ゆがけのくすねの基本と使い方を徹底解説

道具

ゆがけのくすねの基本と使い方を徹底解説

※本ページはプロモーションが含まれています

こんにちは。弓道ライフのゆみの先生です。

弓道を続けていくなかで、先輩たちが使っているゆがけの手入れや、擦り減ってきた弦枕の補修に関心を持ち始めた方も多いんじゃないでしょうか。ネットで調べると必ず出てくる「くすね」という言葉。「そもそもくすねって何ですか?」と素朴な疑問に感じる方もいれば、「具体的なくすねの塗り方や使い方を知って、自分のゆがけを綺麗にメンテナンスしたい!」という実践的な情報を求めている方もいることでしょう。大切なゆがけの革を扱うから、失敗したくなくて緊張しちゃいますよね。

この記事では、くすねの基本的な役割から、なぜゆがけのメンテナンスにこれほど重宝されるのか、その理由や効果を詳しく分かりやすく解説していきますね。また、「くすねの材料は何ですか?」という疑問に対して、松脂や植物油といった自然由来の成分をベースにした伝統的な構成を紹介しながら、「くすねの作り方は?」という自作のテーマについても詳しく触れていきますよ。

はじめてくすねに触れる初心者の方でもイメージが湧きやすいように、そして中級者や経験者にとっても毎日の稽古の役に立つよう、正しい知識と具体的な使い方をまとめています。ゆがけの手入れに少し不安がある方は、ぜひじっくり参考にしてみてくださいね。これを知るだけで、道具への愛着がもっと深まりますよ。

記事のポイント

  • くすねの基本的な成分と、弓道における伝統的な用途が分かります

  • ゆがけにくすねを塗り込む本当の理由と、射への効果が納得できますよ

  • 失敗しないくすねの作り方と、綺麗な塗り方の手順が身につきます

  • 日本の気候(季節)や、麻弦・合成弦の種類に応じた賢い使い分け方法が分かります

ゆがけのくすねの基本と役割を解説

  • くすねとは何ですか?

  • ゆがけに使う理由とは?

  • くすねの役割と効果について

  • 合成弦と麻弦での違い

  • くすねの種類と特徴を比較

くすねとは何ですか?

くすねとは、松脂(まつやに)と植物性の油を主成分とした、日本古来の伝統的な接着・補強剤のことです。漢字では「駆巣根」や「薬練」と書かれることもあり、古くから和弓の製作現場や、弓道家たちが自分の大切な弓具を手入れするための必須アイテムとして脈々と受け継がれてきました。現在でも、道具にこだわる多くの職人さんや弓道愛好者の間で当たり前に使われているんですよ。

まず、くすねの基本的な材料について分かりやすく紹介しますね。メインとなる松脂は、針葉樹の松の樹液から採れる天然の樹脂で、加熱するとトロトロになり、冷めると強固に固まる高い粘着性と耐久性を持っています。ただし、松脂だけだと冷えたときにカチカチに硬くなりすぎてガラスのように割れてしまうため、そこに胡麻油や大豆油といった植物油を絶妙なバランスで混ぜ合わせるんです。こうすることで、日本の四季の温度や湿度の変化に応じて、ちょうど良いしなやかな柔軟性を保ちやすくし、ゆがけに塗る際の手触りや作業性を高めているわけですね。くすねは使用する用途や季節によってこの配合比率をガラッと変えるのが一般的です。例えば、気温が高い夏場にはベタベタに溶けてしまうのを防ぐために松脂を多めにして硬めに仕上げ、逆に凍えるような冬場にはカチカチに固まるのを防ぐために油を多めにして柔らかめに作られます。道具を気候に適応させる先人の知恵が詰まっているんですね。

このくすねは常温ではカチッとした固形ですが、使うときには湯煎(ゆせん)や、優しく低温で加熱することによってトロンと柔らかくして、必要な分だけをすくい取って塗布します。熱が冷めれば再び元の通りに固まってくれるので、一度作ったり買ったりすれば保存性にも非常に優れていて長持ちするのが嬉しいところかなと思います。ただし、早く溶かしたいからと直火などで過度に高温加熱してしまうと、せっかくの植物油の成分がパチパチと蒸発してしまい、粘り気がなくなって性能がボロボロに劣化する場合があります。そのため、使用時にはとろ火や蒸気、熱した専用の道具などを使って、じんわりと優しく温めることが何よりも推奨されるんですよ。

くすねは現代のケミカルな接着剤とは違って、天然素材だからこその弓具を傷めない優しさと、自分でいくらでも硬さを調整できる自由度が最大の魅力です。特に弓道の世界では、一つの道具を何十年と愛着を持って長く使うための「大人の嗜み・大切なメンテナンス知識」のひとつとされていて、射の技術の上達とともに、このくすねをいかに上手に使いこなせるようになるかという点にステータスを感じる文化もあります。こうした奥深い背景を踏まえると、くすねは単なる補修用の消耗品という枠を超えて、弓道における日本の伝統技術の息吹を今に伝える、象徴的な存在ともいえるでしょうね。

ゆがけに使う理由とは?

ゆがけにくすねを定期的に使う理由は、主に「鹿革(しかがわ)の表面の徹底的な保護」と「離れの瞬間の弦の滑りを一定に安定させること」の2つにあります。特にゆがけの親指部分にある「弦枕(つるまくら)」や、弦が収まる「弦溝(つるみぞ)」と呼ばれる箇所は、引き絞った強い弓の張力を一身に受け止め、射手が「離れ(はなれ)」を出す瞬間に、もの凄い摩擦熱とスピードで弦が滑り抜けていく最も消耗が激しい過酷なポイントなんですよ。そこにこのくすねをあらかじめじっくり塗り込んでおくことで、革の繊維が直接削られるのを防ぎ、結果として射の圧倒的な安定性を生み出すことができるわけです。

ゆがけの主材料である鹿革は、手にしっとり馴染んで使いやすい素晴らしい高級素材ですが、実は摩擦や繰り返される強い圧力、汗などの水分にはデリケートで弱いという繊細な弱点もあります。弓道で何千射、何万射と引き込んでいくゆがけも例外ではなく、何のケアもしないで使い続けるうちに、弦が擦れる部分が次第に薄く削れていってしまったり、最悪の場合はバリバリにひび割れて穴が空いてしまうことがあります。こうした悲しい道具の劣化を未然に防ぐ、一番確実で伝統的な手段がくすねなんですね。くすねは革の奥までじんわり染み込みつつ、表面にツヤのある薄い頑丈な保護層を作り出してくれるので、発射の強烈な衝撃を和らげるとともに、弦との接触による摩擦ダメージを代わりに受け止めてくれる盾のような役割を果たしてくれます。

また、くすねを弦枕に薄く焼き付けるように塗ることで、離れの瞬間に弦が引っかからずに「ツルン」と滑らかに抜けていくという絶大な技術的メリットもあります。会(かい)で無限の伸び合いを見せた後、離れの瞬間に弦がほんの少しでも革に突っかかってしまうと、それだけで矢所(矢の的中する場所)が大きく上下左右にブレてしまいますよね。くすねの粘着性と滑らかさによって、弦の抜ける抵抗が常に一定にコントロールされるため、射手が心の中で意図した通りの理想的なパッと鋭い離れを強力にサポートしてくれる効果があるんですよ。

ただし、いくら良いものだからといって、一回にドバッと塗りすぎてしまったり、温度管理をミスして革を焼き焦がしたりすると、かえって弦枕がベタベタになって弦がくっついて離れが出なくなったり、逆に硬くなりすぎてポロポロとすぐに剥がれ落ちてしまうこともあるので注意が必要です。使用した後は、焦らず適切に馴染ませて乾燥させ、今の季節や自分が張っている弦の種類に応じて、くすねのコンディションを細かく微調整してあげる丁寧さが求められますよ。

