短で1ヶ月程度の納品が可能です。使用開始までのスピードを重視する方には、束離の方が実用的な選択になるかもしれません。

このように、束離はコストパフォーマンスに優れた中級者向けのゆがけ、雨露離は妥協のない品質を求める上級者向けの逸品として、それぞれの立ち位置が明確に分かれています。

束離と中離の革質と製法の違い

束離(そくり)と中離(ちゅうり)は、いずれも征矢弓具製作所が手がける既製品ラインのゆがけですが、革質や製法には明確な差があります。これらの違いを知ることで、どの段階の弓道経験者に適しているのかが判断しやすくなります。

中離は、主に初心者向けに設計されたゆがけで、価格帯が4万円台と比較的安価に設定されています。使用されている革は「吹きつけ染色」によって表面のみが染められており、耐久性や吸湿性は上位モデルに比べて控えめです。製作工程もシンプルで、フィット感や細部の作り込みよりも、まずは「基本の射法を安定させる」ことに重点を置いています。

一方で束離は、中離の一段上に位置づけられるグレードです。最大の違いは、革の染色方法に「丸染め」が採用されている点にあります。この技法は、鹿革全体を染料に漬け込んで内部まで染め上げるもので、湿気や汗に強く、使用による劣化が起きにくくなります。また、束離に使われる鹿革は、中離よりも革質の良いものが選定されており、手触りがしなやかで弦の感触も柔らかく感じられる設計です。

製作工程においても、束離は中離の約1.2倍の手間がかかっています。とくに帽子(親指部分)や捻り部分の作り込みが細かく、取りかけのしやすさや離れの感覚に違いが出てきます。また、束離では征矢製である証として「押印」が付けられることもポイントです。これは中離にはない仕様であり、品質の証とも言えるでしょう。

もちろん、価格も束離の方が高めに設定されていますが、それに見合った品質と快適さがあるため、弓道を継続的に行う意志のある方には十分に価値ある選択肢です。

このように、束離と中離は革質・染色方法・製作工程すべてにおいて段階的な違いが設けられており、弓道に対する姿勢や目標に応じて選び分けることが重要です。

束離燻と標準束離の違いとは

束離(そくり)には「標準モデル」と「束離燻(そくりいぶし)」の2種類が用意されており、どちらも中級者向けとして高い評価を受けています。しかし、使用されている革の種類や製作方法に違いがあり、それぞれが異なる魅力を持っています。

標準の束離は、鹿革を「丸染め」という染色法で仕上げています。この方法は、革を染料に漬け込み、内側まで均一に染色することで、汗や湿気に強く、長期間の使用に耐える革に仕上がります。染色による風合いも滑らかで、使用感が柔らかいことが特徴です。さらに、色の選択肢が豊富で、台革・縁・帯の9色から自由に組み合わせることができる点も、標準モデルの大きな魅力です。

一方、束離燻は「燻革(いぶしかわ)」と呼ばれる、藁や松の煙で燻した革を使用しています。この伝統的な製法により、革には独特の香りと色合いが付き、表面が硬めで非常に高い耐水性と耐久性を誇ります。一般的には高級誂品に使われるような素材ですが、束離燻ではこれをリーズナブルな価格で提供している点が大きな特徴です。

ただし、燻革には自然由来の「色ムラ」や「燻しの斑点」などが出ることがあり、見た目の統一感にはやや欠ける場合があります。また、革の硬さも丸染めに比べて強いため、最初は少し馴染みにくいと感じる人もいるかもしれません。

色の選択肢においても違いがあります。標準束離では9色から選べますが、束離燻の台革色は「燻茶」の1色のみです。ただし、セミオーダーにすれば縁や帯は標準と同様に9色から選ぶことが可能であり、組み合わせに工夫の余地はあります。また、「共帯」を選択すると、台革と同じ燻革で帯を製作してくれるという特典も用意されています。

このように、束離燻は高耐久と伝統製法の革を求める人に、標準束離は柔らかな使用感と多彩なデザインを楽しみたい人に向いています。それぞれのライフスタイルや好みに応じて、適したモデルを選ぶことが大切です。

三ッと四ッの違いと選び方

弓道で使われるゆがけには、「三ッ弽(みつがけ)」と「四ッ弽(よつがけ)」という2つのタイプがあります。どちらを選ぶべきかは、使用者の引き方や目的によって異なりますが、それぞれの特徴を理解することが正しい選択の第一歩となります。

三ッ弽は、親指・人差し指・中指の3本の指を覆うゆがけです。最も一般的で、多くの弓道家が使用しているタイプといえるでしょう。動きやすく、取りかけやすいため、初心者から上級者まで幅広く使用されています。特に弓力が15キロ未満の方や、指に大きな負担をかけたくない人にとっては、無理のない選択です。

一方で四ッ弽は、薬指まで覆う構造になっており、より多くの指で弓の張力を支えることができます。これにより、弓力20キロ前後の強弓を引く際にも指への負担が分散され、射の安定感が増します。また、残心での手の開きがより自然に出せると感じる人もいます。ただし、指の可動性が三ッ弽よりやや制限されるため、操作感には慣れが必要です。

選び方の基準としては、まず現在使用している弓の強さと、ご自身の指の状態を考慮するのが基本です。たとえば、弓力が高く、長時間の練習で指が疲れやすいと感じる場合には、四ッ弽が適している可能性があります。逆に、繊細な指使いを重視する射を目指している方や、まだフォームが安定していない方には三ッ弽の方が扱いやすいでしょう。