このように、ゆがけにくすねを使う理由は、単なる「古くなった革の穴埋め補修」という地味な目的にとどまらず、弓道という非常に繊細でミリ単位の精度が求められる武道において、自分の技術の限界値を道具の側からしっかりと支えてあげるための、極めて実用的で重要な役割を担っているからなんですね。

くすねの役割と効果について

くすねには、あなたの大切なゆがけを長年守り抜き、さらに日々の射のパフォーマンスを向上させるという、表裏一体の二つの大きな役割があります。ひとつは、道具を怪我から守る「保護材」としての頼もしい役割。そしてもうひとつは、的中の精度を極限まで高める「補助機能(コンディショナー)」としての実戦的な役割ですね。この2つのシナジーによって、弓道家の毎日が支えられているんですよ。

まず保護材としての役割について詳しく説明しますね。先ほども触れたように、ゆがけの弦枕や弦溝の周辺は、毎日の繰り返しの発射によって、目に見えないレベルで少しずつ革の銀面(表面)が削り取られていっています。この摩耗を「まだ大丈夫だろう」とそのまま放置して稽古を続けてしまうと、段々と溝が深くなりすぎて弦がハマり込んでしまい、ある日突然革が破れて取り返しのつかない穴が空いてしまったり、弦枕全体の形がグニャリと歪んで変形してしまい、射形(フォーム)にまで悪い影響を及ぼすおそれがあります。くすねは、この革が削れるスピードをピタッと防ぎ、何年、何十年とゆがけの寿命を最大限に延ばすために必要不可欠なコーティング剤として活躍してくれるんです。

次に、シューターを支える補助機能としての役割ですね。弦枕にくすねを適切な厚みで焼き付けて整えてあげると、引き絞った弦が離れの瞬間に無駄な引っかかりを一切起こさず、滑らかに弦溝から抜け出ていくようになります。これにより、毎回同じスムーズさで矢が押し出されるため、狙い通りの素晴らしい的中が実現しやすくなる効果があります。特に、ジメジメした梅雨時の湿気や、冬場のカラカラに乾燥した空気といった、気候の変化によって革の滑り具合が日替わりで左右されてしまう過酷な環境において、くすねを上手に使って弦枕のコンディションを一定に保つ調整スキルは、試合で勝ち残るためにも非常に重要なテクニックになってきます。

実際の効果の面で言えば、使用するくすねの品質や硬さのチョイスによって、引き取ったときの手応えや離れのキレ味には、驚くほど大きな違いが出ることもありますよ。最近の弓具店では、昔ながらの固形タイプだけでなく、より低い温度でじわっと溶けやすく、塗った後の硬化スピードも速いチューブ入りの便利なモダン製品なども登場していて、日頃の手入れのしやすさは昔に比べて格段に向上していますね。ただし、どんなに便利な道具であっても、間違った塗り方をしてしまうと、弦枕の上がベタついてせっかくの中仕掛け(なかじかけ)を真っ黒に汚してしまったり、稽古中にポロッとすぐに剥がれてしまったりすることもあるため、自分のゆがけに合った「ベストな適量」を見極めてコントロールする技術が、じっくりと必要になってきますよ。

このように、くすねの素晴らしい役割と効果は、単なる「壊れた場所の応急処置」というレベルにとどまりません。ゆがけの革と、弓の張力を伝える弦との間のデリケートな関係性を常に最高の状態に保ち、どんなプレッシャーがかかる場面でもより安定した鋭い一射を可能にするための、弓道家にとって絶対に欠かせない必須の機能要素といえるでしょうね。

合成弦と麻弦での違い

弓道の稽古や試合で使用される弦には、大きく分けて「合成弦(ごうせいづる)」と、伝統的な「麻弦(あさづる)」の2種類が存在します。それぞれの素材には独自の際立ったメリット・デメリットがあり、毎日の使い方や手入れの方法にもかなりの違いが見られるんですよ。特に、今回テーマにしている「くすね」を塗るべきか否かという点に関しても、この2つの弦の間には非常に明確な違いがありますので、ここでは両者をしっかり比較しながら解説していきますね。

まず、現代の圧倒的な主流である合成弦は、ケブラーや芳香族ポリアミド、ザイロンといった非常に強靭な人工ハイテク繊維で作られており、とにかく耐久性が高くて切れにくく、日本の激しい湿気や気温の変化にもびくともしないのが頼もしい特徴です。市販されている多くの合成弦は、工場出荷の段階であらかじめ理想的な張りの強さや伸縮性が計算されて綺麗にコーティング設計されているため、まだ扱いに慣れていない初心者さんや、毎日何十射もガンガン引き込む現役の学生さんの日々のハードな稽古にとても好まれています。弾力があってとにかく長持ちするので、コストパフォーマンスの面でもこれ以上ないほど優れていますよね。その一方で、化学繊維特有のカチッとした硬さがあるため、昔ながらの自然素材が持つ絶妙な「しなりの柔らかさ」や、中ったときの「パンッという冴え渡る弦音の心地いい響き」には、人によっては少し物足りなさを感じてしまうことがあるかもしれません。

一方で伝統的な麻弦は、天然の麻の繊維を職人さんが一本一本、丁寧な手作業で撚(よ)り合わせて作り上げた、弓道の歴史そのものとも言えるこだわりの高級弦です。こちらは合成弦とは違って、使う前に自分で中仕掛けをしっかり作ったり、長さを調整したりする必要があり、雨の日の湿気や冬の乾燥によって張りがガラガラ変わってしまう、とてもデリケートで扱いが難しい素材なんですね。しかしその分、矢を放った瞬間の弓から手に伝わる極上の柔らかい感触や、的中したときの「カンッ!」と高く道場に響き渡る美しい弦音の響きには格別なものがあり、高段位の上級者や、本気で道具の美を追求する競技者に深く好まれる傾向があります。ただし、麻繊維は合成繊維よりも圧倒的に熱や摩擦でちぎれやすく、油断すると数十射〜100射程度ですぐに寿命を迎えて切れてしまうため、毎日の丁寧な心のこもったメンテナンスが絶対に欠かせません。

ここで一番大事な、くすねの使用に関する両者の決定的な違いをお話ししますね。天然の繊維である麻弦は、矢を放つたびに表面の細かい繊維が摩擦熱で毛羽立ったりほつれたりしやすいため、その繊維同士をガッチリと接着・補強してあげるために、練習の前後にくすね(またはわらじに塗ったくすね)を使って弦全体をゴシゴシとしごくように塗り込むことが強く推奨されるんです。くすねの熱伝導と粘着力によって、バラけそうになった麻の繊維がキュッと一本に固まり、表面がなめらかに整うことで、離れの際の引っかかり抵抗を劇的に減らす素晴らしい効果を発揮してくれます。
一方で、現代の合成弦は、そもそも繊維の表面に特殊な樹脂コーティングがあらかじめ施されている場合がほとんどなので、わざわざ後からくすねを上手に塗り込む必要性はほとんどありませんよ。むしろ合成弦に対して余計にくすねをベタベタと塗布してしまうと、人工繊維の表面で油分が吸収されずに浮いてしまい、不快なベタつきが発生して中仕掛けがドロドロになり、離れを邪魔してしまうトラブルの原因になるため、合成弦へのくすねの使用は基本的に推奨されていないのが今の弓道界のリアルな常識です。自分の張っている弦がどちらのタイプなのかをしっかり見極めて、道具に合わせた正しい手入れをしてあげてくださいね。

くすねの種類と特徴を比較

一言にくすねと言っても、実は弓具店やネットショップを見渡すとさまざまな種類が売られており、それぞれのタイプによって特徴や扱いやすさ、もたらす効果もかなり異なってくるんですよ。ここでは、現在手に入る代表的なくすねのタイプをいくつかピックアップして、その違いを具体的におもしろく比較してみますね。どれが自分に合いそうか、ワクワクしながら見比べてみてください。

まず、弓道の伝統の王道であり基本となるのが、「天然の松脂(まつやに)」と「植物油(主に香りの良い胡麻油)」の2つだけをシンプルに組み合わせた伝統的なくすねです。このタイプは、最も古くから全国の道場で使われている一般的なくすねであり、道具にこだわる先輩たちは自分で材料を取り寄せて手作り(自作)されることも多いのが大きな特徴ですね。材料を専用の鍋でじっくりと加熱して溶かし、自分の手の感覚を信じて、これからの季節や稽古の目的に応じて硬さを自由自在にコントロールします。気温で溶けやすい夏用には松脂を多めにしてカチッと硬めに仕上げ、逆に凍える冬用には油を多めに垂らしてトロンと柔らかめに仕上げるのが絶対の基本になりますよ。この手作よくすねは、弦枕の擦り減った段差を平らに埋めるのに最適で、扱いにはある程度の慣れと経験が必要になりますが、自分好みにいくらでも100%カスタマイズできる点が、道具を愛する射手にとってたまらない最大のメリットかなと思います。

次に、現代の忙しい弓道家や学生さんに大人気なのが、弓具店で綺麗にパッケージされて市販されている「低温融解型(ていおんゆうかいがた)くすね」です。こちらはチューブに入っていたり小さな容器に入っていたりしますが、だいたい45℃〜50℃ほどの、お風呂より少し熱いくらいの非常に低い温度でじわっと溶け始めるように化学的な工夫が施されている優れものなんですよ。そのため、固形タイプを溶かすときのように鏝(こて)をカンカンに熱くする必要がないので、熱のし過ぎによるゆがけの大切な鹿革の劣化や火傷のリスクを未然に防げるよう、安全第一で親切に設計されています。しかも、弦枕に塗布した後は10秒ほどであっという間にサラッと完全に硬化してくれて、嫌なベタつきがいつまでも表面に残らないという素晴らしい特徴を持っています。これなら初めて手入れをする初心者の方でも失敗するリスクがほぼゼロなので扱いやすく、全国の弓具店でも定番商品として広く販売されていますよ。反面、手作りに比べると少しだけお値段(コスト)が高くなる点や、天然の松脂特有のあの独特の渋い香りやしっとりした手触りの質感が薄いため、ベテランの先生方からは好みが少し分かれることもありますね。

さらに、コアな愛好家の間で重宝されているのが、松脂と植物油ベースのくすねに、さらに「蜜蝋(みつろう)」を隠し味としてブレンドした「混合タイプ」のくすねです。蜜蝋はミツバチの巣からほんのわずかに採れる天然の良質なワックスで、これを加えることによって、普通のくすねに適度な「しなやかな柔軟性」と「粘り強いコーティング力」をプラスすることができる利点があるんですよ。この混合タイプは、一度ゆがけの弦枕に焼き付けると、離れの衝撃でもひび割れにくく、とにかく長持ちするという頼もしいメリットがあります。作り方は、ベースのくすねを一度しっかり溶かした後に、細かくおろし金などで削った蜜蝋をパラパラと投入して、弱火で均一に加熱・混合して仕上げます。ただし、この蜜蝋の配合割合を欲張って多くしすぎてしまうと、冷えた後に今度はツルツルと滑りすぎてしまい、会(かい)で弦を保持しているときに右手が滑って暴発しそうになったりして、離れの絶妙なタイミングに悪影響を与えてしまうこともあります。そのため、自分の射の感覚と相談しながら、慎重に配合比率を研究していく大人のこだわりが必要なタイプですね。

なお、ネットの掲示板や一部の射手の間では、くすねが手元にないからといって、市販の瞬間接着剤や工業用のエポキシ樹脂、あるいは鮫皮(さめがわ)などを弦枕のすり減った部分の代替補修素材として自己流で使用する方法が紹介されていることもありますが、これらはあまりおすすめできませんよ。なぜなら、これら固すぎる化学薬品を一度鹿革にガッチリ染み込ませてしまうと、後から削ったり再修理したりすることが物理的に不可能になってしまい、将来的にゆがけが本当に痛んだときに、プロの弓具職人さんによる伝統的な仕立て直し対応が一切断られてしまう大きなリスクがあるからです。大切な相棒であるゆがけを一生モノとして長く使いたいのであれば、目先の簡単さに惑わされず、後から何度でもやり直せる伝統のくすねを選んであげるのが、一番賢くて確実な道かなと思います。

それぞれのくすねには、使う人のレベルに合わせた目的とハッキリとした個性の特徴があり、今のあなたにとって最適な選択肢は、現在の技術レベルや日々の稽古の頻度、手入れに関する知識の深さによって変わってきます。まずは手軽な市販品から試してみて、自分のゆがけと弦の相性にぴったりのくすねを見つけることが、弓道具のポテンシャルを常に100%引き出し、良い状態で長年キープするための、記念すべき第一歩となるはずですよ。

ゆがけのくすねの使い方と作り方

  • くすねの塗り方・使い方は?

  • 使用時の注意点とポイント

  • くすねの作り方は?

  • くすねの材料は何ですか?

  • 季節別のくすねの調整法

  • 自作と市販のくすねの違い

  • 鏝や道具の選び方・使い方

くすねの塗り方・使い方は?

くすねを実際にゆがけに塗る手順や使い方には、いくつか絶対に知っておいてほしい伝統的なステップと、綺麗に仕上げるためのちょっとしたコツがありますよ。適切な方法で丁寧に使用してあげることで、ゆがけのデリケートな鹿革を摩耗から完璧に保護し、結果として毎日の射の安定感の向上にもダイレクトにつながっていきます。初めてくすねを扱う方は、緊張して最初からたくさん盛り付けようと無理をせず、「ほんの少しずつ、薄く重ねていく」ことを意識して慎重に作業を進めるのが成功の秘訣ですよ。

まず、手元にあるくすねは常温ではカチカチの固形(または粘度の高いペースト状)ですので、そのままでは革に塗ることができません。そのため、まずは軽く熱を加えてトロンと柔らかく動く状態にしてから使用します。道場での一般的なやり方としては、アルコールランプや小さなバーナーなどで加熱した金属製の専用の道具(鏝や、千枚通しの背など)を、固形くすねの表面に優しくあてて、その熱の余熱で表面をじわっと軽く溶かしてすくい取るようにして使います。溶かしたくすねはハチミツのような半液体の状態になりますので、鏝の先端や目の細かい竹ヘラの先で本当にごく少量をすくい取り、ゆがけの弦枕の擦り減った部分や、弦が通る弦溝のラインに沿って、ゆっくりと優しく押し付けるようにして塗り込んでいきますよ。

この作業のときの最大のポイントは、「くすねを一度にドバッと厚く塗りすぎないこと」です!一気に厚塗りを指定してしまうと、一見綺麗に埋まったように見えても、冷えて固まった後に離れの強烈な衝撃で「パキッ」と一瞬で割れて剥がれ落ちてしまったり、表面がいつまでもネチャついて弦の滑りが極端に悪くなってしまう原因になります。塗布する範囲は、弓を引いたときに実際に弦がピタッと収まって通り抜けていく「必要最低限の細い線のエリア」だけにきれいに絞り込むのが上手な塗り方ですね。もしあなたが使っているくすねが、先ほど紹介した蜜蝋を含んでいるブレンドタイプの場合は、普通のものより少しだけ滑りのキレが良くなる特性があるので、次の日の練習で実際に何本か弓を引いてみて、自分の手の内の離れの感覚を確かめながら、厚みや量を微調整していくのが一番おすすめかなと思います。