加えて、指導者や所属道場の方針によっても選択が変わることがあります。一部の流派や道場では四ッ弽が推奨されていない場合もあるため、購入前に確認しておくことをおすすめします。

このように、三ッ弽と四ッ弽はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の射のスタイルや環境に合わせて慎重に選ぶことが大切です。

セミオーダーとフルオーダーの違い

ゆがけを注文する際、セミオーダーとフルオーダーのどちらを選ぶかは、フィット感や価格、納期に大きく関わります。どちらにも利点がありますが、それぞれの違いを理解したうえで、自分にとって最適な選択をすることが求められます。

まずセミオーダーは、既存の型(抜型)をもとに製作される方式です。性別別に用意された複数の標準型から、送付された手形に最も近いものを選び、それに合わせて帽子(親指部分)など一部を個別に調整して仕上げます。この方法は、比較的早い納期(2~3週間)と手頃な価格帯(追加費用2,000円〜3,000円程度)が魅力です。また、縁や帯の色も選べるため、デザイン面でも一定の自由度があります。

一方のフルオーダーは「誂(あつらえ)」とも呼ばれ、完全に一から型を作成する方式です。弽師が送られた手形をもとに、立体的かつミリ単位で手裁ちし、帽子や控え、捻り革の角度に至るまで完全にオーダーメイドで仕上げます。このため、フィット感は非常に高く、特に手の形に個性がある方や、過去に既製品で違和感を感じた方にとっては理想的な選択といえます。

ただし、フルオーダーにはデメリットもあります。価格は8万円以上が一般的であり、納期も1年~1年半と非常に長期です。また、細部まで希望を伝える必要があるため、ある程度の経験と知識が求められます。

ここで注意したいのは、セミオーダーでも十分な満足度を得られる人が多いという点です。征矢弓具製作所のセミオーダーでは、年間1万点以上の製作実績があり、完成度が高いことで知られています。そのため、「初めてのマイゆがけ」としてはセミオーダーでも十分と感じる人も多いでしょう。

このように、セミオーダーとフルオーダーは、コスト・納期・精度のどこを重視するかで選ぶべき方向性が異なります。用途や予算に応じて、無理のない範囲で自分に合ったゆがけを選ぶことが大切です。

束離を選ぶときの注意点まとめ

束離(そくり)は多くの弓道家にとって人気のある中級モデルですが、選ぶ際にはいくつかの注意点を押さえておく必要があります。誤った選択をすると、思ったような使用感が得られず、練習や本番でのパフォーマンスにも影響する可能性があります。

まず最も大切なのは「サイズの確認方法」です。征矢弓具製作所では、サイズ確認は素手で行うことを推奨しています。下弽をつけた状態では正確なフィット感が得られないため、誤って小さいサイズを選んでしまうことがあります。素手で装着し、取りかけを試したときの感覚を基準に判断することが、適切なサイズ選びには欠かせません。

次に、使用初期の「革の硬さ」についても知っておく必要があります。新品の束離は鹿革が硬く感じることが多く、フィット感がやや窮屈に感じられるかもしれません。しかし、使い込むうちに革が柔らかくなり、手に馴染んでくるため、最初の違和感だけで判断しないことが重要です。

また、見た目にこだわる場合でも注意が必要です。縁・帯・台革はそれぞれ異なる素材が使われており、同じ色名でも微妙に風合いが異なることがあります。たとえば、「黒」の縁と帯を選んでも、質感の違いにより完全には一致しないことがあります。この点を理解したうえで色選びを行うと、後悔の少ない選択ができます。

加えて、誰かの意見だけで選ぶことにも注意が必要です。特に「○○先生がこう言ったから」という理由での選択は、必ずしも自分に合ったゆがけとは限りません。征矢弓具製作所では、最終的にはご本人の意思に基づいた判断を重視しており、指導者の意見を参考にしつつも、自分の射と向き合うことが大切だとされています。

さらに、鹿革という天然素材には個体差があります。傷や染めムラなどが多少ある場合もありますが、それは不良品ではなく、天然素材ならではの味わいとして受け入れる必要があります。

このように、束離を選ぶ際にはサイズ確認、革の馴染み、色の風合い、他人の意見とのバランス、そして素材特性を理解することが非常に重要です。これらの点を意識すれば、長く愛用できる1本に出会う可能性が高まります。

弓道の束離の特徴と選ばれる理由まとめ

  • 丸染め革を使用しており耐水性・耐久性に優れている

  • カラーバリエーションは9色で729通りの組み合わせが可能

  • 中離よりも製作工程が多く、フィット感が向上している

  • セミオーダー対応で手に合ったゆがけを作れる

  • 捻れないという誤解は構造や使い方の理解不足による

  • 使用初期は革が硬めだが、使い込むと馴染んでくる

  • セミオーダーはコストを抑えつつデザイン自由度が高い

  • 束離燻は燻革を使用し、耐久性と高級感に優れている

  • 束離燻の台革色は1色のみだが縁・帯は自由に選べる

  • 束離と雨露離では革質・仕上げ・価格に大きな差がある

  • 中離は初心者向け、束離は中級者以降向けの設計

  • 三ッ弽は操作性重視、四ッ弽は強弓対応に適している

  • フルオーダーは精度が高いが価格・納期ともに負担が大きい

  • 束離選びではサイズ確認や色味の違いに注意が必要

  • 鹿革には天然の傷があるが品質上の問題ではない

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