くすねを無事に塗り終わったら、焦ってすぐに触ったりせず、風通しの良い日陰で時間をかけてしっかりと自然乾燥(冷却硬化)させてあげてくださいね。早く使いたいからと息を吹きかけたり、冷風を急激にあてたり、表面に浮いた油分をあわててゴシゴシと雑巾で拭き取ったりせず、室温の中でじわじわと革の繊維にくすねが馴染んで一体化していくのを静かに待つのが大人の作法です。この乾燥硬化のプロセスが不十分なまま、生乾きの状態で楽しみに弓を引き始めてしまうと、離れの瞬間に未硬化のくすねが弓の弦の側にベタッと大量に付着してしまい、せっかく綺麗に作った中仕掛けを真っ黒に汚して痛めてしまう原因になるため、できれば「明日は大事な練習日だ!」という本番の前日の夜などに、お家で落ち着いてゆっくりとメンテナンスを済ませておくスケジュールが一番理想的でスマートですよ。

くすねはあくまで、あなたの大切なゆがけの寿命を伸ばすための「保護」と、離れのキレを一定にする「補助」の目的のために、黒子として使うものです。使い過ぎて弦枕の形が変わってしまうほど盛り付けてしまうと逆効果になってしまうこともあるため、最初の扱い方に慣れないうちは、先輩のやっている姿をよく見せてもらったりしながら、本当に慎重に少量ずつ扱うことをおすすめしますよ。一歩ずつ慣れていきましょうね。

使用時の注意点とポイント

くすねを自分のゆがけに使う際には、絶対に失敗して後悔しないために、いくつか頭に入れておくべき大事な注意点のチェックポイントがありますよ。特に初めて手入れに挑戦する初心者の方は、鏝(こて)の加熱の仕方や、一度に塗る量、その後の乾燥に必要な時間などの加減をちょっと誤ってしまうだけで、良かれと思ってやったメンテナンスなのに、かえって大切な弓道具の革を傷めて台無しにしてしまう可能性があるからなんですね。ここを一緒に確認していきましょう。

まず、くすねを扱う上で一番重要で、最も失敗が起きやすいのが「くすねの温め方・鏝の温度管理」なんですよ!早く溶かしたいからと、鏝(こて)をガスコンロの火で真っ赤になるまでガンガンに熱して、そのまま一気にくすねに押し当ててしまうと、配合されている大切な植物油の成分が急激にパチパチと沸騰して蒸発してしまい、くすね本来のしなやかな粘り気や保護効果が大きく飛んでしまいます。それどころか、そんな超高温の鏝をデリケートなゆがけの鹿革に直接当ててしまったら、革の水分が一瞬で消し飛んで硬化し、まるで焼き肉のように焦げてパリパリに収縮して変形してしまう危険性すらあるんです。一度熱で硬化して縮んでしまった鹿革は、どんなに後からオイルを塗っても二度と元の柔らかい素晴らしい手触りには戻りません。ですので、焦る気持ちをグッと抑えて、火力は必ず優しい「とろ火」を基本にして、鏝がじわっと45℃〜50℃程度で行き届く、くすねが表面から優しくジワジワと溶け出す絶妙な適温をキープすることを心がけてくださいね。これが一番大事なプロの鉄則です。

また、塗る際の量についても、欲張って一度にたくさん盛り付けないように細心の注意を払ってくださいね。弦枕の凹みが気になるからと、一回の作業で段差を全部埋めようとして大量にくすねを乗せてしまうと、表面だけが空気で冷えて先に固まり、革と接している内部の奥深い部分がまだドロドロと柔らかい半生の状態のまま取り残されてしまうことがあります。この状態で道場に行って弓を引くと、離れの瞬間に受ける強烈な弦の衝撃に耐えきれず、塗ったくすねの塊が真ん中から「バキッ」と無残に割れて一瞬で剥がれ落ちてしまったり、潰れた中身がジュワッと溢れ出て弦や弽の帽子全体にベタベタと付着してしまうリスクが跳ね上がってしまいます。焦りは禁物。本当に耳かき一杯分くらいの少量ずつを、鏝の熱を使って薄く薄く革の繊維に染み込ませるように塗り重ねていき、何回かの工程に分けて徐々に革と一体化させていく丁寧なイメージで作業を進めていってくださいね。

さらに、塗り終わった後の「乾燥硬化」のプロセスも、射のクオリティを左右する本当に大切な工程ですよ。見た目には表面が冷めて固まっているように見えても、ゆがけの革の内部にはまだ鏝の熱がじんわり残っていたり、時間の経過とともに松脂の奥から植物油の成分が表面に薄くじわじわと「にじみ」を出してきている場合があるからなんですね。塗り終えた後は、指の腹でそっと触ってみて、嫌なベタつきが完全に消え去り、表面の質感がさらりと滑らかに落ち着くまで、一晩は触らずにしっかりと自然に乾燥させてあげましょう。もし完全に乾ききっていない生乾きの状態で楽しみに道場へ持って行って使用してしまうと、発射の凄まじい摩擦熱でくすねが再び溶け出してしまい、弓の弦の中仕掛けにネチャネチャと付着してしまいます。そうなると、中仕掛けが真っ黒に汚れて毛羽立つだけでなく、離れの瞬間に弦が弦枕に一瞬くっつくような挙動を起こしてしまい、射の離れのキレを著しく低下させ、矢所を大きく乱してしまうという最悪の悪影響を及ぼすおそれがあるからなんですね。手入れの後のガマンが、良い中りを生むんですよ。

また、くすねには食品のような明確な消費期限というものはありませんが、引き出しの奥などに何年もずーっと放置しておくと、天然素材ゆえに中の植物油が少しずつ分離して酸化してしまったり、松脂の性質が劣化してポロポロの粉っぽさに変わってしまうことがあります。特に自分で材料を混ぜて作った手作りの自作くすねは、市販品に比べて環境の変化で劣化しやすい繊細な面もあるため、一度に大量に作りすぎず、使いきれない長期間のストック分は、綺麗なクッキングペーパーなどで優しく包んだ上で、乾燥剤と一緒に密閉性の高い容器に入れて、直射日光の当たらない涼しい冷暗所に大切に保管してあげる習慣をつけておくと、いつでも最高の品質をキープできておすすめですよ。

このように、くすねを自分の相棒であるゆがけに使う際には、「加熱する温度」「一度に塗る量」「その後の乾燥時間」「日頃の保管方法」といった、それぞれの段階での細やかな思いやりの注意が必要です。一見すると少し面倒くさい手間に思えるかもしれませんが、この丁寧な取り扱いのひと手間が、結果としてあなたの大切なゆがけを何年も長持ちさせ、本番の射位に立ったときの一射の 的中精度を極限まで高めることにも確実に繋がっていくのですよ。道具を愛する気持ちは、必ず的に伝わりますからね。

くすねの作り方は?

くすねは、もちろん弓具店に行けば手軽に完成品(市販品)を購入することもできますが、自分の手で材料を集めて「ゼロから自作する」ことによって、自分の引いている弓のキロ数や、これからの季節の気温に完全に合わせた「世界に一つだけのオーダーメイドの硬さ」に自由に調整できるようになるんですよ。確かに少しの手間とお時間はかかりますが、弓道の歴史ある道具のメカニズムへの理解をガラッと深める意味でも、一生に一度は自分で手作りしてみる価値は十分に十二分にあると私は確信しています。なんだか職人さんになったみたいで、作っている時間もすごくワクワクして楽しいものですよ。

自分でくすねを手作りするための基本的な材料は、驚くほどシンプルで、メインの「天然の松脂(まつやに)」と、好みの「植物油(一般的には胡麻油、または大豆油)」のたった2つだけなんですよ。主原料となる松脂は、漢方薬局や大きな和楽器店、あるいは老舗の弓具店などで透明感のある琥珀色のブロック状(塊)として手軽に入手できる天然の樹脂ですので、手に入ったらまずは汚れてもいい丈夫な布などに包んで、ハンマーなどで叩いてあらかじめ細かく粉末状に砕いておくと、加熱したときにムラなく綺麗に溶けやすくなって準備万端です。混ぜ合わせる植物油は、キッチンの奥にある市販の普通の食用のサラダ油などでも物理的には問題なく代用できますが、弓道の世界の伝統としては、粘度が高くて保湿力に優れ、加熱したときに何とも言えない渋くて香ばしい良い香りが漂う「胡麻油(ごまあぶら)」が、昔から圧倒的に一番相性が良くて好まれていますね。

具体的な作り方の手順としては、まず、万が一引火したときのことを考えて、使わなくなった陶器製の小さな割れにくいお鍋や、古風な小さな土瓶(どびん)を専用として用意しましょう。そこに、細かく砕いた松脂を5匁(もんめ=約18.75g)ほど量って投入し、まずは隠し味として香りの良い胡麻油を20滴(小さな茶さじでちょうど1杯分くらい)ほどたらして、ガスコンロの極端な弱火(とろ火)にかけて、焦らずゆっくりと熱を伝えて溶かしていきます。ここで私から絶対に守ってほしい超重要な注意点ですが、「加熱の際には、アルミやステンレスなどの金属製の鍋は絶対に絶対に使用しないでください」ね!金属製の薄い鍋は熱の伝わり方が急激すぎて一瞬で高温になりやすく、目を離したすきに中の油分に一気に引火して、天井まで大きな火柱が上がる大火災になる危険性があるからなんですよ。陶器の鍋を使って、お砂糖を熱してカラメルソースを作るような優しい気持ちで、じっくり全体がダマなく均一に透明な液体に溶けきるのを待つのが安全に作る最大のコツになりますよ。

鍋の中の材料がすべて綺麗にトロトロの琥珀色の液体に溶けきったら、次はお楽しみの、現在の季節に合わせた仕上がりの硬さをチェックする「水試し(みずだめし)」という伝統的な工程に移りますよ。やり方はとても簡単で、お鍋の中から竹ベラの先で溶けたくすねを一滴だけすくい取り、冷たい水が入った茶碗の中に「ポチャン」と落としてみるんです。水の中で一瞬で丸く固まったその温かい塊を、自分の親指と人差し指の腹でそっとつまんでみて、押し潰したときの手応えを確認します。もしこれから使うのが凍えるような冬用であれば、指でグッと力を入れたときに「パチッと気持ちよく二つに切れる(ちぎれる)程度の柔らかさ」が一番引きやすくて理想的な硬さになります。逆に、これから迎える猛暑の夏用であれば、指でかなり強く押し込んでも潰れず「自分の爪の形の跡が、表面に半分ほど白く通って残るくらいのカチッとした硬さ」に仕上がっていれば大成功ですよ。もし水試しの結果、自分の狙いより硬すぎるなと感じたら油を鍋に数滴たらして弱火で馴染ませ、逆に柔らかすぎてベタつくなと感じたら松脂をほんの少し追加して、納得がいくまで何度でも水試しを繰り返して微調整してあげてくださいね。この実験みたいなプロセスが本当に面白いんですよ。

自分好みの極上の硬さに調整が完了したら、コンロの火を止めて、鍋がまだ熱いうちに火傷に十分気をつけながら、溶けたくすねをあらかじめ用意しておいた竹ベラの先端や、小さくカットした古い握り革の端切れの上に、丸くぽってりと盛り付けるようにして移し、そのまま常温でゆっくりと冷ましていきます。冷蔵庫などに入れず、室温の中で自然にゆっくりと冷却させてあげることで、内部の分子が綺麗に結びついて、ツヤのある割れにくい最高の手作りくすねが完成しますよ。冷めて完全に固まったら、普段の持ち運びの際にホコリやゴミが表面にペタペタ付着して汚れてしまわないように、綺麗なクッキングペーパーやパラフィン紙で優しく包んだ上で、小さなジップロックなどの密封容器に入れて弓袋のポケットにしまっておくと、いつでも道場に持って行けて非常に便利ですよ。

なお、最後に自作する際の一番大切なマナーとしての注意点ですが、松脂を熱する作業は、必ず窓を全開にして換気扇を強にして回すか、できればお家のベランダや庭などの屋外の風通しの良い場所で行うようにしてくださいね。天然の松脂は加熱すると、道場でお馴染みのあの独特の濃い白い煙と、かなり強烈な松の匂いが部屋中に充満してしまいます。何も知らずに締め切ったリビングなどでやってしまうと、火災報知器が激しく鳴り響いて家族を驚かせてしまったり、煙を吸い込んで喉を痛めてしまう原因になるおそれがありますからね。周囲への優しい配慮を忘れずに、安全第一で大人の工作を楽しんでみてください。

このように、伝統のくすねの作り方は手順自体はとてもシンプルですが、火の回りの扱い方や材料の絶妙な比率の調整には、細心の注意と職人のようなこだわりが必要です。一度でも自分好みの最高のくすねが作れるようになると、ゆがけと弦の関係性が体感でよく理解できるようになり、道具を信頼して引ける分、結果として射形の無駄な力みが抜けて、より素晴らしい皆中(的中)にも繋がっていくはずですよ。ぜひ機会があったら挑戦してみてくださいね。

くすねの材料は何ですか?

「くすねって、そもそも何からできているんですか?」と不思議に思われる方も多いですが、基本の材料は、大自然から採れる天然の松脂(まつやに)と、私たちが普段の暮らしでもよく使う植物性の油の、たったの2つが主成分なんですよ。この非常にシンプルな自然の素材をベースにして、使う人のこだわりや目的、引きたい弓の特性に応じて、必要であれば天然の「蜜蝋(みつろう)」などをほんの少し隠し味としてブレンドして、自分なりにカスタマイズしていくのが大きな特徴ですね。化学薬品や合成保存料などを一切使わずに、昔ながらの自然の力だけで道具を守る補強材が作られているなんて、日本の武道の歴史の深さを感じてなんだかワクワクしてきちゃいますよね。

まず、くすねの骨格となる一番の主原料である松脂は、マツ科の樹木が自分の身を守るために分泌するネバネバした透明な樹液(生松脂)を蒸留して、不純物を綺麗に取り除いて固めた黄色い琥珀色の結晶のことです。この松脂は非常に高い粘着性と、冷めると強固に固まる優れた性質を持っていて、弓道の世界だけでなく、古くから日本の伝統的な漆塗り(うるしぬり)の接着剤や、バイオリンの弓の滑り止め、野球のピッチャーが使うロジンバッグの滑り止め材料としても、世界中で重宝されてきた歴史があるんですよ。くすねの自作用に手に入れる松脂は、濁りがなくて中が透き通っている新鮮なものほど、鏝(こて)をあてたときにサラリと低い温度で溶けやすく、冷えた後もパキパキ割れずに弾力のある上質な仕上がりになるので、選ぶときはぜひツヤのある綺麗な結晶を探してみてくださいね。

そして、その硬い松脂に絶妙なしなやかさを与えるために加えるのが植物油で、弓道界の伝統で最も愛されて使われているのが、香ばしい香りが特徴の「胡麻油(ごまあぶら)」です。胡麻油は他のサラダ油などに比べて粘度がしっかりしていて、乾きにくく、高い保湿力としなやかな柔軟性に優れているため、加熱したときに松脂の分子の間に優しく入り込んで、くすねに適度な伸びと革になじむしっとりした柔らかさを加える、クッションのような素晴らしい役割を果たしてくれるんですね。人によっては、大豆油や菜種油、身近なサラダ油などで代用して作るケースもありますが、これらの油は胡麻油に比べてサラサラして粘度が低いため、完成して冷えたときの指先の手触りや、ゆがけに焼き付けたときのコーティングの持ちの良さにはやや違いが出ることがあるので、個人的にはやっぱり王道の胡麻油を使うのが一番失敗がなくておすすめかなと思いますよ。

さらに、使う人の好みの好みに応じて、この2つの主原料のなかに「蜜蝋(みつろう)」を少量ブレンドすることもあります。蜜蝋は、ミツバチたちが自分の巣を形作るために体から分泌する天然の固形ワックスで、独特の甘い香りと、熱を加えると非常に滑らかにのびて広がる優しい性質を持っています。松脂と胡麻油だけで作ったベーシックなくすねは、冬場などにはどうしてもカチッと硬くなって表面が乾燥しがちになりますが、この蜜蝋をほんの少し削って混ぜてあげることによって、ゆがけの鹿革を乾燥から守る保護力としなやかな滑りやすさがさらに何倍もアップし、離れの瞬間に弦が弦枕から驚くほどスムーズに滑り抜けていくという実戦的なメリットが生まれるんですよ。お守り代わりにちょっと混ぜる先輩も多いですね。

このように、くすねは日本の豊かな大自然からお裾分けしてもらった天然由来の優しい素材だけを組み合わせて作られる、伝統的でありながらこれ以上ないほど実用的な弓道具のコンディショナーです。変な添加物やツンとする化学薬品を一切使わずに作られているからこそ、何年も大切に使う高価なゆがけの鹿革を内側から痛める心配がありませんし、手入れをしている最中も自分の手に優しくて、安心して毎日使用できる点が大きな魅力ですよね。ただし、素材の組み合わせの割合(滴数)がほんの少し変わるだけで、溶ける温度や引いたときの使い心地がガラッと変化する繊細な面もあるので、自作する際はぜひ色々な比率を試してみて、あなたの右手に一番しっくりくる黄金のレシピを探してみてくださいね。

季節別のくすねの調整法

くすねという道具は、天然の樹脂と油でできているため、周りの「気温」や「湿度」の変化に対してもの凄く敏感に性質が変化する、まるで生き物のような面白い特徴を持っているんですよ。そのため、日本の目まぐるしく変わる季節の気候条件に応じて、材料の比率を変えて硬さや柔らかさを上手にコントロールしてあげる必要があります。特に日本の夏と冬では気温の差が極端に激しいため、春に作ったちょうど良かったはずのくすねをそのまま夏の道場に持って行って使用すると、暑さでドロドロに溶けて使い物にならなくなってしまったり、逆に冬の道場ではカチカチに凍りついて革に全く塗れなくなってしまったりして、使用感に天と地ほどの大きな差が出てしまうからなんですね。ここでは、道具と上手に付き合うための季節ごとの絶妙な調整法について詳しく紹介しますね。

まず、ジメジメとして気温がうなぎ登りに上がる「夏場」は、道場に置いておくだけでも室温の暑さのせいで、くすねが自然と柔らかくなりすぎて、表面がベタベタと溶け出しやすくなってしまいます。このような過酷な時期には、くすねを作る段階で主原料である松脂の割合をいつもより多めに増やして、全体をガチッと固めの質感に仕上げてあげるのが絶対の基本になりますよ。硬めに調整した夏用のくすねは、真夏のサウナのような道場の中でも形が崩れにくく、ゆがけに塗った後に自分の体温や手の汗でベタベタに溶けて弦や弓を真っ黒に汚してしまうのを、水際で防ぐことができます。また、夏場は油の量をあえて数滴控えめにしておき、ゆがけに塗布した後の自然乾燥に必要な時間を、普段より長めにじっくりと取ってあげることも、離れを綺麗に抜くための隠れた重要なポイントになりますね。

一方で、北風が吹いて指先がかじかむような「冬場」は、気温が低すぎるせいでくすねが石のようにカチカチに固まってしまい、鏝(こて)をあててもなかなか溶けず、ゆがけの革に馴染ませるのが難しくなってしまいます。このような乾燥して寒い時期には、逆に植物油(胡麻油)のたらす量を普段のレシピよりやや多めに贅沢に加えてあげて、低温でもじわっと溶ける「柔らかめの冬用くすね」を仕込んであげるのがベストな選択ですよ。あらかじめ柔らかめに作っておくことで、冷え切った冬の道場でも鏝の優しい余熱でスムーズに溶かして弦枕に薄く綺麗に塗布することができますし、射放つ瞬間も寒さで弦枕がガチガチにならず、しなやかな滑りの良さをキープすることができます。また、冬場は乾燥による革のひび割れが起きやすいので、先ほど紹介した天然の蜜蝋を少量混ぜ込んであげることで、弦枕の柔軟性と保湿性を同時に高めて道具を労わる上級者のテクニックもありますよ。

そして、気候が穏やかな「春」や「秋」といった中間の季節であれば、松脂と油のバランスをメーカー推奨の標準的な基本の比率(例えば松脂5に対して油1の割合など)に戻してあげて、その日の天候に合わせて微調整することで、年間を通してオールマイティに使える通年用のくすねとして快適に使い回すことも十分に可能ですよ。自分の手の内の感覚がとても敏感な方や、大会で絶対に外したくない競技志向の強い方の場合は、年間を通して自分の弓箱の中に「夏用」「冬用」「春秋用」という2〜3種類の硬さの違うくすねのストックを綺麗に常備しておき、当日の朝の道場の温度計を見ながら「よし、今日は暑くなりそうだから夏用で手入れをしよう!」といった風に、スマートに使い分けているこだわり派の方もたくさんいらっしゃいますよ。

自分の作ったくすねが今の季節に合っているかを確かめるためには、先ほど作り方のところでもお話しした、熱い液体を一滴冷たい水に落とす「水試し(みずだめし)」という伝統的なチェック方法が一番簡単で確実です。水の中で冷え固まったくすねを指でギュッと押しつぶしたときに、力を入れたら「パチッと綺麗に二つにちぎれる」くらいの手応えになれば乾燥した冬用にぴったりですし、指でかなり強く押し込んでも形が崩れずに「自分の爪の跡が表面に半分ほど白く通る」くらいのカチッとした手応えになれば、汗をかく夏用にぴったり、という明確なひとつの合格基準になります。自分の指の腹の感覚を磨くのにも役立ちますよ。

このように、日本の美しい四季ならではの温度と湿度の変化をしっかりと意識して、材料の配合比率や蜜蝋などの添加物の量を季節に合わせて賢く変えてあげることで、くすねは一年中いつでもあなたの期待を裏切らない、安定した最高の使い心地を保ち続けてくれるようになりますよ。プレッシャーのかかる審査や試合でいつでも普段通りの快適な離れを維持するためにも、お洋服を衣替えするのと同じような感覚で、気候に応じた優しくきめ細やかな調整を毎年の楽しい習慣にしてみてはいかがでしょうか。

自作と市販のくすねの違い

くすねを手に入れようと思ったとき、今の弓道界には「自分で材料を集めてじっくり手作り(自作)する方法」と、「弓具店やネットショップで完成品(市販品)をスマートに購入する方法」の、大きく分けて2つのルートがありますよ。これらはどちらが良い悪いという話ではなく、それぞれに素晴らしいメリットと、知っておくべきちょっとしたデメリットが存在していて、使う人の今の弓道の経験値や、道具に対するこだわり度合いによって、どちらが一番合っているかの最適な選択が変わってくるんですね。ここでは、あなたがどちらを選ぶべきかの安心な判断材料になるように、両者の違いをハッキリと分かりやすく比較して解説していきますね。

まず、昔ながらの「自作のくすね」は、漢方薬局などで松脂の結晶を買い、キッチンの胡麻油を用意して、自分で火にかけて混ぜ合わせるアナログな楽しさがあります。自作する一番の最大のメリットは、なんといっても「自分の手の内の好みに合わせた究極のカスタマイズ性と、抜群の経済性」にありますよ!先ほどもお話ししたように、「今年の夏は例年より猛暑になりそうだから、いつもよりさらに松脂の割合を増やしてガチガチに硬く作ろう」とか、「冬の乾燥で指が滑るから、今回は蜜蝋を多めにブレンドしてしっとり仕上げよう」といった風に、自分の引いている弓のキロ数や体感の好みに合わせて、配合の比率をミリ単位で自由自在にコントロールできるのが、こだわり派にとってはたまらない大きな魅力なんですね。また、最初に松脂の塊をまとめて買っておけば、1回あたり数十円程度のコストで何個でも量産できるので、長期的に見ればお財布にとっても非常に経済的で助かりますよ。

ただし、手作りの自作ルートには、いくつか事前に覚悟しておくべきハードルの課題もあります。一番は、火を使って松脂を溶かす際に、もし火加減を誤って高温にしすぎてしまうと、中の油分に一気に火が引火して激しく燃え上がるという物理的な危険があること。また、初めて作る初心者のうちは、水試しの感覚の正解が分かりづらいため、いざ冷ましてみたら「柔らかすぎて指がベタベタになって使えない!」とか「硬すぎてゆがけに塗った瞬間にガラスみたいに粉々に砕けちゃった…」といった、実用に適さない失敗作になってしまうリスクもあるんですね。道具となる専用の土瓶や竹ベラ、作業中の強い煙を逃がすための換気環境なども必要になるため、ある程度の事前の準備と、失敗してもめげない大人の経験値が求められる玄人向けのルートと言えます。

一方で、弓具店で綺麗に売られている「市販のくすね」は、何と言っても「買ったらその場ですぐに使える圧倒的なお手軽さと、誰が使っても失敗しない均一で安定したハイクオリティ品質」が最大の強みになりますよ!特に翠山弓具店などで売られている現代の最先端のチューブ入りの製品などは、プロの工場で厳密な品質管理が行き届いているため、中身が分離したりする心配が最初からありません。しかも、45℃〜50℃程度の、お風呂より少し熱いくらいのとても低い低温でじわっと綺麗に溶けるようにあらかじめ成分がブレンドされているので、初心者の方でもゆがけの鹿革を熱で焦がしてしまうリスクがほとんどなく、塗布した後はわずか10秒ほどでサラッと綺麗に硬化してくれるなど、とにかく不慣れな人に優しく親切な設計になっているのが特徴です。弓道を始めたばかりの学生さんや、道具の細かいメンテナンスにまだ自信がないという方にとっては、市販品を選ぶ方が圧倒的に安全で間違いがありませんよ。

ただし、市販のくすねはすべての射手に向けて一律のバランスで仕上がっている既製品ですので、「もう少しだけ粘り気がほしいな」とか「自分の手の内の離れのタイミングに合わせてもうちょっと硬くしたい」といった、使用者のレベルが上がってきたときに出てくる細かい好みのカスタマイズに対応するのは難しいというデメリットもあります。また、季節ごとに買い替えるとなると自作に比べてどうしても1個あたりの価格がやや高くなる傾向がありますね。
このように、自作のくすねは「知識と技術が必要だけど、こだわりを無限に形にできるお財布に優しい上級者向け」、市販品は「手軽で安心安全、クオリティも完璧だけど、細かい微調整は効かない初心者〜中級者向け」という分かりやすい構図になっています。ですので、まずは最初のうちは無理をせず市販のチューブ入りなどを弓袋に一つ忍ばせておいて手入れの基本の流れを掴み、弓道の段位が上がってもっと道具の深遠な世界を探求したくなったら、満を持して材料を集めて世界に一つの自作くすね作りに挑戦してみる、というステップを踏むのが、一番現実的で後悔のない賢い道具の選び方かなと思いますよ。自分のペースで進めていきましょうね。

鏝や道具の選び方・使い方

手に入れたくすねを、自分のゆがけに対して適切に安全に使用するためには、周辺を支える「専用の道具選び」がもの凄く重要なポイントになってくるんですよ。中でも「鏝(こて)」と呼ばれる金属製の加熱用のツールは、くすねを熱でじわっと溶かして革に焼き付けるための、手入れの要となる主役の道具なんです。この鏝をはじめとする周辺ツールの正しい選び方や確実な使い方をしっかり知っておくことで、毎日のメンテナンスの作業効率がグンと跳ね上がるだけでなく、大切なゆがけの安全性や、仕上がりの美しさにも驚くほど大きなプラスの影響を与えてくれますよ。

まず、鏝にはお裁縫用やハンダ付け用などさまざまな種類がありますが、弓道でくすねを溶かすために使うツールとしては、全体が細身で、かつ革に直接触れる先端が「丸みを帯びて滑らかに処理されているタイプ」が一番適していますよ。先端が丸い形状になっていると、熱を加えながらデリケートな鹿革の表面に対して、キズをつけることなく優しくくすねをなじませながら、均一な厚みで滑らかに塗り広げるのに非常に向いているからなんですね。昔ながらの道場では、代用品として大工仕事で使う大きな「千枚通し(せんまいどおし)」の金属部分や、太い「五寸釘(ごすんくぎ)」の頭などをコンロで熱して使う先輩もよく見かけますが、これらの代用品は先端が鋭利すぎて革を突っついて傷つけてしまいやすかったり、金属が薄くて加熱の温度が急激に変わりムラになりやすいため、もし使う場合は、大切なゆがけの弦枕を抉ってしまわないように細心の注意を払って優しく当てるテクニックが必要です。不安な方は、弓具店で売っている専用の「ゆがけ用の鏝」を一つ用意するのが一番安心かなと思いますよ。

この金属製の鏝を使うときは、ガスコンロの小さな火や、持ち運びできるポータブルバーナーの炎に金属の先端を直接当てて加熱しますが、ここで絶対にやってはいけないのが「鏝を高温にしすぎて、金属が真っ赤になるまで熱してしまうこと」です!これは親切心から熱くしすぎがちですが、完全に逆効果になってしまうので注意してくださいね。何度も言うように、くすねはおおよそ45℃〜50℃という、手でギリギリ触れるくらいの優しい温度で十分にじわっと溶け始める性質を持っています。金属が赤くなるほどの超高温(数百℃)の鏝をくすねに押し当てると、一瞬でパチパチと黒く焦げて煙が立ち上り、配合されている胡麻油の成分が一瞬で消し飛んでただの硬いカーボンに劣化してしまいます。それだけでなく、そんな熱すぎる鏝がゆがけの革に1秒でも触れたら、鹿革のタンパク質が熱で一瞬で変性してカチカチのプラスチックのように固まってしまい、大切なゆがけがその瞬間から二度と使えないジャンク品になってしまうおそれがあるからなんですね。加熱の目安としては、鏝を火の中に数秒かざして温めた後、一度火から外して、空中で10秒〜15秒ほど待って少し熱を落ち着かせてから使うか、あるいは道場の「古い握り革の端切れ」などに鏝を一度ジュッと押し当ててみて、革が焦げない絶妙な温度になっていることを自分の目で確認してから弦枕に当てるのが、絶対に失敗しないプロの素晴らしい職人技なんですよ。この一手間で大切な弓具を守りましょうね。

実際の塗布の作業では、適温に温まった鏝の先端に、固形くすねの表面を軽くこするようにお願いして、ハチミツ状に溶けたくすねをほんの少量だけ取ります。そして、ゆがけの弦枕の凹んでいる部分や、弦が通る弦溝のラインに対して、鏝の丸い背中を優しく添えるようにして、力を入れずに軽くすーっと滑らせるようにして塗っていきますよ。このときのコツは、自分の腕の力でギューギュー押し付けるのでは決してなくて、鏝が持っている「金属の心地いい重み」と「優しい余熱」だけで、革の繊維の奥にくすねが自然にじわーっと染み込んで溶け込んでいくのをサポートしてあげるような優しいイメージを持つことです。凹みが気になるからと一回で厚く塗りすぎてしまうと、冷えたときに中が固まらずにひび割れや剥がれの一番の原因になってしまうため、爪の先ほどの薄い膜を作る気持ちでサッと塗り、物足りなければ数分置いて冷ました後に、もう一度同じ作業を繰り返して少しずつ何層かに分けて重ねていく方が、結果として段差が綺麗にフラットに埋まり、非常に剥がれにくい極上のプロ級の仕上がりになりますよ。

また、鏝の金属熱を直接ゆがけに当てるのがどうしても怖くて緊張しちゃうという方の場合は、鏝を使わずに、細く削った「竹ベラ」の先に溶かしたくすねを盛り付けて、ヘラを使って弦枕に塗り広げたり、使わなくなった古い握り革(にぎりかわ)の端切れでくすねを包んで摩擦熱で擦り込む、といった金属を使わない優しいアプローチ方法もありますよ。特に弦枕の溝の形を崩さずに、広い範囲を均一に美しく仕上げたい場合や、モダンな低温融解型のペーストくすねを使う場合は、こうした竹製や革製の柔らかい道具を使った方が、ゆがけを絶対に傷つけないので初心者の方にはむしろ便利で扱いやすいケースもたくさんありますね。自分のやりやすいお気に入りのスタイルを見つけてみてください。

そして道具を使った後の最後の大切なお片付けのポイントとして、鏝や竹ヘラを使い終わったら、金属の熱がまだ残っていてくすねがドロドロと柔らかいうちに、古いボロ布やティッシュペーパーなどを使って、道具の先端にこびりついた余分なくすねを「キュッ」と綺麗に拭き取って清掃しておく習慣をつけておきましょうね。これを面倒くさがってそのまま放置して冷ましてしまうと、次回使うときに古い真っ黒に焦げついた古いお残りが新しいくすねに混ざってしまい、ゆがけに塗ったときに黒いツブツブのムラができて仕上がりの美しさが損なわれてしまう原因になりますし、道具自体の寿命も縮めてしまいますからね。道具を綺麗に保つことも、弓道の上達の本当に大切な第一歩ですよ。

このように、ゆがけの手入れに使う鏝や周辺のツールは、ただ手元にあって「熱を加えられるもの」であれば何でも良いというわけではなく、あなたの大切なゆがけの革の特性を理解した上で「適切に優しくコントロールして使えるもの」であることが何よりも重要になってくるんですね。あなたの大切な相棒であるゆがけを、怪我のトラブルから守り、安全に、そして確実にくすねの素晴らしいコーティング効果を100%引き出すためにも、鏝の温度の感じ方や周辺の道具に対する理解を毎日の稽古の中でじっくりと深めていって、自分だけの相棒ツールに育て上げていってくださいね。道具が万全になれば、あとは自信を持って的のど真ん中をスパーンと撃ち抜くだけですよ!

ゆがけのくすねの基本と使い方の総まとめ

  • くすねは、天然の松脂と体に優しい植物油(胡麻油など)をブレンドして作られた、日本伝統の優秀な弓具補強剤です

  • 使うときは、湯煎や温めた鏝(こて)の優しい余熱をあてて、半液体の状態に柔らかくして少量ずつすくい取って使用しますよ

  • ゆがけの弦枕や弦溝に薄く焼き付けるように塗ることで、過酷な離れの摩擦からデリケートな鹿革の摩耗をガッチリ防いでくれます

  • 弦が抜ける際の抵抗が常に一定にコントロールされるため、引っかかりのない鋭い理想的な離れの安定につながる効果があります

  • 塗り終わった後は、焦って触らず風通しの良い日陰でしっかり自然乾燥させて、次の日の弦への余計なベタつき付着を防ぎましょう

  • くすねを正しく使いこなす手入れの習慣は、何年、何十年とあなたと一緒に戦うゆがけの寿命を大幅に延ばすために非常に重要です

  • 弓具店で売っている市販の低温融解型くすねは、低い温度で綺麗に溶けて革を焦がすリスクが低いので、初心者の方に一番安心でおすすめです

  • こだわり派の自作くすねは、材料の配合比率を自分で変えることで、その時の気温や好みに応じた極上の硬さに自由に調整可能ですよ

  • 毛羽立ちやすい伝統の「麻弦」には定期的な補強としてくすねが必須ですが、現代の「合成弦」には基本的に使う必要はありませんよ

  • 日本の激しい気候に合わせて、暑くて溶けやすい夏は松脂を多めて硬めに、寒い冬は油を多めにして柔らかめに調整するのが基本です

  • 千枚通しや専用の鏝を熱するときは、真っ赤になるまで加熱しすぎず、革が焦げない絶妙な適温(45〜50℃)に十分注意して使用しましょうね

  • ブレンドに天然の蜜蝋(みつろう)をほんの少し削って加えてあげると、弦枕の保護力としなやかな柔軟性がさらにアップします

  • 一回で段差を埋めようと欲張らず、耳かき一杯分くらいの量を数回に分けて少しずつ薄く塗り重ねていくのが、一番綺麗に仕上がるコツです

  • 間違って瞬間接着剤などを使ってしまうと、革がカチカチになって職人さんによる今後の再修理が一切できなくなるので自己判断は禁物ですよ

  • くすねを自分の手で上手に扱えるようになることは、弓道の奥深い技術の習得と、歴史ある道具へのリスペクトの理解を深める最高の手段となります

ゆがけのトラブルでくすねと並んで多いのが、湿気によるカビのお悩みです。大切なゆがけを衛生的に長く保ちたい方は、こちらの対策記事もあわせて読んでみてくださいね。

関連記事:ゆがけのカビの原因と対策を徹底解説!正しい手入れ法とは

道場全体の環境や、的が立つ安土の正しい整備方法について詳しく知りたい方は、こちらの定番のまとめ記事もすごく勉強になっておすすめですよ。

人気記事:弓道の安土の基礎知識と整備方法を徹底解説

読者限定オファー

弓道のパフォーマンスを落とす
「身体のゆがみ・姿勢」を根本から整える

累計200万表示の「弓道ライフ」運営者が、四段の視点であなたの身体をメンテナンス。
(オマケ:あなた専用の「16パターンの身体操作」も無料診断します)
【1日3名様限定】名古屋駅徒歩5分
初回通常 8,800円
       
5,000円(税込)
詳細・空き枠を今すぐ確認する
道具
シェアする
ゆみの先生をフォローする
タイトルとURLをコピーしました